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アストロズ優勝で、学校が休み!:緩くて厳しい!?テキサスの学校教育・番外編

ヒュースト二アンなら、強い年のアストロズの応援は必須

ヒューストンを本拠地とする野球チーム、アストロズがワールドシリーズで優勝しました!ヒューストニアン(ヒューストン住民)としては、優勝が絡んだ、アストロズの応援をしないわけにはいきません。こっそりと、大谷翔平選手のいるエンジェルスを応援していたことは内緒で、ヒューストニアンらしく、しっかりと優勝祈願バーベキューパーティに参加してきました。

ちなみに、ヒューストニアンのアストロズの応援に熱が入るのは成績の良い時限定です。他の球場のシステムはわかりませんが、本拠地としている球場のチケットは、アストロズの成績によって値段が変動するそうです。成績の良い時には、街中にチームカラーである”オレンジ色”が目立つようになってきます。

ちなみに、ヒューストンでは、”アストロズデー”なるものがあり、この日には、民間企業でも、人事部が中心に「アストロズのグッズか、オレンジ色の何かを身につけて、オフィスをオレンジ色に染めることで、アストロズ・スピリッツを見せつけましょう!」みたいなことが行われます。参加はもちろん自由ですが、このような企画は、結構みんなノリノリで参加します。私もアストロズ・グッズは何着か持っています。正装以外のドレスコードで、着ていく服に迷ったら、とりあえず、アストロズのTシャツを着ていれば間違いないという点でも、とっても便利です。

優勝したら、学校は休み!?

優勝が見えてきたところで、子どもたちの目下の関心事は、優勝パレードが行われる月曜日に、学校が休みになるかどうか?ということ。アストロズが優勢になり、追加点が1点、2点と増えていくにつれ、「アストロズ、頑張れー!」という声援に「学校、休みたいー!」みたいな声が追加されていきます。

アストロズが優勝したら、学校が休みになるなんてことがあり得るのか?

答えは「学校(区)によってはある」です。
テキサスを本拠地とする球団は、アストロズの他に、レンジャーズがあります。同じテキサスであっても、このファン層はかっちりと分かれているようで、例えば、ヒューストンで、レンジャーズのグッズというものは、まず見かけることがありません。そのようなこともあり、アストロズが優勝しても、影響があると考えるのは、ヒューストン圏界隈のみで、テキサス全域ではありません。

それでは最も影響がありそうな”ヒューストン圏”の学校を取り締まっている組織は何か?というと、リージョン4というものがあります。しかし、リージョン4というのは、ヒューストン圏にある各学区を取りまとめた組織であるものの、学校を休みにするかどうか?という決済は、各学区に権限があります。ここに一部の学校の子どもたちの悲劇?がありました。

日曜日に行われた、休校要求のための署名活動

Change.orgというオンライン署名の収集サイトをご存じでしょうか?社会的な問題についての意見表明を行い、賛同者(目標数の著名)を集めることができれば、それを検討する権限のある組織に、同サイトを通じて意見することができるというものです。「子どもに対するワクチン接種反対」のような意見での署名活動は、見かけたことがあったのですが、昨日(日曜日)に、とある学区の子どもたちが必死に集めていたのは、何と・・・。

うちの学区も月曜日は休校にして!

というものでした。
どうも”大通りを挟んで向こう側の学校では、休講なのに、自分たちの学校だけ通常運転という学区”があったようです。子どもたちにも、友人からたくさんのヘルプメッセージが来ているようでした。目標7,500に対して、夜8時ごろ(?)見た時には6千ちょっとでした。仮に目標数集まったとして、日曜日の夜には、同学区のマネジメントは仕事モードではないでしょうから、月曜日の休校は無理ではないかな・・・と思っていたのですが・・・。やっぱり同学区のみ学校は通常通りとなったようでした。

生徒半分、病欠した先生も!?

実際、学校に行った子の話では、きちんと出席していた子どもは、半分くらいだったと言います。「朝突然、具合が悪くなった」という先生もいて、先生不在で、半分の机が空いたままの教室では、「ふーん、病欠ね」「へー、病欠」「病欠、ほー」みたいな雰囲気だったそうです。代理の先生はもちろんいません。そのような場合、することがないので、親に対し「誰もいない!自分も帰りたい!」「午後から帰る子もいるから迎えに来て!」みたいなメッセージを送り続けるお子さんもいたようです。

ちなみに、アメリカでは先生がお休みされる際に、先生不在のクラスになることはよくあることのようです。きちんとした先生であれば、オンラインツールに課題が掲載され、授業中に課題に取り組むことができるそうなのですが、そのような指示がない場合には、おしゃべりしたり、携帯電話をいじったりしか、やることがないということもあるようです。

先生がいるクラスでも、半分の生徒が欠席であれば、授業を先に進めるということを控える先生も少なくないようです。

これは正直、よくないシステムだと思います。学校のルールを守って、出席している子に合わせるのではなく、欠席している子に合わせるからです。”できない子””頑張っていない子”のペースに合わせるという調整の仕方のは、アメリカの学校教育の中で、多々見かけます。これが高い水準だったはずの、アメリカの教育を崩壊させた原因の1つではないかと思います。

それに・・・地域のスポーツチームが優勝について、地域住民全体でお祝いするために学校を休むのであれば、それ自体は悪いことではないと思います。何もカリキュラム通りにカリカリ勉強をするべきと思っているわけではありません。ただ、それならば、もうリージョン4全体で休校にしたら良いのに、と思います。これだけSNSが活発な時代に、他校の様子は筒つけです。学校も自校の様子をアピールするために学校ごとのアカウントでSNSを展開しているのだと思います。そのような中、子どもたちにきちんと説明することもなく、「自分の学区だけ特典がない」と感じさせても・・・。というのも、学区のマネジメントの方に言いたいことは、

ここはアメリカですよ。

ということ。アメリカの学校はたとえば、長期休暇前の終業式の日にも、出席が半分くらいになる時があります。テストも終わっていて、新たな何かを学ぶような授業も予定されていない中、出席する意味はないという”合理的な考え”により、お休みする子が多いのです。良いとか悪いとかではなく、これがアメリカでの”スタンダード”なのだと私自身、考えるようにしています。

というわけで、優勝パレードが午後から予定されていた、月曜日についても、生徒やそして、おそらく先生までもお休みすることは、予想できたことです。生徒が半分くらいしか出席していないことで(または、先生がお休みすることで)、授業が先に進めにくいという状況も予想ができたと思います。ならば、まじめに出席した子どもが、”教室ですることもなく座っているだけ”というバカをみないように、休校にするべきだったのは?と。

アメリカで1つ嫌だなと思うことは、こういう指示通りに動いた人の方が損をするようなことが多々あることです。バーベキューで「子どもを行かせるべきかどうか?」を悩んでいた保護者の方も、「行ったところで授業がきちんと行われないだろう」と思いつつも、学校が休みを宣言してくれない以上、通常通りの授業が行われる可能性もあり、結局、子どもを励ましながら行かせたとのことでした。

休講した分の授業はどうなるのか?

日本人の感覚だと、年間スケジュールで予定していなかった休校を行なった場合、その日学ぶことができなかったクラスについて、どのような形で取り戻すのか?ということが気になります。しかし、このような場合、補講というものはおそらく行われないと思います。特に、今回の場合、たった1日です。

ヒューストンにある公立学校が突然、1週間以上の休校を余儀なくされたことは、近年だけでも、3つあります。

  • ハリケーン・ハーヴィ:ハリケーンが去っても、道路に溢れた水によって通行できない道がたくさんあったり、復旧作業が必要なお家があったために、しばらく学校がお休みになりました。

  • スノー・ストーム:1週間くらい学校はお休みだったと思います。

  • コロナ・パンデミック:必要不可欠な最低限の経済活動を除き、すべて一時中止とされたロックダウンが2020年3月半くらいに始まりました。学校もオンライン授業に切り替えますということだったのですが、テキサスの学期末である5月くらいまでグダグダしていた印象でした。

日本では、休校が行われた分、補講が行われたりするのではないかと思うのですが、上記の3つの、割と長めの休講が行われた時にも、特に補講はありませんでした。
補講することなく、授業のスピードを上げることで完了させたのかもしれませんし、重要度の低い項目を一部カットした可能性もあります。全く何も気にしない先生であれば、授業計画の続きから授業を再開し、学期が終わったところの項目で終わりとしている懸念さえもあります。

しかし、実際のところ、カリキュラムのがどういう状態で学年が終わったのかすら、わからないのです。というのも、テキサスでは教科書を使わないため、その年学ぶべき事項のどれくらいを学んだとか、学んでいないとかいう確認をするのが難しくなっています。

さらに・・・・こんなことが気になるのは、おそらく私が日本人だからかもしれません。周囲のママ友に「(今回、学べなかったことが)次の学年で問題にならないかしら?」という不安を口にしても、それに共感してもらえることはほぼほぼありません。

「学校が進級させているんだから、大丈夫じゃない?」

・・・そうなのでしょうか?

ただ、この辺りは子どもたちの方が慣れているようです。学校で習ったかどうか?というのは気にせず、わからない項目があれば、YouTubeで適切な番組を探してそれを学ぶ・・・が、1つの習慣になっています。というのも、先生不足のアメリカでは、資格のない(必要な修了証を全て持っていない)先生が教えることが珍しくないからです。この辺りの話は、本編の方でシェアさせていただきたいと思います。

何はともあれ、アストロズ、おめでとう〜!

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