機内で陽性発覚した女性、4時間トイレに自主隔離でヒーローに?:米国コロナ事件簿(5)
ポジティブなストーリーとして、本名が大きく報じられているニュースですが、私のコラムはメディアで報じられている路線ではなく、個人的に疑問に思ったことをまとめたものになります。個人攻撃をする気持ちはありませんので、あえて、仮名(ミシガン先生)で展開させていただきます。
実は12月末(昨年末)にあった出来事なのですが、それからずっとモヤモヤしていたので、やっぱりシェアさせていただくことにしました。
ちなみに、ご本人は、TikTokで一部始終を上げています。事件概要で引用した記事内に、動画のリンクがあります。
事件の概要
*記事中では、トイレで5時間となっていますが、別の記事で、飛行時間が5時間と、搭乗1時間後に検査が陽性とありましたので、タイトルでは、トイレの自主隔離時間を4時間としています。
個人的なモヤモヤを感じる点
陽性者が機内にいた謎
「陽性者がなぜ機内に?」と、思うかもしれません。別の記事によると、ミシガン先生は、搭乗前にも2度ほど検査を受けて、どちらも陰性だったようです。この陰性証明を持って、搭乗したものだと思います。
この部分に触れていたメディアもこれ以上の追及はしていませんでしたが、個人的にモヤモヤするのが、機内になぜ簡易検査を持ち込んでいたのか?という点です。しかも、「搭乗まえに2度検査を受けた」というのにもモヤモヤします。搭乗前のコロナ検査とは、”陰性証明”を取得するために必要なものとして受けるものですから、一度、陰性が出た人がもう一度検査を受けたいと思うようなことがあるの?と思ったわけです。
すると、別記事で、”母親を亡くしたばかりだったので、父親に感染させたくないため、コロナ対策に慎重だった”という話もありました。これも一見納得できそうなのですが、父親とは一緒に搭乗していますので、それ以前から一緒にいた彼女が父親のために何度も検査をする意味がよくわかりませんでしたし、そこまで心配なら欧州には旅行に行かないと思ったのです。
検査のタイミングの謎
そして、2度の陰性証明を得ていた上で、搭乗する際に、手荷物として、簡易キットを持ち込むというのもなかなか理解できない行動です。預ける荷物として持ち込むならわかるのです。旅の途中で、いざという時に使うためと想像することができます。
しかし、限られた荷物スペースしかない機内に、わざわざキットを持っていく人って、一体どれくらいいるのでしょうか?
機内持ち込みした理由も謎なら、検査を行ったタイミングについても、何だかモヤモヤします。皆さんは、機内で「喉が痛い」って思った時に何をしますか?
空気の乾いた空の上(飛行機の中)で、喉が痛くなることは、特に不思議なことではありません。私だったら、飲み物を飲むか、のど飴を食べます。機内に必ず飴が用意されているのは、離発着に起こる耳の気圧対策としてだけでなく、機内が乾燥していることもその理由だと思います。
機内で喉が痛くなったことで、コロナを疑うというのは、かなり珍しい判断ではないでしょうか?特に、ミシガン先生は、直前2度の検査で、陰性が証明されている状態なのですから。
二本線が出るタイミングの謎
まず初めに、ミシガン先生は「2秒くらいの間に、(陽性反応を示す)2本の線が現れたんです」語っています。全ての検査キットのマニュアルをチェックしたわけではないので、断定はできませんが、重要なのは、指定された待機時間の後、2本線が出ているかどうかであり、”どれくらい早く出たか”は判定とは関係ないことだと思います。
そして、初期症状の自覚から陽性反応までの時間にも・・・。多くの簡易検査では、1回目の検査後、”36時間後(〜48時間後)に再検査が必要”とされています。これは偽陰性を見逃さないための対策です。コロナは症状が出てからすぐに陽性反応にはならないケースがあると言われています。それは検査はウイルスが一定量ないと反応できないからです。感染していても、ウイルスがある程度増えた状態でなければ、陽性反応がでません。そのため、症状がある人が検査をして、陰性が出た場合には、時間を置いて、2回目を行うという医療機関もあるようです。簡易検査である一定時間をおいて、再検査することを勧めているのは、このような事情があるからです。
私は医師ではありませんので、ミシガン先生のケースがおかしいというようなことは言えません(医師であっても、実際のケースを見ないと断言できないことでしょうし)。ただ、検査とはそういうものだと、医療従事者に聞かされてきましたので、喉が痛くなってすぐに行った検査で陽性というのが・・・、そもそも喉が痛いからってコロナ検査するのかなという点を含めて、モヤモヤっとするのです。
航空会社の対応の謎
トイレにはシートベルトがありません。酸素マスクがあるという話も聞いたことが
ありません。離着陸の際、乱気流に遭遇したとき等には、安全のため、トイレの使用が禁止されるかと思います。今回の出来事は航空会社としても、トイレでの自主隔離を推奨したように受け取れますが、安全性の問題はなかったのでしょうか?
そして、これは機体によって異なるのだと思うのですが、飛行機の機内は、感染が広がりにくいような、空気の巡回方法を取っている(から安心なので飛行機に乗って!)という話も昨年見かけた気がするのですが。もし、この空気の巡回を行っている機体の場合、トイレだけ別というわけではないでしょうから、トイレに隔離する意味があったのかな(もしくは、トイレに隔離されなくても、拡散しない?)というモヤモヤもあります。
コメントの謎
今回の記事は、ワクチン義務化とは全く関係のない話です。そもそもミシガン先生がワクチン接種していたかどうかについて、珍しく記載された記事がなかったように思います。
にも関わらず、です。なぜかワクチン推進派と、反対派が激しくぶつかるコメントをあちらこちらで見かけるのです。
例えば、機内で検査したことに疑問を持ったというコメントに対して、「お前はワクチン未接種者だろう!昨年の選挙には不正があったと考えていて、フラット・アース(地球は丸くない説)の信者でもあるんだろうな!」みたいな返しがついているのです。
離発着する国の規定によっては、搭乗48時間以内に1回、着陸後すぐに1回、検査することになる状況で、機内でも自主的に検査しようと、手荷物に入れていることに疑問を持つのは、そんなにひねくれた考えではないかと思います。こんなコメントに対して、その人が知る限りの全ての陰謀論を羅列したようなコメント返しにはびっくりしました。とは言え、同じように検査キットの持ち込みに疑問を持った私がこのコメ返しに返信すると、「はい(未接種者)、はい(不正選挙)、いいえ(フラット・アース)」なので、まんざらはずれていないかもしれません(笑)。
その逆のパターンもありました。
「彼女は自分が行きたいところにさえ行ければ気にしないという、なんて身勝手な人なんだ。予防接種を受けている人が誰かを病気にした場合は問題ないが、未接種の人が誰かを病気にした場合は地獄が待っているというのはおかしな話だ。予防接種を受けることで、さらにバカになる人がいるような気がする。彼女の無責任な行動が合理的であると考えるなら、ジャブは彼らの脳化学に何かを与えたに違いない」。
ミシガン先生がワクチン接種していたかどうかは、触れられていなかったと思うのですが。そして、仮に接種者であったとしても、彼女の行動がワクチン接種とは無関係であるのは、いうまでもないことです。
ワクチンとは関係のないところで、こういった対立が見られてしまうのは、アメリカの分断を狙う共産主義者の思うツボであるということを、本当に大きな声で叫びたいです。さらに、とても”健康的な議論”とは思えない内容も残念です。賛成反対の意見があるのは、当然のことですが、それによって人格を否定するようなレッテル貼りをするのは、どうかと思います。
もう1つコメントの謎で、私が最初に見た動画のコメントでは、彼女をヒーロー扱いするようなコメントが多かったように思うのですが、今、その動画が見つからず、別の動画を見ていると、全く違ったコメント(彼女は注目が欲しいだけの人)の方が多く・・・。見ている番組の層によって、全然違うのだなあと改めて。