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【番外編】琉球王国について考えてみる①

いつか「沖縄に移住したい」と望む以上は、「沖縄」とはどんな場所なのか、どんな歴史を辿ってきたのかについて学んでおかなければいけないと思っています。そこで【番外編】として、FXとは離れて、琉球王国、沖縄についてみていきたいと思います。

1.琉球王国のおいたち

琉球王国は、1429年から1879年の約450年間、琉球諸島に存在した日本とはまた異なった独自の歴史を辿った王国です。日本、中国、台湾、東南アジアなど、様々な国のちょうど中央に位置する琉球王国は、主に、貿易を軸にその独特な文化を発展させました。

琉球(沖縄)は、その自然豊かな環境もあり、長い時代、狩猟による生活が続き、農耕(稲作)文化が広まったのは12世紀と、日本と比べてかなり後の話でした。日本は平安時代を迎えようとしている頃、まだ琉球(沖縄)では、狩猟や採集がベースの生活スタイルだったわけです。

稲作、つまり、人々の共同作業による生活は、やがて村落を形成し、次第に土地や労働力の奪いあいに発展してしまいます。村落を束ねる按司(あじ)を中心に争いが繰り返えされ、グスクと呼ばれる城を築き、北山(ほくざん)、中山(ちゅうざん)、南山(なんざん)という3つの勢力で、三山(さんざん)時代を迎えます。

そしてついに、1429年、尚巴志(しょうはし)という1人の按司が、琉球統一に成功しました。ここから、第一尚氏王朝が始まります。

ちなみに、「琉球王国」という呼称は、彼が特に中国との貿易関係を強めるべく中国由来の「琉球」というワードを選んだことで名付けられました。現代においても、「中国が沖縄をとりにくるのでは?」と不安視する見方もありますが、歴史を紐解けば、琉球王国は日本や中国の間に位置しており、どちらかというと中国との朝貢貿易により発展した王国であり、やや中国寄りだったことが伺えます。なお、現代において中国には「琉球は中国の属国であった」と指摘する論文もあります。

実際、沖縄の離島などでは記念碑などをみることができますが、中国や中国人との深いつながりが垣間見えることもあります。また、中国のみならず、南国やアジアの文化も多くみられ、沖縄が日本っぽくない独自の文化が発展した理由がわかる気がします。

2、琉球王国は、いつから沖縄県になったのか

第一尚氏王朝は、王位継承の問題や按司の反乱により、約64年程度で滅びてしまいます。反乱により新たにリーダーとなったのは、後に尚円として第二尚氏王朝を築く金丸(かなまる)という人物でした。この第二尚氏時代は、代々承継され、1879年(明治12年)まで続くことになるのでした。

時は、江戸時代。琉球王国は、薩摩藩(島津氏)により武力侵攻されました。100年以上平和な時代が続いた琉球王国は、軍事力は極めて弱く、百戦錬磨の薩摩藩を前に、あっという間に首里が陥落しました。1609年のことでした。

一応「琉球王国」は、中国でもない日本でもない独立した国として残されましたが、実際上は江戸幕府の管轄下におかれてしまいます。結局、中国との貿易は琉球王国をハブとして江戸幕府が行うことになっていきました。もちろん、中国は江戸幕府(日本)が琉球王国を支配していることには気づいていましたが、日本と中国の不要な紛争を防ぐため、そのまま貿易が継続されたのでした。

時は流れ、日本は明治時代に。1872年、日本では廃藩置県が終わりました。明治政府は、管轄下となった琉球王国を日本の中に組み入れたいと考えましたが、頑なに琉球王国が拒否しました。そこで明治政府は、1879年に軍隊や警察を送り込み首里城を制圧し、半ば強制的に「沖縄県」として設置したのです。これは、俗に「琉球処分」といわれています。

3、軍事力をベースに地球上の土地を奪い合う人類

私は日本人ですし、日本に生まれてよかったと思っています。また、沖縄県のことも大好きで、いつか沖縄にいきたいなと思っているくらいです。だからこそ、この琉球王国から沖縄県の歴史を辿ると、ちょっと考えさせられるところがあります。

元々、琉球諸島は、日本、中国、東南アジア、南国諸島と様々な人種・文化で成り立っていた。そして、尚巴志が琉球王国を統一し、たしかに中国と密な貿易(朝貢貿易)により栄えたとはいえ、「独立した国」であった。中国のものでも、日本のものでもない、でも、日本の薩摩藩が琉球を攻めて制圧した。「独立した国」とはいえ、実際上は、江戸幕府・薩摩藩の支配下となった。挙句の果てに、明治政府は、琉球王国の拒否や中国の反対をよそに、「軍事力」を使って強制的に「沖縄県」とした・・

第二次世界大戦を経て、日本国憲法の下、今でこそ「平和主義」の日本ですが、歴史を紐解けば紐解くほど、当時の「日本」がいかに軍事力にモノを言わせた国だったかがわかりますし、日本人は、きちんとここに目を向けなければいけないとは思っています。

なんでロシアも中国も他国を侵略しようとするのか?
なんで北朝鮮はミサイルばっかり打つのか?

一方の正義のみではみれない面に目を向けて、その上で、批判すべきことは批判しなければいけない。そのときに、当時の日本は、なぜ琉球王国を支配しようとしたのか、なぜ強制的に沖縄県として組み入れたのか、そこには、人間の深い欲望、支配が見え隠れします。ここをしっかり理解することは、2022年の現在においてもなお武力にモノをいわせるロシア、中国、北朝鮮その他諸々の国の事情や考え方を理解すること、すなわち、内在的論理につながっていくのではないでしょうか。

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