「左ききのエレン」第二部、明日から連載開始です。

いよいよ明日、原作版「左ききのエレン」の第二部が始まります。その前夜という事で、今思っている事をつらつら書いておこうと思います。

とは言え、第一部完結(全10巻)からなんだかんだ「流川編」「パリコレ編」「震災編」を描いていて、普通に11巻出てるし、明日には12巻出るし(買ってください!)それらを描き終えたのも先日なので、終わった感も始まる感もさほど強くなく「普通に始まるなー」って感じがしています。何よりリメイク版やってるしな。

あんまり、無闇に読者に感謝を伝えても嘘くさいから苦手なんですが、普通に考えて完結後も読んでくれている人がいるという事が、第二部を始められる最大の要因なので、本当に感謝しています。「感謝しています」ってのは、ちょっと媚び過ぎたかも知れません。読んでもらえる自信を持たせてもらえて幸せだなと思ってます。

第二部に関しては、周りの評判も色々ありました。「それより新作を描くべきだ」と言う先輩もいましたし「描くなら早く描け」と背中を押してくれる先輩もいました。タイミングに関しては「リメイク版が軌道に乗った後」と明確に決めていたので、急いで始める事は出来なかったんですけど、新作に関しては結構悩みました。確かに描きたいテーマはまだまだあって、第二部の後回しにしたら2年後?とかになりそうで。

だから、今は第二部と同時進行で新作を2本準備しています。どっちも商業誌なので連載会議通るかは分かんないですけど、どっちもすごく描きたいし自分が読みたい内容です。新しい事をやり続けていれば、第二部を始めても良いかなって思って。

じゃあ一読者として第二部って好きか?読むか?と聞かれると、結構ものによるので、その辺は気を付けないといけないと思いました。第二部ってもので一番好きだったのは「昴」の続編「ムーン」かなと。あれって普通に始まったのが良かったなって。休載してた漫画が再開したくらいの気持ちで読めたので、あれが理想だなと。

なので「左ききのエレン」第二部も普通に始まります。普通に始めるけど、時系列的には2010年から9年も経っています。9年って相当ですよね。光一も結構おじさんになってるし、流川もかなり偉くなってるだろうし。だからこそ、何よりも、読者に同窓会気分で読んでもらいたくないと思いました。「変わったねー!でも、変わって無いね」を楽しむための9年後では無いと。光一は、あれから9年間ずっと戦い続けているし、今もどこかで戦ってる。そう思って読んで欲しいなと思います。

今回も第一部と同じ様に、始める時点で物語は全部頭の中で出来てます。途中で端折らない限り、たぶん第一部と同じくらい、10冊くらいにはなりそうです。

自分の頭の中に物語がある状態は、読者は自分一人だけです。それを増やすために描くって気持ちです。この興奮を共有したい、一緒に楽しんで欲しい、そう思って第二部を描こうと思います。どうぞお付き合いください。

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