左ききのエレンNFT漫画の内容を訂正致します。

漫画家のかっぴーです。「左ききのエレン」などを描いてます。

「左ききのエレン」は様々なクリエイターが登場する漫画で、主人公のグラフィティアーティスト・山岸エレンが劇中で描いた作品を、この度NFTアートとしてオークションをする事になりました。

「漫画に登場したアートを、NFTアートとして販売し、落札した方を漫画内にも落札者として登場させる」という、ちょっと説明がややこしいですが、「漫画のキャラクターの作品が、本当にオークションに出せたら、読者も喜んでくれるのでは」という想いからのプロジェクトです。

その告知のために描いた漫画に関して、下記のようなご指摘を頂きました。

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ご指摘を受けたのは、NFTを指し「複製不可能の 世界に1つのデジタルデータ」と表現している点です。

結論から申し上げますと、この表現は間違っていました。誤解を招く表現をしてしまい、大変申し訳ございません。特にNFTアートはこれからの領域で、関わっている人々が懸命に、正しく盛り上げようとしていると私も理解していたつもりですが、それに水を差すような事をしてしまい本当に心苦しく思っています。

こうなってしまった原因は、ひとえに私の漫画表現が未熟だったからです。皆さんに嘘を伝えるような意図は一切ありませんでしたし、NFTの事を全く知らずに描いたわけでも無く、情報の取捨選択を間違えたせいです。誤解を恐れずに言うと「漫画の台詞だからと言って簡単に、短絡的にし過ぎた。」という事です。

この漫画で私が伝えたかった情報は「デジタルデータは無限に複製できるので価格がつきにくい。しかし、これが作者がつくった元々のオリジナルであると証明する方法があれば、それは数に限りがある有限なものになる。」という事です。

ただ、これをそのまま台詞にするとおかしいので短く言い直したのですが、その台詞化する工程が、単に下手くそでした。

特に「複製不可能」という言い方をしてしまったため、NFTという技術があたかも「複製できなくする技術」かのように受け取られてしまった事が一番良くなかった点だと思っておりますが、正しくは画像データは複製できます。複製や改竄が極めて困難なものはNFTの部分です。NFTとアートを紐づける事で出来る事が先述した「作者がつくった元々のオリジナルである証明」であり、そのお陰で価値あるものとして売買がされているものだと理解しております。

私の拙い文章でツラツラ書いても、余計に誤解を招くかも知れませんので、下記のようにセリフを修正しましたのでご覧ください。

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また、今回のミスが起こってしまった経緯をご説明させて頂きます。

作品の出品は、本件の運営であるdouble jump.tokyo様から依頼されたのがきっかけで、当初は普通に出品するだけの企画でした。

繰り返しになりますが、私は「漫画のキャラクターが描いた作品に、アートとしての価値が生まれたら、最高に嬉しい。」と考えていたので、この出来事を漫画の中でも描きたいと提案しました。それで生まれたのが、今回の特別編です。

私なりにNFTについて勉強し、double jump.tokyoにも取材をし、漫画を描いた後も内容のチェックして頂きました。その上で至らない表現があった事は、私が客観的な判断を他人に委ねてしまった点にあります。漫画家として恥ずかしい限りです。これを機に、改めて真摯に作品と向き合っていこうと思います。

ご指摘下さった皆様、本当にありがとうございます。一度出してしまった情報は取り返しがつきませんが、すぐに気付けたのは皆様のお陰です。誤った情報が広まらないように該当ツイートは削除させて頂きましたが、これを無かった事にする意図は毛頭ございません。

繰り返しになりますが、私もNFTアートという新しい領域に漫画を含めた表現の未来があると感じておりますので、今後も勉強を怠らず末席ながらもポジティブな関わりが出来るよう努力します。

これを機に襟を正し取り組んで参りますので、温かく見守って頂けると幸いです。この度はご迷惑をおかけしました。

かっぴー



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