SNSで作品を宣伝する時に考えること。

SNSを活用して作家活動をしていると「どう宣伝するのが効果的ですか?」と聞かれる事がたまにあります。その答えとして、最近思うのが「というか、もう宣伝は不要なんじゃ無いか?」という事です。

単純な話なので結論から言いますが、もう最近のコンテンツは漫画に限らずドラマでさえ、無料で見る事ができるんです。合法で。

TVドラマ「左ききのエレン」なんて、TVerっていうテレビ局が公式にやってる見逃し配信サービスはもちろん、youtubeに第一話がまるごとアップされてます。もちろん公式です。

宣伝というものは「よってらっしゃい、みてらっしゃい」とキャッチーな振る舞いで引き付けて「さぁ、今日ご紹介するは」「売りは何と言っても」「さぁさぁ書店に急げ!」みたいな、中身が分からないものに大して言葉巧みに伝えて手に取らせる。宣伝とはそういう活動だったかと思いますが、例えば「第一話が全部無料」なら、もう説明する必要すら無い。

と、ここまではずっと思ってた事なんですけど、最近ツイッターで散見される「◯◯の話」と題して漫画ページを連投するメソッドに乗っかってみて、そもそも「無料で読めるものが山ほどあるから、無料だからと言って読んでくれない」という事になっていて、それを読ませるためにまた工夫が必要になっていると実感しました。

ぼくと、若い子の間で「URLを踏む事」へのハードルにギャップがあるのか、ぼくは「左ききのエレンは、第二話まで常に無料で読める」「一回ならジェンプラアプリで全話無料で読める」と知っていたし、要は「無料で読む方法はいくらでもあるから、わざわざそれを宣伝する必要は無い」と思っていたんです。コンテンツ自体が最大で、かつ最良の広告になるから。でも、現実は「無料だからと言って、それは読む理由にならない」と。

ただ誤解を恐れずに正直な気持ちを言いますと、ツイッターで無料で差し出す行為は気持ちが良いものでは無く、これ例えるなら「ただでさえ自由に試食できる様に準備しているものを、さらに食べやすい大きさに切って、口元に運んであげる」行為だと思うんです。そこまでしなくても良いじゃ無いか?と思いました。

ただ、ツイートして良かったと思った反響もありました。既存読者の方が「この話好きなんだよ」と言ってシェアしてくれる。だから結局、作者が直にコミュニケーション取れるのって既存読者だけで「その読者が友達にエレンを薦めやすい様な形にする」というのは良い事かも知れません。

結局、ぼく自身もそうなんですけど、誰かに猛烈にオススメされた作品って観ちゃうんですよね。というか、もうそれでしか観ない。ハッキリ言ってSNSヤ広告で接触した所で決め手にはなりません。接触は大事だけれど(聞いた事ある、という状態にできる)そこを入り口に読者にするのは本当に難しい。だって、無料で読む方法はいくらでもあるのに、知ってるだけでは無料ですら読まない。

いきなり実現は出来ないと思うんですけど、今思ってる「こういうのが良いんじゃ無いか」という理想の話をしますが、もう何から何まで無料で体験できる時代だからこそ、無料を辞めたほうが良いと思うんですよ。ジャンプラはオリジナル作品が全部一度は無料で読める仕様なんですけど(2回目は購入・コインが必要)全部やってるなら、エレンだけ無料で読めなくしたほうが良いと思うんですよ。「有料」のほうが目立つもん。

目立つもんってブリついた言い方しちゃったけど、考えがあって、単行本を購入した読者にだけ「無料で読めるURL」を発行するんです。これ良い気がするんだよな。つまりLINEとかで「これ読んで」ってオススメしながらURLをシェアできる。そのURLは、別に何回でも読めるし、そのURLがネットに流れちゃっても別に良い。だって元から無料なんだもん。友達に読者がいないけど読みたい!ってネット漁ってURL見つけて読んでくれるなら、その時点でもう良い潜在顧客だし。

「無料だよ!」「一口だけでも食べて!」「美味しいよ!」って言いまくるの、正直「なめんなよ」と思う事もあるので、無料のハードルを一段階上げた方が、その「無料」に価値が生じるのでは無いかなって、思います。

はい、という事でTVドラマ「左ききのエレン」第4話がTVerで公開されました!noteをご覧の皆様にだけ、こっそりシェアします。

みんなには内緒だよ!!!!こっそりシェアするんだよ!!!!


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