漫画から派生したグッズが、なぜ売れるのか?

漫画家のかっぴーです。UNTRACEが中目黒 蔦屋書店さんで初のポップアップストア開催中です。「漫画家がなんでアパレルを?」という話に関しては一年以上前に書いた「半歩だけ漫画の外へ」という記事で触れてますが、漫画に軸足を置いたまま色々な展開をやってく事に楽しさを覚えるタイプなので、AK5やUNTRACEというブランドを育てる事が漫画執筆のモチベーションにも繋がっています。

漫画から派生したグッズは世の中に無数にあると思います。最近は何処に行っても「鬼滅の刃」のグッズがある。うち娘もガチャガチャやりたがってた。この前見かけたんですが、鬼滅のガチャガチャの並びに、全然関係ない市松模様グッズのガチャガチャとかあって、これ優良誤認(ポジティブな方向に誤解させる)狙い過ぎだろと笑いました。それくらいコンテンツってパワーがあります。

でも、ぶっちゃけ「左ききのエレン」は、そういうパワーがあるコンテンツではありません。エレンの絵が入っていればグッズが売れるとか、そういう事は全然無い。エレンのスマホカバーとかメモ帳は、全く売れる気がしない。でも、お陰様でUNTRACEは発売する度に、数秒でほとんど完売しています。買ってくださる層も漫画ファンだけで無く、普通に洋服が好きな方も多いです。

それは神谷雄介のモデルとなったデザイナーさん本人が監修して下さってる事が一番の勝因だと思うんですが、表面的な「柄」という意味のデザインだけで無く、材質とか形状とか、制作メンバー全員が「これ、普段着る?使う?」という観点で作っているからだと思います。「漫画のファンだから着る」では無く「ガチで自分達が着るもの」を作っているという事です。

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例えばこのソックスは、バスケットボールやる時に履く前提で作ってるので、かなり厚手で履き心地抜群。多分言っちゃダメなんだけど某ハイブランドと同じ所で作っていたり、とにかく質が高い。まさに「過剰性能(オーバースペック)」です。部屋で履くには勿体ないくらい。

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こちらはタイベック(画像でタイバックって書いちゃってたw)なので、すでに質感分かる方が多いと思いますが、見ての通り大きさとか持ち手の寸法が計算されています。こんなビックなタイベックはあんま見た事無い気がする。これもまた「本当に使う?」を大事に作っています。持ち手を両肩に通したらリュックみたいに背負えるから子連れにも良い(笑)両手が空く。

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あとは、毎日使ってるのがストラップです。このポケットから出てるやつ。ぼくは鍵を付けてます。このロゴの載り方とか、何度もテストしてた。ちょっと妥協するとチープに見えるので、遠目で見ても安っぽく無い質感とデザインにしてます。

他にも、即完売した画像のパーカーとか久米繊維が作っていたり、ビーニーのタグひとつとってもクッソコスト高い織りだったり…もしかしたらUNTRACEの裏テーマは「追跡不能」と「過剰性能」なのかも知れない(笑)漫画から派生したグッズで、こんなの誰もつくらねぇよってものを、淡々と真顔で作り続けてる。今回、パーカー類は勝負だったので「ここまで来たら、もう漫画が好きだけでは売れない」と分かってたので、それを突破できた気がして、いよいよ面白い事になってきたなと思います。

中目黒 蔦屋書店さんでは、まだまだポップアップストア開催中です。ポップアップとオンラインで扱ってる商品も違ったりするので、チェックしてみて下さい。あ、ぼくは誤字とかしまくるし情報間違えたり平気でするので、最新情報はインスタの@_UNTRACE をフォローしてね。ちゃんとした人たちが運用してます。


月額マガジン向けは、アパレルなどの今後の展望など雑談で。「喫煙所で話す内容」くらいのつもりで。

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