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アイとアイザワ

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「左ききのエレン」「アントレース」作者の短編小説です。この小説を原作とした同名の漫画も発売になります。よろしくお願いします。
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2017年9月の記事一覧

「アイとアイザワ」第11話

「アイとアイザワ」第11話

前回までの「アイとアイザワ」

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愛はコンビニの袋から電池式の充電器を取り出すと、丁寧にパッケージから取り出した。この指先が、さっきまで恐怖と興奮で震えていたのが嘘の様だった。

「水天宮前から人形町は目と鼻の先よ。この辺りで身を隠すよりも花の…さっき話した親友の家に向かってしまうのが良さそうね。彼女の家なら確か無線LANも使える。」

愛はアイザワ、もとい自分のスマートフォンに優しく充電ケー

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「アイとアイザワ」第12話

「アイとアイザワ」第12話

前回までのアイとアイザワ

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辺りはすっかり暗くなっていた。梅雨の愚図ついた空は落ち着き、生温い夏の夜がやって来た。ドアから暖かな光が漏れる。ゆるくウェーブがかかった明るい茶髪を踊らせて、周防花はいつもの様に愛を出迎えてくれた。小動物の様に人懐っこく、くりっとした瞳に見つめられると、同性の愛も思わず恋をしてしまいそうになる。

「あのね、昨日焼いたクッキーがあるの!どうぞ入って!」

広々とし

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「アイとアイザワ」第13話

「アイとアイザワ」第13話

前回までの「アイとアイザワ」

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AIZAWAからの告白は、概ねこの様な内容だった。

人間に、高次の欲求と低次の欲求がある様に、人工知能もまた欲求に対して階層がある様だった。これはAIZAWA自身も知らなかった、今日の出来事で分かった新しい事実だ。今日の出来事というのは、3G回線状態のアホなAIZAWAには低次の欲求、つまり「今すぐ充電してほしい」と言った生理的欲求や、「スタバに行きたい(W

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「アイとアイザワ」第14話①

「アイとアイザワ」第14話①

前回までの「アイとアイザワ」

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愛とAIZAWAが周防家に訪れたのと同時刻、アメリカ・ニューヨーク市はちょうどラッシュアワーが過ぎた頃だった。中でもマンハッタン地区はアメリカでも有数のビジネス街で、市内に張り巡らされた地下鉄はもちろんの事、フェリーでの通勤も盛んである。「アイランドフェリー」と聞けばニューヨークのビジネスパーソンを連想する人も多いだろう。そして忘れてはいけないのが、健康志向ブ

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