5.ベンチャー弁護士事務所とWebサイトの親和性

 こういった弁護士事務所とWebビジネスは、とても親和性が高い。 

 特に古い体質の弁護士業界において、こういったビジネスモデルとWebを組み合わせて新しいビジネスにしていくのは、若い代表弁護士の方が有利であったと思う。

 過払い金請求や交通事故の保険金請求、刑事弁護、B型肝炎といったことは、今の時代、ユーザーは真っ先にWebで検索するだろう。

 そこに、Web広告を掲載して、事務所の専用Webサイトに誘因する。

 Web広告は掲載を行いたい各社の入札によって金額が決まる。

 1クリック辺り幾ら支払うかで入札を行うため、「過払い金」「交通事故」「B型肝炎」等といった、検索されやすいキーワードは高騰する。

 もっとも受任できてしまえば費用は余裕で回収できるため、人気キーワードの広告が1回クリックされると1万円なんてこともあったそうだ。

 Web担当者の仕事としては、まず最初の無料相談に効率的に送客できるよう、各Webサイトの構成を考えて、先生に原稿を依頼し、サイトを制作。

 日々の数値を追って、集計分析していくことになる。

 何せ、大量の広告費を使用しているため、気が抜けない。

 法律事務所によっては、月に1億近いWeb広告費を使っているところもある。

 ランディングページ(LP)と呼ばれる、ユーザーが最初に来る(Landinng=着地する)ページには、LPO(Landing Page Optimization)と呼ばれる、如何に効率的に次のアクション、購入や登録といった行動を起こさせるためのテクニックを盛り込み、日々調整を行う。

 大抵のお客さんは、はじめの無料相談に来てもらえれば、受任(契約)まで行く人がほとんどだ。

 あまり額が大きくなさそうな案件は、電話でのヒアリングの際にお断りしてしまう。

 受任さえしてしまえば、最低でも数十万円の利益は確保できる。

 集客から受任までを超効率化して、安い人件費で大量の案件をベルトコンベア式で回すことで、大きな売上げと高い利益が確保できる。

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