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足助のおばさん 田舎暮らし 68

昨年亡くなったおじいさんのお骨は、まだ白木の箱に入ったまま仏壇の横に置いてあります。年も明けたので、そろそろお墓を作ろうと言う算段になったところです。
私が育った八事と言うのは、高級住宅街でもありますが、八事霊園と言う大きな墓地のあるところでしたので、学校の登下校に霊柩車を見かけることは頻繁にありました。なので、お墓が怖いとか幽霊が出ると言うような話には一向に動じないように成長しました。ただ、霊柩車を見かけた時には親指を隠す、と言う癖は今も反射神経のように残ってます。そうしないと親の死に目に会えないと言われていたので。
ひるがえって我が家の墓地です。足助には、平和公園や八事霊園のような大きな墓地は存在しなくて、各々の家に墓地があります。家屋敷からは離れていますが、歩いて行けるくらいの場所で、たいてい山の上です。
我が家でお守りしてきたお墓は13基あります。全て血縁と言うわけでもないらしいですが、今度、それらのお墓を纏めて、ひとつの大きなお墓にすることに話しがまとまったようです。
ようです、と言うのは、私自身はそのお墓に入るつもりがないからです。こう言っちゃあお終いよと言われそうですが、おじいさんが亡くなってこの方、私は実に自由になりました。時間や食事と言った実際のことよりも「家」という大きなしがらみがなくなったという精神的自由です。こんなに自由になれたのに死んでからまたおじいさんやおばあさんのお骨と一緒にされちゃあかなわないと心底思ってます。
まあ、夫の骨とは一緒に眠りたいとも思いますが、できれば思い出多き八事霊園のコインロッカー式の墓にでも入れてもらえば本望です。(2009年1月21日 記)

(元ブログ お墓: Here Come the 足助のおばさん (asukenoobasann.com)

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