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220203【中国-日本】敗れて残念、ではなく悔しい

女子アジアカップSF @ Shree Shiv Chhatrapati Sports Complex, インド
2-2(1-0, 0-1, 1-0, 0-1)
PK(4-3)

宮本さん不在の影響は意外と大きかったのではないかと密かに思っている。

記録

結婚・出産を経て日本代表へと復帰した初の選手という経歴を持つ宮本ともみ。そのおかげで僕は伊賀というチームを知った。さらに今年から杉田亜未がステラにやってくる。

Jドリームのアジア予選でサウジアラビアに日本が先制されるシーンがあるのだけれど、そこでは相手チームがどれくらい勝ちたがっているのかに触れている。自分たちだけに焦点を当て過ぎて、相手の執念や想いが自分たちのそれよりも上じゃないなんて、なぜいえるのか。ついでにワン・シュアンと張子の虎についても。本郷剛、懐かしいな。

この日の中国からはそういうものを感じた。ワン・シャンシャンを最終ラインにまで組み入れて中央を固め、プライドどうこうではなく対日本仕様にしてでも勝ちたかったのだという気概が、ラストのスーパーゴールに繋がったのだと思う。だからこそ、見ていて熱が入ったし、日本に勝って欲しかった。何より、好ゲームを演じた次の試合だったので良し悪しが比較されやすく、「外野」に向けても影響の大きい試合であっただろうから。

前半1-0は最理想ではないにせよ、ひとまずとしては十分。それだけに後半立ち上がりの失点はいただけない。時間帯もそうだが、人はいるがボールホルダーに寄せられてない(というか個で剥がされた)、普段CBやっているSBが競り負けたという事実が痛かった。

スタミナ切れに関しては想定内。コンタクトが多くなる試合は同じ走行距離でも格段に疲労度が違う。当たり負けするしないの問題とも、通常のスタミナともちょっと違う。ぶつかり稽古を導入すれば、多少は伸びるかもしれない。ただ、当たりに"行く"のと当て"られる"のでは消耗度は変わってくるので、これに関する持久力を上げていくか、欧州みたいに疲れない走り方を導入するかだろうか。

これまでの試合よりも、相手のトップに収まる回数と時間が増えたのも要因。トランジションで後ろ向きのランが増えると、シャトルみたいな状態になってしまう。空中戦で先に落下点に入られた時に、ボールから目を切りながら競る選手がいたのも気になる。

それでも延長の終盤であのゴールを決められたら仕方がないよなとも思う。傍目には2011年W杯決勝みたいな雰囲気ある。

今回、そのスーパーゴールの前に、自陣PA内でのクリアが小さくなってしまって二次攻撃を受けたのだが、2010年アジアカップの準決勝でも似たようなクリアミスから失点して0-1でオーストラリアに負けたので、なんとなく被るなと思った。

ひどいでしょ?(笑)。これを今の代表がやったら総スカンだろう。でもこの1年後に世界女王になるんだよ、すごいでしょ。この時は中1日だったけれど、W杯出場も3位決定戦に持ち越されたから。なので、今の代表もチャンスはあると思うよ。植木も覚醒の兆しが見えたし、宮澤の「左足」も光ったし。

中国戦はこの先のために消化できる要素がたくさんあった。120分を想定した交代カードの考え方やベンチメンバーのあり方。PKの練習はしておくべきとか。リードを奪って逃げきるために、空中戦で後手になっていたので後ろを3枚にしたのはありだし、国際戦で試せもした。ただし、5分以上残る中でCKを捨てにいったのはどうなのだろう。

せっかくターゲットも増えたのだから、少人数でやり切ってもよかったはず。相手の前線との駆け引きもあるが、こちらが上がれば相手も下がらざるを得ない。例えば、ロングスローにはCFWを下げさせて、カウンターの起点を消すというメリットもあるように、ストーン役の選手を戻させるイメージがあってもなとは思う。もちろん、相手がリスクを冒してでも前残しするってなったら、改めて考えればいい。

それから、いつまでもアンダーカテゴリー代表のままでいないこと。自分だけがうまい選手はいるけれど、自分のうまさが周りもうまくするっていう選手がほとんどいない。長谷川ですら違う。遠藤だって82分のシーンでネットを揺らしておけば、VARで1つ前がノットオフサイドと判断されたかもしれない。海外に出る出ないではなく、妥協は減らした方が絶対にいい。

ちなみに海外移籍は賛成派。なぜならここのような、口だけのやかましい外野から距離を置ける。それだけでも能力は上がるよ。

というわけで、この日の日本に足りなかったのは、母性と実況のYouTubeアカウントでした。

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