「逍遥」という絵画について

まだ6月、だがアホ暑い夏日。だがしかし上野周辺を散歩した。
というのも、「ななすけの散歩録」というYouTubeチャンネルに出会い、「やっぱ散歩こそよな!」と再認識したから。
行ったことのある、知ってるような街でも、歴史的な知見のある女性の丁寧な解説があるとフレッシュな発見がある。

根津から北上して、知らん寺に参拝。
藝大と黒田清輝記念館の展示を見た。
鶯谷のラブホ街にあるドトールで一休みして、
入谷のチョコザップで一汗流し、
上野のサウナ北欧で整ってから帰る。完璧である。

自慢じゃないけど2500円しか使ってないからね。
まじで自慢にならないけど。

藝大は定期的に展示やってるのでオススメです。
今は素描の展示をやっていますね。無料ですね。涼しいですね。
そして黒田清輝記念館は、明治の頃の洋画家の黒田清輝の
功績をアーカイブした、そんな「やかた」ですよ。無料で涼しいです。

「鶯谷になぜラブホがこんなに多いのか」って疑問は
ぜひ「ななすけの散歩録」を見て解決して欲しいんですけども。
ラブホ街のど真ん中に「元三島神社」という神社がありまして
笹の香りのするひじょ〜に澄み切った空間で、木陰もあるもんだから外だけど涼しい。
クラシックな涼をとれるナイススポットです。

そしてついに有料の涼しいスポット。ドトールですね。
ラージサイズのアイスコーヒーとレジ前のクッキーとで500円でした。涼しいです。
僕はこの鶯谷駅前のドトールがドトールの店舗の中で一番好きです。
ドトール特有の座席の狭苦しさがない。ラブホ街の中にあるという立地が面白い。
(出店はドトールが先かラブホが先かってのは非常に難しい話ですよ)
カウンターの隣の席に座った可愛らしい若い女性。ふと腕に目をやるとタトゥーとリスカの跡なわけです。
うう〜ん。この街はスパイシー過ぎる。

締めには有料の熱いスポット、サウナ北欧。言わずとしれた殿堂入りのサウナ。
(人気すぎて事前予約制なので気をつけて)
サウナや水風呂の素晴らしさもあるんだけど、北欧はやっぱり外気浴にこそ良さがある。
都心の屋上スペースで休憩できるってのは探すと意外と少ないもんである。
人気のリクライニングチェアには残念ながら座れなかった。

ここから本題。

という素敵な休日を過ごした中での今日のハイライトは
スルスル〜っと通りかかった黒田清輝記念館での出会いである。
正直、1回行ったことあったし、
黒田清輝の絵画の中で私が一番好きな「智・感・情」という絵画は今は見れないので
行く予定もなかったのダ・ケレドモ。

今回メインで展示していたのが「逍遥」という絵画だったわけです。
あえてネットから画像を引っ張らずに説明させていただくと
1895年に黒田清輝が描いた絵でして、

※そもそも黒田清輝はフランスで印象派を学び、近代日本における美術(主に洋画)の発展に
大きく貢献した方なのですね。

絵の綺麗さは言わずもがなの、印象派らしい色彩豊かな感じなのだが、
この絵画が高く評価されたポイントとしては構図にあるらしいのですね。
半分を風景、もう半分を和服で日傘を刺した女性(しかも上半身だけ描いている)という構成。
これが斬新だという評価が当時にはあったらしいんですよ。
そういった解説文には「ふう〜んそうなんだ」っていう感想なんですけど、
私的にこの絵のどこに刺さったのかというと、
それは「被写体(女性)との距離感を感じたから」なのですね。

「距離感」というのは「心理的な距離」のこと指しています、
つまり黒田清輝自身とこの女性との関係性。

なぜこれを感じたからかというと、
・画角を視界と捉えた時に、まず物理的に近い。
→これが先述の「画面の構成(女性の上半身だけを描いている)」の話につながってくる。
・左手の指が着物の帯に入っている
→実際のところこれがどういう意味合いなのかはわからないけれど
「ポケットに手を突っ込んでいる」かのような少し気怠い印象、
もしくは、ずれた着物を整えているような所作、そんな印象。
どちらにせよ、「ちゃんとしたポーズをとっている」ような絵ではないと思う。
・赤い肌着が見えている。
→これも今っぽくいうと「ブラの紐」が見えているような微エロを感じる。
・「逍遥(しょうよう)」というタイトル
→意味:あちこちをぶらぶら歩くこと。散歩。そぞろ歩き。

こういう側面から見て、画家と彼女との心的距離が近いことをめちゃめちゃに感じて
そしてそれを絶妙にいいバランスで匂わせているところが
エロい!ツヤい!!!セックスじゃんかよそれはもう!!と、思いました。
(初めて壇蜜みた時と感想は同じだな)

鶯谷を歩く人を見るだけで情事の前後が見え隠れするのと同様に
黒田清輝の絵画の中にも、そういう艶かしい香りがした。
でもそれはホントに微々たる香りで、印象派の鮮やかさがそれをうまく覆い隠していた。

と、いうのは僕の感想であって、
黒田さんが実際どうとかは知らないんだけどもお〜
でも同じだと信じているね。なぜならば同じ獅子座だから


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