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あふれかえるパスタの山

チバユウスケさんが亡くなった。

高校時代に出た「カサノバスネイク」というアルバムの1曲目の「デッド・スター・エンド」を聴いたとき、歌詞のとおりぶっとんで、ぶち抜かれて、それから本格的にミッシェルを聴くようになった。結局一度もライブで見ることができないまま、ミッシェルは解散してしまい、アベフトシが亡くなり、そしてチバユウスケが亡くなってしまった。

死亡が発表された日の昼休み、何の気なしにスマホを見てそのニュースが目に飛び込んできたとき、思わず声が漏れた。ショック、悲しい、いろんな気持ちがあってうまく言葉にならなかったけれど、とにかく帰りの電車でミッシェルを聴き、帰宅して缶ビールをあけバースデイの動画を見まくった。

後から帰ってきた妻は開口一番「チバが死んじゃったよー!」と叫んで嘆いた。対して僕は、一生のうちによもや自分が発するとは思ってもみなかった定型句を口にする。

「これが飲まずにやってられるか!」

信じられないけれど、本当に心の底からそう思ったのだ。ものすごくおじさんみたいだ。おじさんだけど。

夜中、テレビを消して、一人でリビングに座っているとき、たまたま首を下に向けた拍子に、自然と涙が出てきた。子どもの頃にも盆と正月だけ、中学生になってからはほとんど会ってなかった祖父が、大学生になってから亡くなったときと同じくらいの量の涙は出たと思う。

自覚的に音楽を聴くようになってから、チバユウスケがこの世にいない世界に生きたことがないから、それをうまくとらえることができない。数日を経てかえりみるに、これが今の自分を表すのにいちばんしっくりくる表現だと感じている。

こういうこと、増えていくんだろうか。そして、悲しみが消えずに積み重なっていくことに、慣れていくのかな。いずれにしてもきついことだ。

とにかく、最高の声、最高の音楽に心の底から感謝します。安らかに眠ってください。


*     *     *

俺の星には何もないけど/あの娘がいれば/宇宙の果てまでぶっとんでゆける/どす黒い空 切り裂いた後/俺がいるだけ お前がいるだけ

(「デッド・スター・エンド」THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)

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