北京ドタバタ旅行(64)
ストリップで言うなら、ちょっとだけよみたいなものが見え始めました。山並みは高く険しく、車の窓のかなり上の方にほんの少し、この壁が見えるだけです。私はどうもうまく体を低くできません。高速道路と平行に走る線路を眺めていました。
ふいに、フロントガラスの向こうに大きな山の中腹から、山頂までが見えます。その中腹から山頂にかけて、色とりどりのカラフルな色が連なっています。それは万里の長城を登っている人々の姿でした。それはたしかにびっくりするような光景でした。青々とした山の中腹から山頂にかけて階段が続き、黒山のような人たちがその階段を上っていたのですから・・・。
しかしながら、結論から言うと、私が見た万里の長城というのはこの光景だけなのです。車はどんどん万里の長城の登り口に近づきましたが、こうしたパノラマは2度と見れませんでした。近づきすぎて見えなかったと言うことかも知れません。運転手は出来るだけ頂上に近いところまで車を進ませてくれます。くねくねした山道を人はてくてく登っていくのですが、私たちはタクシーで追い抜いていきます。
山の頂上付近のさらに脇道に、タクシーが入ろうとすると、ジープに乗った人民解放軍の軍服の怖そうな人が、戻りなさいとジェスチャーで制止します。タクシーの運転手も結構怖そうな顔をしているのですが、人民解放軍にはかなわないようです。