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北京入院物語(71)

 中国に単身渡航し2ヶ月が過ぎていました。
新しい付き添いの包さんとは、いまだどこかお互いに遠慮があったりと、男女の付き合い始めのようないい時期が始まったばっかりでした。
北京は日本で言うと、秋田、青森と同じ緯度にあり、大陸だけに冷え始めるのが早く、11月にはもはや初冬と言っていいほどで、朝晩はめっきり冷え込みます。
この月の中旬にはうっすらと雪が積もりました。

 病室でくつろいでいると、叶琳から電話がかかってきました。
中国滞在2ヶ月目になると、受験英語より、現地で鍛えた中国語の方が通じるようになり、中国語でどういうのか分からない場合のみ、英語で話すようになり、段々中国語が身についてきました。

 その彼女が「今度の日曜日に食事に招待したい」というのです。

彼女は長女で弟が2人います。
中国の1人っ子政策で、それぞれ子供が1人いますから、3家族9人が一同に会するというのです。


 レストランの奥まった部屋で叶一族の紹介になりました。
皆さんご存知のことと思いますが、中国では結婚以降もずーーと父方の姓を引き継ぎます。
ですから、叶琳の弟も叶であり、この姓は叶一族の父親の姓です。


 別の言い方をすると、夫婦で姓が違い、親子で姓が違うということがおきます。
叶琳とは6年の付き合いになりますが、御主人の姓は一度聞いたものの、いまだに思い出せません。
北京入院物語(72)


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