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推しを観に行った

生き甲斐でしかない。

よくわからんがなにかスゲー物を目の当たりにしたという恐怖にすら似た感動を覚え、改めて実感する。この震えの為に生きているのだと思う。院内清掃や図書整理や品出しで得た報酬は惜しみなくここに費やして然るべきだったのだと。

⚠️以下、「FROLIC A HOLIC 〜in日本武道館 なんと括っていいか、まだ分からない〜」のネタバレをガッツリ含みます。
ちなみに2公演の生配信チケットが4500円というかなり強気なお値段で買えるし、アーカイブも3週間残るので、時間に余裕のあるブルジョワのみなさんは是非購入してください。特にオールナイトニッポンのリスナーは絶対に観た方がいい。後悔はしないよ。

3月4日
そもそもあまり音楽を嗜まない私にとって「武道館」なんてものはヒンディー語並に無縁なものだと思っていた。びっくりした。会場に入った時の熱気が、いや、そんなことはもはやどうでもよくて。

ちなみに昨日は宣言通りにフロホリ概念擬似爪を作っていたが、マジで難しすぎてふて寝してしまった。道具を持たず直線すらまともに引けないような初心者がやっていいデザインではない。おかげで夜行バスはあまり眠れなかった。

ジェルネイル処女作

でもまあせっかく作ったのでさりげなく爪に貼り付けて、FC限定販売のパーカを着て、いや、そんなこともどうでもよくて。

本題。完全に未知の状態から始まる緊張感。単独公演の静けさとは全く異なる盛り上がり。まだ一切パンフレットを読んでいない純粋なメモと所感なので見当違いな部分も多々あるとは思うが、備忘録として。

まず何が違うって客層が違う。正直いってCreepy Nutsのファンが7割、それと被るようにオールナイトニッポンのファンが多勢いて、東京03のファンは少なからずアウェイ感があった。R-指定がマイクを持つと会場が波打ち、DJ松永がターンテーブルに触れると黄色い歓声が上がる。最初は正直ひよってしまった。私はCreepy Nutsのオールナイトニッポンは聴くが音楽はほとんど聴いていないし、ラジオ外の彼らを全く知らない。しかし東京03が作り出す笑い、追随して全員で作り出す笑いがそれを上回って、Creepy Nutsのファンは随所手を叩いて笑っていて、幕間映像のあとに拍手が起こって、普段と全く違うから、いつしか私もR-指定の歌声に合わせて腕を振っていた。コントでも音楽でもラジビ番組でも、もしかしたらテレビ番組でもあって、しかし何物でもなかった。括れないもの、もとい括る必要すらないもの。

東京03
言わずもがな。大好きな要素が全部詰まっていた。角田晃広の華麗なる土下座、豊本明長のサイコパス、飯塚悟志の甲高い怒鳴り声と暴走(笑)。トリネタをずっと見せられているような、それだけで贅沢だった。

Creepy Nuts
R-指定、歌は当然ながら、コントがマジでうますぎた。ディスプレイに映し出された表情に惹き込まれ、R-指定が顔を顰めているときは写鏡のように自分の眉根にもシワが寄っていた。サントラ歌ってくれたの、オールナイトニッポン内でできあがった楽曲なんだから予想はできただろうに、なぜか全く頭になかったんだ。泣いてしまった。CD音源の明るさとはまた違う、MC地獄としてのサントラ、絶望の入り交じる歌声、恐ろしい程に歌詞がハマっていて、一体どんな脳味噌してたらこんな構成ができるんだと頭を抱えてしまった。
それに対してコントが苦手らしい松永のコントパートが削られたという話、どこまで本当かはわからないが実際めちゃくちゃ少なくて笑ってしまった。佐久間宣行annの伏線を華麗に回収していって涙が出るほど笑った。永久にブレなくて最高だよ。

佐久間宣行
もうテレビプロデューサーなんて肩書きを忘れるくらい完全に"ラジオの人"として招かれていたのが最高だったな。てかラジオ自体上手いけど、台本であってもあんな上手いんだと思った。マジでオールナイトニッポン聴いてるみたいだった。佐久間宣行が演者として出るの何!?って思ってたけど、満足度100%の人選だったな。てかなんかマジでかっこよかった。

GENTLEFORESTJAZZBAND
フロホリには欠かせないみなさん。ハマケンが歌っていた部分をR指定が担ってラップとジャズの融合という新しい形の音楽を見た。ジェントル久保田のコミカルさと、若林の無茶振りにも難なく対応する実力に震えた。演奏が始まる度に観客からは「すごい!」と感嘆の声が上がっていたし、気付かないうちに私の声も混じっていたかもしれない。

吉住
吉住が面白い、おもしろい、とにかくおもしろいのだと、事前にめちゃくちゃ上げられたハードルを軽々と飛び越えていった。吉住が一言発する度、いや、眉を5ミリ動かす度に拍手笑いが起こる。最高の人間としてM-1に出場した際にも同じ感想を抱いたが、東京03色の強い舞台をこんなにも一瞬で吉住ワールドに変えてしまうその力を目の前で見て、体感して、大いに笑った。吉住の単独ライブ、いつか絶対行きたいんだよな。絶対行くよ。

佐倉綾音
明日は百田夏菜子が担当する役だが、誰よりもアイドルで同級生でキャバ嬢だった、さすがとしか言えない。私は彼女についてほとんど何も知らないが、誰もが認めるトップ声優であることくらいは知っている。全くもって一点の翳りもなく、佐久間宣行が触れたようにまさに「役から降りない」姿がかっこよかったし可愛さと面白さがまったく喧嘩していないのが最高だった。アイドルという性質上、若干百田夏菜子への当て書きっぽいのではと一瞬思ったが、全く関係なかった。

若林正恭
最後に全部持っていった。先輩の舞台をここまでハチャメチャにできるのは若林正恭しかいない。たりないふたりを思い出して、涙が出てきちゃった。佐久間さんを舞台に上げた時には「よくやった!!」と思ったが、まさかオークラさんまで引っ張り出してくれるとは思わなくてここでも涙ぐんだ。というか、完全に若林用のパートが作られていたので、明日の春日は全く別の事をやるんだろうな…そうだろう…春日がショートコント書いて渡したりしないもんな…正直ここまで大爆笑をかっさらっていった若林正恭に適う人がいるのだろうかと思ってしまうが、あらゆる面で想像を超えてくる舞台だ。明日が楽しみで仕方ない。

これぞオークラ!!という感じの新しさ、本当に誰も見なかった景色を見せてくれる構成、無関係に見える物事全てが一本の筋にまとまっていく台本、舞台の特徴を最大限活用した演出、大好きだ。でも今回はオークラさんの独り舞台ではない。船長とか、クリーピーがラジオやめるとか、若林と松永の絡みとか、オールナイトニッポン!!という感じでフルに楽しめた。お笑いとラジオが好きでよかった。大好きだよ。普段なんの信念もなくグダグダと文句を垂れながら嫌々呼吸してるくせに、こういう瞬間だけは心の底から生きていることに感謝するんだ。これを生き甲斐と呼ばずして何と呼ぶんだ。

ああもっと好きな場面があったはずなんだ。期末レポートくらい書いたが全く喋り足りない、次から次に記憶は抜け落ちていく、悔しい。明日の公演で多少は補えるはず。補えない部分は配信やDVDで観ればいい。
まったくキリがないんだ。今からシャワーを浴びてテイクアウトした焼き鳥をビールで流し込んで眠りたいところだが、今日は絶対にオードリーのオールナイトニッポンを聴かなきゃいけないだろう。忙しい。最高だ。生きてるよ。ありがとう。

追記
1日眠って改めて噛み締めたものを追記したい。ちなみに公演中にRー指定が歌った楽曲をすぐにiTunesで買ってプレイリストを組みリピート再生している。よく知っている「サントラ」、サビくらいは歌える程度の「のびしろ」、全く知らなかった「2way nice guy」、いずれも大都会の電車内でリズムをとってしまう。これを覚えていれば今日の公演をもっともっと楽しめるのではないかと思って聴いていたが、既に超楽しい。なんなんだ。よすぎる。

昨夜はオードリーのオールナイトニッポンを生で聴いていた。ネタバレが許されない中でも、オープニングトークからしっかりフロホリに触れてくれた。若林正恭、「台本通り」で本当に最高でした。競り上がった舞台で回転しながらの変顔、見たかった。可能であるならば今日は純粋な観客としてぜひ見てほしいな。

昨日書き漏らしたこといくつかがある。まず、追記にあたって、現時点でまだ一切パンフレットを読んでいない。自分の中でしっかりと噛み締めてから読みたいから、これを書き終えたら東京観光などそっちのけで読むつもりだ。そのため場合によっては見当違いな深読みがあるかもしれない、少しはばかられるがこの感情を忘れたくないので記録しておく。

単に記し忘れていたのは、エキストラについて。一律のグレーのスーツに身を包んだエキストラが、15名ほどだろうか。彼らは駅に、街中に、会社にいる第三者であり、それでいて私たちだった。とにかく素晴らしかった。個なのに集団で動いている不気味さがあった。しかし自分以外の他者は皆あれであり、他者から見る自分もまたあれだ。怖いくらいの"社会"だった。演者は時に彼らの刺すような目を気にして、時に彼らの不躾な目を無視して、行動する。演出として素晴らしかった。エンドロールでエキストラと知って驚いたくらいだ。この舞台には不可欠な存在だった。

この公演、実体験を元にしているのではないか。特に百田夏菜子は日替わりゲストだから当て書きにはできないというようなことを言っていたが、アイドルの部分に関しては当て書きなのではないか。ラッパー。ウレロでもそうだったように、Creepy Nutsがバラエティーに出る際にはキーワードをもらって即興ラップを行っている姿をよく見た。HIPHOPをよく知らない私のような人は、Rー指定のことを"即興ラップの人"のように思っていなかっただろうか。アイドル。ももいろクローバーZというアイドルグループ取り上げられ始めたのはいつ頃だっただろうか。私は小学生の頃にラジオを聴いていて、不思議な歌を歌う人達だと思ったのが最初だったように思う。母に、「この人たちは誰?」と尋ねた記憶がある。それだけ印象的な人達だった。しかし鮮烈な印象を叩きつけるアイドルはいわゆる"一発屋"として、いつしか姿を見なくなるものだ、ももクロだってそうだと思っていた。しかしどうだろう、10年以上経った今や彼女たちにしかなり得ない地位を確立させている。実体験に即した演者としての葛藤を描いたものであるという印象を受ける。しかし業界のあるあるに留まらないのがさすがというところ。芸能人だって人である、描かれるのは人としての葛藤である。元々が個々で成り立っている人間は、社会の形成のために多かれ少なかれ抑圧されている。時には体裁と本心の板挟みになって身動きが取れなくなってしまう。この舞台は、そんな煩悶に明確な答えを出すわけではない。「大人って、そういうもんだ」と皮肉のように繰り返す。実際そういうもんなんだろう。でも私たちは感動を受け取る。MC地獄が、アイドルラブが、悩み苦しみもがき、周囲との関わり合いの中でふと斜め前に一歩踏み出すような。深夜ラジオとお笑い、きっと私たちのあらゆる悩みにまっすぐ答えを提示するものではない。でも私たちは希望を受け取る。ここでCreepy Nuts「サントラ」の「ヒトの感情以外は何一つ生み出さぬ仕事」という詞がガツンと響いてくるのだ。既存の曲に新解釈を施したような舞台構成。痺れた。言語化できない。括れない感情。肩より高い位置で、腕が攣るほどの大きな拍手を続けるしかない。あなた方が生み出したこの感情、あなた方にしか生み出せなかった感情、万単位の人々それぞれに芽生えた括れない感情が確かにあるのだと、届いて欲しい。

もう書き漏らしたことことはないだろうか。博物館巡りも有名店での食事も取り止め、どこにでもあるチェーン店で薄い珈琲を飲みながらパンフレットを開く。次の公演まで4時間を切ってしまった。

パンフレット
早く先を見たくて急く気持ちと、じっくり噛み締めたい気持ちとが綯い交ぜになりながら、1時間かけて読んだ。何度も涙ぐんだ。紙ナプキンに涙を吸わせる。なんて舞台なんだこれは。過去のフロホリは映像でしか見た事がないが、それを差し置いても、間違いなく過去最高。武道館だから最高なんじゃない、武道館で最高なのが最高なんだよ。オークラさん。あなたの言った通りになったよ。
あと、キービジュアル、どこまで合成なんだろ!と思っていたけど全部そのままだったのスゴすぎ。クリーピーの体幹どうなってるん。
楽しみだ、待ちきれない、残り3時間、会場付近をうろうろと彷徨おう。

3月5日
記憶が抜け落ちてしまわないうちに書かなければならないのに、次の目的地へ向かう新幹線が止まっていてバタバタしてしまった。もう、そんなことはどうでもよくて。

2日目、アリーナ席東10ブロック8列目7番。昨日は西3ブロック8番8列目。ほぼ綺麗に真反対の位置から見ることができた、あまりにも強運だと思う。細かなアドリブはたくさんあっていずれも最高に楽しかったが、昨日から大きな変化のあった部分だけ取り急ぎ記録していく。

百田夏菜子
昨日は佐倉綾音が担ったアイドル役を、現役アイドル百田夏菜子が演じた。めちゃくちゃ面白かった。佐倉綾音とはまた異なる面白さだった。なんなんだろう。セリフは同じだが仕草は全く異なっていた。顕著だったのはバカDJのコーナー、佐倉綾音はアイドルが話すバカなセリフの役に入り込んでいたのに対し、百田夏菜子は完全にアイドルだった。本物だった。「カレーのシミ」の最後のてへぺろに心打たれた。アイドル役は当然得意分野だが、他の役はどうだろう。正直、多彩な声音で様々な役を演じ分けることに定評のある佐倉綾音には適わないのではないかと、思ってしまっていた。愚か者め。百田夏菜子は完璧に演じてみせた、しかも佐倉綾音とは異なった色を持ちながら、完璧に。心底感服した。あれは素人目にみてもコント師の"間"だった。リズム、抑揚、表情、いずれも完璧で、ずっと楽しかった。

春日俊彰
誰だ、若林のパートははゆるく、春日のパートはカッチリとしたコントだなどと言った奴は。パンフレットに裏切られることを一体誰が予想できただろうか。焦らず登場から振り返ろう。圧倒的な存在感を放っていたのは、一人だけ鮮やかなピンクの衣装を纏っていたからではない。これが"華"というやつなのだろうと理解した。昨日の若林と同じ流れでまずはラジオブースに入り一言発する訳だが、そのわずかな出番で一体どれだけの笑いを取っただろう。ゆっくり登場するというだけであんなに面白い、すごい。すごかった。ようやく着席した春日のフリで「のびしろ」が歌われた後、流れるように陰韻師ダークことRー指定がブースに戻った。ここから流れるように流れが変わる。メインステージにいるのは東京03と春日。陰韻師による陰韻、「オードリー春日俊彰」がバラエティー業界においては最高にポジティブな言葉だという佐久間宣行の説得力しかない補足を元に陰韻のコントがはじまる。春日の一挙一投足がおかしくて、会場の熱気はさらに高まる。次いでスクリーンに映し出された3つのフレーズ。たった今見せられたというダークが陰韻を踏み、その内容に則して03と春日で即興コントを行うというもの。どこまでが台本かはわからないが、03の反応を見る限りは完全に無茶振りといった様子だった、この辺りの詳細は後日多方面のラジオで聴けるだろう、待ち遠しい。とにかく日本武道館のメインステージど真ん中で演者がマイクを切ってコントの打ち合わせをする姿はあまりにも異様で、それでいてかっこよかった。春日の、自発的には何もやらないが言われたことは成し遂げるという性質をこれ以上なく生かしたパートだった。ただただずっと拍手笑いが止まらなかった。

佐久間宣行
なぜここで大きな変化として挙げるのが佐久間宣行かというと、彼の取る笑いの勢いがあまりにも凄まじかったからだ。ラジオブースで行われる幕間、ほかのコントに比べれば自由度の高いパートで、松永とのラジオを幾度か挟む。ここでの佐久間宣行のトーク力が凄すぎた。先刻の出来事さえも踏まえて行うトーク、本当にラジオだった、あれは。さらになんといっても春日とのコントパート、あの場は佐久間宣行が回していたわけで。彼の采配によってその場で構成されるパートは、番組でよく関わる春日とのタッグによってとんでもない盛り上がりをみせた。ずっとずっと笑っていた。

吉住
なぜ吉住か。これは、春日のコントパートの最後の最後の最後、大オチに突如駆り出された吉住が、あまりにも完璧だったから。20秒もあっただろうか、その間に思いついたあのセリフ、きっと数年考えてもあれが最も正しいセリフだろう。説明はし難い、とにかく配信を買うしかない。配信は両日買って楽しむしかないのよ。

自分
ここに己を並べてしまう恥ずかしさも、今なら気にならない。全く未知の初回とは異なり2回目なのだ、見る視点は当然変わる。しかしそこじゃない。今回の公演、既存のCreepy Nutsのの楽曲が3曲演奏される。昨日、Creepy Nutsのファンは手を挙げたり振ったり、ライブを楽しんでいたが、私を含めたあまり音楽ライブに近くない人たちは手拍子が限界だった。でも私は昨日すぐに3曲購入して公演開始直前までずっと繰り返し聴いていた。昨日の経験もある、昨日の私とは違う。手拍子からピースサインに切り替えて、ライブすらも楽しみ尽くせた。それがあまりにも楽しかった。生で見る一番のメリットは一体感を味わえることだ、昨日は少し物足りなかったものを今日は存分に味わうことができた。

その他、補足事項。エキストラの数は15ではなく20だった。きっとダンサーとか、そんな感じなんだろう、やはり素晴らしかった。

ちょっとまってくれ眠すぎる。またどうせあとで追記する。ひとまず。
(この後、数学の授業を受けているみたいに眠くなって、熱海へ向かう新幹線で爆睡。到着ギリギリで目が覚めて静岡在住の友人と合流したので、追記する余裕なんかありませんでした。ワハハ。)

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