見出し画像

The Shipperで考えた自分の価値

「The Shipper」が気になっていたところに、苏打酱(sodaちゃん)さんの記事を読み、面白いとあったので観てみました。

STORY
女子高生のパンと親友ソーダは、頭脳明晰なキムとケンカの強いウェイという二人のイケメン先輩たちを妄想の中でカップリングさせ、日夜“やおい小説”を書きまくっている熱心なShipper(キャラクターや実在人物同士の恋愛関係を想像し支持する人)。ところが、キムとウェイが対立している不良グループにそのBL小説が見つかってしまい、不良たちがキムとウェイの仲をからかったことから乱闘騒ぎに発展。トラブル続きで保護観察中だったウェイは、この喧嘩のせいで退学処分になってしまう。ウェイの彼女ピンピンは、喧嘩の原因がBL小説であったことを知り、作者を見つけ出してこらしめることを誓う。
一方、ウェイの退学処分は自分のせいだと落ち込むパンは、キムに喧嘩の原因になった小説の作者は自分たちだと告白し、謝罪する。それを聞いても何も言わずにバイクでパンを送ってあげるキム。ところがその道中で二人は事故に遭ってしまう。死の天使によって死後の世界へと導かれそうになるキムとパン。しかし、よくよく調べると実はまだ死んでいなかったことが発覚!死の天使は自分がミスをしたことに気づき、失態を隠そうと二人を人間界に送り返す。その後、病院で目を覚ましたパンは、なぜかキムと自分の体が入れ替わっていることに気づき愕然とする…。
~ドラマ「The Shipper」オフィシャルサイトより~

相関図 ~ドラマ「The Shipper」オフィシャルサイトより~

予告やストーリーだけ観たら、ただの入れ替わりコメディです。
でも、途中から急に物語の方向性が変わり、コメディなのに切なくて、考えさせられるストーリーになっていきます・・・

※以下、ネタバレあります。未視聴の方はお気を付けください。

それは、EP5から始まります。
妄想BL小説だったはずのウェイとキム。
しかし、ウェイがキムとの写真をスマホの壁紙にしていることが発覚。
前に「壁紙にしておいて、好きじゃない?」とウェイがケートに言っていました。
もしかして・・・

やっとBL要素が出てきた!
と、腐女子としては喜ぶところなんでしょう。
そして、ここから急にエンディング曲が変わります。

タイドラマでエンディング曲が変わるときって、ストーリーの流れが変わるときなんですよね。
この曲、聴いてるだけで切ないので、この後の流れは切なくなるんだなあ・・・と予想できます。

そして、また良い曲なので、ヘビロテ中。

その後、確かにBLの流れがきます。
しかし、いつものBLのようにキュンキュンしないのです。
ただひたすら切ない・・・

妄想からリアコになったウェイは、キムが生きていると信じている。

パンのことを密かに好きなケートは、兄キムと仲直りした未来も描きたいが、パンにも元に戻ってほしい。

パンの親友ソーダは、妄想カップルも実現させたいが何よりパンが大事。

パンの義父は入院費を借金をしてまでパンの意識が戻る事を信じている。

当のパンは、元の体に戻りたいが、キムの周りの人の幸せも維持したくて元に戻れない。

登場人物の想いが重なりそうで重ならずひたすら一方通行。
切ない以外の何者でもありません。

そして、追い討ちをかけるように、EP11でキムの魂が実は死んでいるという事が分かります。
魂の無い状態では体が生きていけないので、パンの魂は本来の自分の体に戻るか、キムとして入れ替わったまま生きていくか決めなければならなくなりました。

人を見ることは得意だけど、自分を見つめることは苦手なパン。
自分よりも他人の幸せを考えて立ち回ってきました。
だから、キムが残る方がみんなが幸せになると思っています。
パンは自分の価値を低く見積もってしまいます。

「あんたは、求められてる人なの?
 それともただの重荷なの?」
パンが昏睡状態の自分の体に問いかけるシーンは、涙腺崩壊です。

ここから怒涛のエンディング。
涙が止まりません・・・
最後どうなるのかは文字にしてしまうと感動半減なので、是非ドラマで観てください。

観終わった時に感じたことは、人のことを良く見ている間は自分の価値に気がつかないということ。
言葉の裏に感情を隠したままでは誰も幸せにならない、ということ。
そして、妄想は悪ではなく人を救うこともできる、と腐女子に希望も与えてくれる。
TheShipperはそんな話でした。

最後まで観たら、1話のセリフに込められていた本当の意味が分かり、伏線回収した上で楽しみたくてまた2回目視聴。
コメディとしても楽しめるし、恋愛ドラマとしてもおもしろい、そこにちょっとBLの入った感動作品。
予告編からは想像できない世界が広がっていました。
キャラクターも俳優も脚本も良い、中毒性のあるドラマでした。

この明るい主題歌も可愛いです。
俳優さんたちが楽しそうに踊っているのも良い!

男同士の恋愛だけど、中は女なので、BLというより恋愛ドラマとして観られます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?