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『コロンブス』という比喩を通して伝えたかったもの

みなさん、こんにちは、こんばんは。
あるいは、はじめまして。

本当はもう少し経ってからnoteを書こうと思っていたのですが、なんだか今書かないといけない気が勝手にしたので()ちまちま書き始めました。


つい先日、Mrs. GREEN APPLEさんの新曲『コロンブス』が配信されました…!
※MVについては、最後に少し触れようと思っています。

いろいろ書きたいことも多いのですが、
まずはいつも通り(って言っても前回からだけど笑)Instagram限定であがっている画像について見ていきたいと思います!

今回注目したいのは、2枚目の方です…!
こちらには、インスタントカメラで撮られたようなチェキ風の写真が3枚写っています。

どの場所なんだろうと思い調べてみたのですが、
おそらく

・ロンドンのタワーブリッジ
・ロンドンのBig Ben(時計台)

な気がします。

そしてチェキには

"TO SOMEONE SPECIAL"
"THINK OF YOU"


と刻まれているように見えます。
(定かではないですが)

なぜロンドンの写真が写されているのか、いろいろ関連を調べまくったのですが、結局私もよくわからず←
わかる方がいらっしゃったら是非教えていただきたいレベルです…!
メッセージの方は歌詞(特にラストのDメロ)とリンクしているなぁと感じました。


続いて、『コロンブス』のカバー写真について。

机の上に置かれた1つのたまご
そして、それを見ている動物のような影

これを最初に見た時に、''コロンブス"と"たまご"って何の関係があるんだ?と思い調べてみたのですが、

「コロンブスの卵」

という故事成語があるんですね!(初耳)
どういう意味かと言いますと、

一見誰でも思いつきそうなことでも、それを最初に考えたり行なったりすることの至難さをいう。また、人の気づかない点をいう。盲点。

「精選版 日本国語大辞典」より

どうしてこのような言葉が生まれたかというと、

コロンブスが新大陸を発見した後、参加したスペインでのパーティで、ある貴族が
「わが国には優れた人材が沢山いるから、貴方じゃなくても新大陸に到達したはずだ」
と言い放った。
コロンブスはそれには答えず、
「卵をテーブルに立ててみてほしい」
と呼びかけた。
誰も出来ずにいると、彼は卵の尻をつぶして立ててみせた。

ベンゾーニ「新世界史」より

という逸話があるみたいです。
めちゃくちゃ納得ですよね。

ということは、今回コロンブスという人物に焦点を当てているというよりは、この故事成語の方にスポットを当てているのではないかと思いました。
(カバー写真もメインが卵ですし!)

そして、こちらのレポート記事によると、
『コロンブス』についてギターボーカルの大森さんが、

すごくワクワクする楽曲。
あえて去年の『Magic』っぽさも踏襲しつつ、ライブの楽屋に必ず用意しているコカ・コーラのようなワクワクを詰め込んだ曲になっています。

とお話しされていたみたいなので、
「コロンブス」という人物に対しても、過去にあった悲惨な歴史にフォーカスをするというよりは、冒険家・探検家としての高揚感やワクワク感をメインに、この楽曲では引用されているのかなと、
個人的には感じました。


さてさて、やっと歌詞の方にいきたいと思うのですが、今回も英訳の歌詞がめちゃくちゃいい!!
ということで、ここからは2パターンの歌詞を交えながら見ていきたいと思います💨

まず全体を見た時に、大森さんも仰っていましたけど、本人の「死生観」がイントロからラストまで反映されていて、且つ1回読んだだけじゃ完全には理解しにくい歌詞だなぁと。
そこがミセスらしいんですけどね!笑
歌詞の持つ色と、楽曲の雰囲気の差に風邪をひいちゃいそうなところも、"らしさ"に溢れています。


そして、1番Aメロですよ。

気まぐれにちょっと
寄り道をした500万年前
あの日もやっぱ君に言えなかった

こんな歌詞誰が思いつくんだ凄すぎる!!!!()

500万年前っていつなんだって話ですけど、だいたいこれぐらいの時期に人類と類人猿が枝分かれされたと言われています。
つまり、オランウータンやゴリラ・チンパンジーが属する類人猿と、人類が区別されることになった年代ということになります。

その時代に寄り道して、言葉を伝えたかった誰かがいる、ということは、単純かもしれませんが輪廻転生系かなとふと思いました。
フィクションはもちろん入っていると思いますが、
外見が変わっても、中身は生まれ変わっても変わっていない、魂は同じ、みたいな。


そして、続くBメロの歌詞。

偉大な大発明も
見つけた細胞も
海原に流れる
炭酸の創造

ここの部分パッと見ちょっとわかりにくいじゃないですか。
ここで英訳が理解するのを手助けしてくれるんですね!(誰)
それがこちらっ

Even the greatest inventions
Even the cells found
They all originated from the flow of the ocean
Like creation of carbonic acid


"偉大な発明も
細胞の発見でさえも
炭酸が産み出されるように
それらは全て海の流れから生まれるんだ"

意訳もわかりにくいわ!!ってなるかもしれませんが笑
この部分は、こう解釈してみました。

炭酸と言えば、泡
海は波などで海中に無数の泡が存在している
この世界には偉大だと言われるような発明や発見のヒントが、実は無数に転がっているんだ

あと個人的には、ここにも「コロンブスの卵」要素が含まれているのかな、とも思いまして。

泡って、誰にでも見えるじゃないですか。
つまり、ヒントは誰の目にも見えているけれど、それをうまく拾って結果を出すことは非常に難しい
ということを伝えているのかもしれないと、ふと感じたりしました。


そして、1番サビへ。

いつか僕が眠りにつく日の様な
不安だけど確かなゴールが
意外と好きな日常が
渇いたココロに注がれる様な
ちょっとした奇跡にクローズアップ
意味はないけど
まだまだまだ気づけていない
愛を飲み干したい今日も

ここも英訳にビックリしたところがあったのですが、ラスト2行の歌詞の主語が実は異なっているんです。

We have yet to realize it
I want to drink up the love, even today


"僕たちはそれにまだ気付けてない
今日も、僕は愛を飲み干したい"

ここでの気付けてない"it"は、その直前の

ちょっとした奇跡をクローズアップすることに意味はない

というところを指してるんだろうなと思います。
深いですよねぇ…


続いては、2番Bメロにいきたいと思います!
(Aメロは、もうただただ色んな意味で刺さります…)

文明の進化も
歴代の大逆転も
地底の果てで聞こえる
コロンブスの高揚

これも凄い歌詞ですよね…!(ビックリ)
ラスト2行のパンチがすごく効いてますが、
「コロンブスの高揚」は、冒険家として旅をしていた時や、未知の大陸へのワクワク感・高揚感を表現しているのかなと。
なので、前半2行は偉業を成し遂げた人たちもコロンブスと同じような高揚感を持ち、結果を出したのだ
ということなのかなぁと思ったり。


そして少し前に、
今回はコロンブスという人物にスポットを当ててる訳ではないのではないか
と書きましたが、このBメロではそれを特に感じました。

文明の進化だったり、歴代の大逆転だったり、もちろん他にも沢山あると思いますが、生きている中でワクワク感や高揚感を感じることはきっと誰しもが経験したことがあると思います。
なので、ここは"コロンブス"≒"人生"なのかなと私は感じました。


からの、2番サビです。

いつか君が乗り越える寂しさの様な
平等な朝日と夜空
胃が痛くなる日常が
渇いたココロをしゃんとさせる様な
ちょっとした美学にクローズアップ
意味しかないけど
まだまだまだ傷つけてしまう
哀に教わってる 今日も

ここの歌詞はヤバいですね(個人的に)
特に前半部分とか刺さりまくります…

このサビは、この英訳にハッとさせられました。

胃が痛くなる日常が
渇いたココロをしゃんとさせる様な

The daily life of stomach-churning
The kind of thing that makes your thirsty heart feel refreshed.


"胃が痛くなるような日常が
貴方の渇いた心を清々しく感じさせる"

胃が痛くなる日常って、普通心にダメージを喰らうと思うのですが、ここでは逆にしゃんとさせる、清々しく感じさせる要因として描かれていて。
これは、一種の諦め・諦念のような気がしました。

あー、自分っていつもこうなんだよな…!

みたいな笑笑
私が個人的によくこの境地に陥るかもしれませんが笑、ポジティブなようでネガティブな意味も含まれているのではと感じました。


続くCメロは、歌詞がえっぐいですよね。

あなたとの相違は
私である為の呪いで
卑屈は絶えないが
そんな自分を本当は嫌えない
あぁ愛すべき名誉の負傷が
盛大に祝われる微妙が
大切な様な

もうこんなことを書かれたら、読んでるだけで泣いてしまいそうになりますが()
特に前半は共感でしかないですね。

自分が他人と比べて劣っていたりする部分って、すごくイヤなものではあるけど、それが無くなったら自分ではなくなる。
つまり、呪いのようなもので。
でも、その部分があるが故に、自分という存在は成り立っていて、構成されていて。
卑屈になる時もあるが、心からは嫌えないっていう。

ずるいですよねーこのパートは。
寄り添い具合が半端ないです。

そして、この後半の英訳を書きたくて!

Ah, our beloved injury of Honor
The grand celebration of a minor scene
feels important


"あぁ、僕たちの愛する名誉の傷を
大したことのない状況への盛大なお祝いを
大切に感じる"

この部分は、きっと大森さんが感じているミセスに対しての気持ちだと私は思いました。
それも相まって、Cメロはいろいろ涙腺にきます。


さぁ、とうとうラスサビです!(やっと)

何処かへ続いて
不安だけど確かなゴールが
意外と早い日常が
渇いたココロに注がれる様な
ちょっとした遊びにクローズアップ
繋がり合うでしょう
ただただただくたばるまで
あなたと飲み干したい 今日を

ここまで3パターンのサビを引用してきましたが、綺麗に対比になっているところがあるんです!

ちょっとした奇跡にクローズアップ
意味はないけど

Close-up on a little miracle
It doesn't make sense, though


"ちょっとした奇跡をクローズアップ
それは意味がないけどね"

ちょっとした美学にクローズアップ
意味しかないけど

Close-up on a bit of aesthetics
There's only meaning to it


"ちょっとした美学をクローズアップ
それはただの意味でしかない"

ちょっとした遊びにクローズアップ
繋がり合うでしょう

Close-up on a little fun
Everything will connect with each other


"ちょっとした楽しさをクローズアップ
全ての事がお互いを繋ぐでしょう"

この流れがさ、美しくないですか?!

ちょっとした奇跡や美学にフォーカスを置いても、それは意味があるかないか、ただそれだけで。
楽しさや遊びを忘れなければ、それが人との繋がり合いになるんだっていう、ね。

人生生きていれば、自分の身におきたミラクルとか、自己流の美学とか、そういうものに囚われがちになってしまうけれども、遊び心や楽しむ気持ちが何よりも大切なんだよって。

改めて、良い歌詞だなぁ…


そして、ラストのDメロ。

"君を知りたい”
まるでそれは探検の様な
誰も知り得ない
優しい孤独にそっと触れる様な
"君を知りたい”
まるでそれはオーロラの様な
未だ知り得ない
素晴らしい絶景に
やっと辿り着いた様な
ほら また舟は進むんだ
出会いや別れを繰り返すんだ
潤んだ瞳の意味を生かすには
まず1個 宝箱を探すんだ

このDメロに、『コロンブス』という楽曲の全てが詰まっていると、個人的には感じました。

人生、そして人との出会いはまるで探検のようで、大切な誰かと出逢うことは、オーロラのように奇跡的でとても美しいものだと。

そう伝えてくれているように思いました。

そしてラスト4行の英訳を紹介して、終わりにしようと思います!

see, the boat is moving forward again
We keep meeting and parting
To make the most of the meaning of moist eyes
First, we need to find one treasure chest.


"ほら見て、舟はまた前へと進んでいく
僕たちは出会いと別れを繰り返す
潤んだ瞳の意味を最大限活かすには
まず、僕たちは僕らの宝物を見つけなきゃね"

これはもう言い直す必要がないぐらい綺麗な歌詞ですが、ここでもやはり"人生"について唄っていて、

別れは悲しいものだけれど、その人からもらった宝物を忘れずにいたら大丈夫だよ

という風に私は解釈しました。


『コロンブス』は人生を冒険・探検に喩えて、そっとエールを送ってくれる、
きっとこれからの人生においても大切な大切な楽曲になるだろうなと、強く感じました。


最後に、MVに関して少しだけ触れますが、
一個人の勝手な意見なのでそこはご了承を。


個人的には歌詞を理解した上でMVを見ると、どういう意図で、何を伝えたくて制作されたのかは、受け手にも伝わり得るものだと思いました。

けれど、歌詞ではなくMVだけが先走って広まってしまうと、きっと発信側が期待していた範囲外の受け取り方やイメージが悪い意味で拡散されてしまうものだとも感じました。

今回は表題の「コロンブス」以外にも実際の歴史上の人物が登場していて、もちろん偉人としての面もありますが、中には史実上赦し難い行動をとっていた面を持つ人もいて、それを図らずしも想起させてしまう演出になっていた、というのが難点になってしまっていたと私は思います。

MV自体は沢山の遊び心と仕掛けやギミックに溢れていたので、正直MVについてもいっぱい触れたかったのですが、こればかりは少し、いや、だいぶ無念ですし、正直色々心配です。

でも、短い公開時間ではありましたが、多忙のスケジュールの中、あのMVを完成させて世に出して下さったこと、ミセスの御三方はもちろん、大勢のスタッフの方々に感謝の気持ちで一杯です。

どうか、これからもMrs. GREEN APPLEにしか発信できない楽曲、MVを届けて下さったら嬉しいなと祈るばかりです。

長々としたnoteをここまで読んで下さり、本当にありがとうございました…!

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