めんどくさいけどルールは変わる。朝令暮改についていこう

「法整備が追いついていない」
なんともよく聞く言葉です。

新しい技術が登場すると、ルールが決まっていないとか、使い方を考えないといけないなんて、ニュースでコメンテーターさんたちは言いがちじゃないですか。
確かにそうなんだけど、そうなったらなったで文句言う人はものすごい出てくるもんです。ルールが変わると、いちいちめんどくさいからね。

コメンテーターさんも、最近は有識者ばかりでなくて、お笑い芸人やアイドル系のタレントさんも出演されていますね。一般人の視点も必要ということなのでしょうか。まあ、意見を言うのは自由だけど、上っ面で物言ってお金もらって、いいご身分だなって拝聴しています。

最近だとAIがそんな感じ。私のまわりでも、ChatGPTを使ったこともいないのに、SFのようになると怖いなんていう人はいます。怖いと思うのはその人の自由だけど、事故が怖いからと一切クルマを使わないというのでしょうか。

3月末でしたか、イタリアがChatGPTの使用を禁止しました。イタリア政府が使用禁止にしたのは、情報保護と年齢規制をどう解決するするかが論点で、決してAIの機能面からではないのに、使用禁止の見出しだけでほらAIはやっぱり危ないんだという勘違いしている人もいました。実は私も最初はそう思い違いしていました。

イタリア国民はどう受け止め、1カ月の間どうしていたのでしょう。大騒ぎはなかったのでしょうか。日本人と同じかなぁ。
どこまで使用禁止が厳しいものだったかわかりませんが、罰則までの規定はなかったでしょうから、使う人は使いながら動向を静観していたでしょう。きっとネットは大炎上でね。

実際にはOpenAI側がすぐに対策をして、たった1カ月で規制は取りやめになったわけです。
振り回される側は困ったもんですが、一旦立ち止まって相手の出方を待った、その動きの早さはすごいと思いましたね。

技術の進歩は、どうして人々を不安にさせるのでしょう。
自動運転、ドローン……。確かにこれらは交通ルールを決めないと人の命に関わる問題です。このあたりは業界団体のルール策定に国が歩調を合わせているように見受けます。いい感じにルールを決めながら進んでいるんじゃないかな。その裏ではいろんな人の調整があるんですよね。ご苦労様です。

生命に関わるといえば、医療関係もそう。安楽死とか、遺伝子治療とか、いろいろ慎重に決めなければいけないことはたくさんありますね。こっちはこっちでルールを決めたり変えたりするのに慎重すぎて、もどかしいようにも思うことが多いかな。何かあったら国が責任取ることになり問題になるからでしょう。いまだに国を相手取り訴訟中という事案があるのはそういうことなわけで。

新型コロナのワクチンや経口薬の承認とかもそうですね。これは日本政府、もたもたしてましたね。だけどアベノマスクの無償配布だけはあっという間に決まったりして(笑)。いや、どっちかというと医療的なことでなく経済事情で早く決まったんだよね。

建築関係ではアスベスト。耐火性、断熱性に優れた建材として多く使われましたが、粉塵が肺がんを引き起こすとして使用禁止になりました。あるいはエアコンなどに使われたフロンガス。今ではオゾンホールの原因になるとして禁止されています。技術開発で夢の材料が爆発的に普及したものが、後の研究で問題が見つかると禁止になるということは何度も繰り返されてきた歴史があります。

大リーグでは今年からピッチクロックという奇妙な機械が導入されましたね。ピッチャーの投球時間を早くさせるようにして、試合時間の短縮化を図るというものです。大谷選手も腕につけてるようです。
これは技術の進歩じゃなくて、ヘンテコな機械を売り込みたいメーカーの思惑と、視聴者離れを食い止めたい球団やテレビ側の大人の事情から導入されたものだと思います。経済が絡むと変化が早いんですね、アメリカも。

どんなことにもルールや規制はあって、技術の進歩や世の中の変化に合わせて変えなくちゃならない。理解できない事情で決まっちゃったとしても。
変化を一旦受け止め、やってみますか。やれますか。

私は、やってみて文句言うように心がけています。あるいは、やらずに文句も言わない。これかな。

《2023.5.22》

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