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企業内起業におけるメリット・デメリットを鑑みて、何を選択するか。

昨今、企業内で新規事業を立ち上げる「社内起業制度」を取り入れる会社が増えてきている。

サイバーエージェント、リクルート、凸版印刷、DeNA、博報堂、NTTデータ、NEC、東芝、富士通、三菱商事、パナソニックなどの大手も取り組んでいる制度だ。

「社内起業」とは、
新規事業の創出を目的に、起業のプロジェクトチームを組織を社内に作り、本社の支援を受けながら実際に世の中に出し、実践できる制度である。

一般的な独立起業との違いは、
様々な会社の資産を利用できることや、安定的に給与をもらいながら新規事業に取り組むことができることなどだ。

また、この制度を取り入れることで会社としては、自発性、積極性などポジティブな文化を育むことができ、優秀な人材が社外へ流れてしまうことを防ぐという効果を期待している。

一見すると、
『じゃあ、この制度を利用して起業するのがいいいじゃん!』となりそうなものだが、
それでも大手の会社を辞めて起業している方々も多い。それはなぜなのか。

・株式会社テックピットの山田晃平氏:ガイアックスに新卒入社後3ヶ月で創業してカーブアウト
・H.I.F.株式会社の東小薗光輝氏:H.I.S.傘下として設立し、MBOを実施
・株式会社ミーミルの川口荘史氏:スタートアップでもあり、企業内起業でもある
・守屋実氏:50の新規事業を手掛ける
・株式会社SEEDATAの宮井弘之氏:博報堂グループで企業内起業支援会社を立ち上げ


こちらの記事では、実際に社内起業制度を利用して立ち上げた経験から見た意見を読むことができる。

デメリットとしては、立ち上げ段階では100%新規事業に力を注げないことがあります。私はガイアックスに新卒で入社してすぐ、新規事業の立ち上げとスタートアップの支援を担当する部署に配属されました。スタートアップの支援や起業家を探す活動をしつつ、自分の事業を立ち上げることが求められていたので、リソースの配分が難しかったです。業務時間の2割ほどしか新規事業に割くことができず、、、
 企業内起業してカーブアウトしていくメリットとしては、大企業のリソースを活用して事業を立ち上げられる点があると思います。私たちもガイアックスに開発の支援をしてもらったり、場所の提供、広報や人材面での支援もしてもらったりしています。これは1人で独立起業には難しく、企業内起業の強みだと思います。


メリットとしては、資金・販売網・信用があります。必要な資金は借入ではなく親会社のH.I.S.が出すというルールがあったため、起業して6ヵ月目に10億円の極度貸付額を定めてくれました。このおかげで資金繰りに困ることはなくなりました。また、全国に約1,000人いるH.I.S.の法人事業部が販売してくれたことも大きかったです。そのおかげで最初からお客様が集まり、4ヵ月目には単月黒字になりました。3つ目の「信用」も大きく、他社と協業するためのアポイントもH.I.S.という大企業の信用があってか、ほぼ断られることはありませんでした。
 一方で、デメリットとして、
VCが嫌がる
監査法人の選択肢に制限がある
親会社への事前承認が必要
という点があります。これは大企業内で起業するメリットの裏返しとして、ある程度は甘受しなければならないことかもしれませんね。


まとめると、

⚫︎メリット
1.資金
・初期投資にかかる費用
・運営にかかる費用
・黒字化までの体力として必要な維持費

2.人材
・すでに会社に人材がそろっているため、リクルートする必要がない
・広報なども協力を得られる

3.信用
・会社の信用を借りることができるため、アポや商談にのりやすい

⚫︎デメリット
1.保守的考えの人たちとの衝突
新しいことを受け入れることに、人は抵抗を示すものだ。

2.社内競合となることがある

3.スピード感
・上司に相談、確認が必要になるため、経営の判断と実行のスピードは遅くなりやすい。
・上司に起業経験がない場合、判断ができない。
・なんとしても成功させなければならない!という意識が薄い。一般業務との兼ね合いで時間確保が困難。また、うまく行かなくても給料が入るため、危機感がない。

という感じだろうか。

メリットもあれば、デメリットもあることがわかった。デメリットがわかれば、そこを解決させていけばいい。


今回これを書いていて、大なり小なり、各企業がどんどん財閥のような体制となっていくのだろうかと感じた。

そして、私が今起業を学んでいるフィールドは、このデメリットをすでにクリアしていることも気付きであった。
このビジョンを30年前から構想し構築してきた嶋村吉洋さんは、本当にすごいと感じる。


企業内起業のメリットを持ちながら、自由度、上下関係なく、伸び伸び最大限挑戦していける今いる場を生かし、事業を通じて社会に影響を与えていきたいと思う。

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