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晴れ・・・と、異常伝搬?

こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。

1.いいお天気

今日、本州付近を高気圧が通過していき、日中はまとまった雲があまりかからない状況でした。

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2.・・・のはずだけど、雨雲?

ただ、ですね。レーダー画像を見てみると、釧路沖でまとまったエコーが。

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念のため気象衛星の画像を見てみましたが、特に雲は無さそう。どういうこと?


3.『異常伝搬』?

気象レーダーは、レーダーから発射した電波が目標物に当たって反射して返ってきたもの(エコー)を観測することで、雨雲がどこにあるのかを観測します。

この目標物、本来は雨粒などなんですが、状況によっては違うものから反射して返ってきたエコーを観測してしまうことがあります。

いろいろと種類があるんですが、今回注目したいのが『異常伝搬』。

気象庁HPでは、以下のように解説されています。

「異常伝搬は、気温が高度とともに急増するなど屈折率が高さ方向に大きく変化する場合に発生します。具体的な気象条件として、高気圧内の下降気流や夜間の放射冷却、海陸風による温度の異なる空気の移流などが挙げられます。また海上は地形の起伏がない分、異常伝搬の原因となる大気構造を安定して形成しやすいといった特徴があります。 」※4

ここで、今日朝9時ごろに釧路で観測された、上空の気象状況について確認してみます。『エマグラム』というやつです。

図1

※5

地上に近いところ(1000hPaあたり)から、かなり気温が高くなっています。エコーが現れているあたりの状況がどうだったのかは分からない(上図はあくまで「点」のデータ)のですが、異常伝搬が発生しやすい状況だった可能性は十分にあるのではないかと思います。

ちなみに、アメダスのデータなども見たところ、少し風が強めな時間帯もあったようですので、『シークラッタ』(詳しくは※4のページ参照)だった可能性もあるのかもしれません。

#上のように書きましたが 、正しくは「異常電波で届いた電波がシークラッタを捉えた」というのがより正しいのかも知れません。(2020.5.15追記)



いずれにしても、「レーダーの画像は雨や雪だけを映す」というわけではないことを頭に入れておきたいですね。


今日はけっこう書き込みました・・・疲れた。明日からまたお休みなので、ゆっくり骨休めしたいと思います(GW明けたばっかですが!)。


そんな、今日このごろ



※画像は気象庁HPから

1→https://www.jma.go.jp/jp/g3/

2→https://www.jma.go.jp/jp/gms/large.html?area=0&element=1

3→https://www.jma.go.jp/jp/radnowc/

4→http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/radar/kaisetsu.html#tokusei

※5→https://weather-models.info/sonde/