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大雨をもたらす「ぐるぐる」

こんにちは、nooooon(@nooooon_met)です。


梅雨が明けて暑い日が続き、少しバテ・・・ることもあまりなく、あちこち走ったりしつつ、ワクチン接種の副反応に驚かされたりしてました。


さて、そんな日々のなか、昨日は長野県などで『記録的短時間大雨情報』が発表されるような状況となっていました。


いわゆる夕立のようなかたちで降ったものとはなりますが、単に「日射で地面が暖められ、上昇気流が発生して~~~」というものだけではなくて、大雨をもたらすような要因がいくつかありました。


そのひとつを探るため、いくつか衛星画像を見てみます。

まずは赤外画像。この画像では、雲のあるところが白っぽく表示され、高いところにあるものほど濃い白色となります。

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なんとなく、東海地方を中心軸として雲が反時計回りにぐるぐるしているように見えます。

ただし、地上天気図を見ても、このあたりに低気圧は見当たらず・・・三陸沖に熱帯低気圧ある程度です。

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次に、水蒸気画像を見てみます(上空の大気の湿り具合を表していて、よく湿っているところほど白く表示されます)。すると・・・

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赤外画像と比べてはっきりと、東海道沖から東海地方へと反時計回りの渦が北上していく様子が見て取れます。

実際、ラジオゾンデによる上空の気象観測結果を反映させた『高層天気図』を見てみると、このあたりには低気圧性の循環があったようです(図中の「L」(Low)字。周りの矢羽も反時計回りに向いてます)。また、周辺と比べて低温となっていたことも分かります(少し分かりにくいですが、「L」のすぐ右の「C」(Cold)字)。

2021-08-02 11_44_45-aupq35_00.pdf および他 10 ページ - 個人 - Microsoft​ Edge

※4

これは『寒冷渦』というやつで、ちょうど1年ほど前にも記事を書いてました。

今回の大雨の一因として、この寒冷渦の存在が挙げられると考えられます。よく「上空の寒気の影響で大気の状態が不安定に〜〜〜」と言われるやつですね。

よく目にする地上の天気図だけでは分かりませんが、テレビとかでは言葉で補足されてたりもするので、目でみるだけではなくて、少し耳を傾けてもらえればと思います。



そんな、今日このごろ


1:画像は気象庁HPから→https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#4/34.5/137/&elem=ir&contents=himawari

2:画像は気象庁HPから→https://www.jma.go.jp/bosai/weather_map/

3:画像は気象庁HPから→https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#4/34.488/136.978/&elem=vap&contents=himawari

4:2021.8.1,00UTCのアジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図から抜粋→https://www.jma.go.jp/bosai/numericmap/data/nwpmap/aupq35_00.pdf