父の人間ドック

朝、実家の母から電話があり、父親の人間ドックに付き添ってくれないか?との事。聞けば、昨晩2日飲まれないから大酒を飲んで居間で潰れて寝たらしい。まぁ、24時間、365日お酒が切れる事の無い父からすれば、それは細やかな反抗なのだろう。

元々、足の弱い父は加齢のせいでまともに歩けない。車椅子で移動した方がいいな…。車椅子に乗せる気分にさせる理由を考えながら病院へ向かう。案の定、父の1メートル先からでもお酒の匂いがする。そんなのは慣れっこだし、まぁ…なんとも言えない複雑な気分なったが、私は元気に「おはよー!じじい!今日暇だから一緒に病院にいる事にしたー。」と隣に座って腕を組む。

知っている。どうにかしたくてもどうにもならない事。辞めたくても辞められない事。それを誰かに後ろ指指されてることも。全部知っている。私も父も母もそんなのは知ってるのだ。

今日は、叱られるであろう父のクッションになれれば、それで良い。

父が元気に生きてても、病気でも、アル中でも、それが原因で亡くなってしまっても、私の中では変わらない事があるから、だからそんな事は良いのだ。寂しいけど、良いのだよ。
父がどんな状況でも、私は変わらない。そう決めたのだ。

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