ブルアカの話 パヴァーヌ二章関連の個人的な解釈

前置き


皆さんこんばんは、ブルアカやってますか?
最近最終編が更新され、大変激熱な展開になっているブルーアーカイブ。シナリオが面白く現在100連無料もやっているので、やっていない人はこの機会にぜひ始めましょう。

ここから本項は多くの愚痴を含みます。ストーリー自体というよりはそれを受けての批判に対してです。そういう文章が許せる方のみこの先読み進めてください。


さて、ブルアカのシナリオと言えば問題を起こす生徒が往々にして存在します。そして、そんな彼女たちを中心として物語が進む、というのが典型パターンになってると自分は感じてます。
小さな規模で言うなら、vol1で先生につんけんしていたセリカとか、vol3の他人を見下していたコハルとか。ここら辺は物語の中心、というよりは序盤で話を面白く転がす要員って感じですよね。この程度だとそこまでユーザーからのヘイトが向くことはありません。
でも、大きな規模になるとその話は変わってくるんですよね。

例えばvol3の2章までにおけるナギちゃん
彼女は疑心暗鬼を拗らせた結果、補習授業部のある種の敵として立ちはだかりました。自分は初期先生なのでvol3の2章前編更新されたときにリアルタイムで読んでたんですけど、当時のナギちゃんへのプレイ層のヘイトは凄まじいものがありましたね。疑心暗鬼を拗らせて、とさんざん作中で語られているのに、まー酷い罵倒が飛んでて、はぁ、とため息をつきたくなるほどで。まぁ、実際問題、ナギちゃんやりすぎではありましたが。政治問題気にするならゲヘナに行かせるのはどうなんだ?とか。ぶっちゃけあそこギャグパートだから突っつくところでもないだろと思いましたが、さておき。

最新で言うなら、アオイがそれにあたりますね。
彼女はキヴォトスにおける色彩の到来という危機に際し動こうとしているリンへ正式な手段に則り不信任を行い、その結果カイザーグループによる乗っ取りなど色彩への対応を後手に回らせる要因を作り出した、として責められています。ただ、これって神視点の話でしかありませんよね。プレイヤーはキヴォトスの危機が確定路線と知っていますが、彼女たちはそうではありません。
どうにもストーリーを読む先生は自分の視点でしかものを考えられない方が相応数いるみたいで、もう少し客観的視点を持て、と言いたい限りです。

例えば自分の同僚がふいにやってきた外部の人間に対して前任者の命令だから、と莫大な権限を何の考えもなしに与えて(シャーレ発足)
その人間の言うこと、しかも夢の話を鵜呑みにして外部を含んだ大規模な会議を開くもまとめきれず空中分解させ(学園集合しての総会議)
しかもその外部の人間および今回の会議に際して越権行為をされているとみられる部署長が行方不明(尻尾切りにも見える)(先生・カヤの行方不明)
本来つながりがないはずの外部組織とのつながりが示唆される資料が発見(カイザーグループとの取引発見)
しかも当人は過労で明らかにボロボロ、判断能力が疑わしい、
となれば、トップから弾劾するのは至極妥当と言わざるを得ないと思います。本人に悪気がなくとも悪い大人につけ入れられてる可能性もあるわけですから。

アオイについて問題とするなら、エネルギー反応への対処をする前にトップを弾劾してしまったその一点ですが、
・エネルギー反応があると証言している人間がそのトップに近しい存在
・エネルギー反応自体これまでに例がなく判断しかねる
という状況です。正直ここはアオイのマニュアル人間っぽいところ(そもそもヤバいと思うならリンを物理的にどうこうすればいいのに契約的な手順を踏んだ)が出たかもな、と思ってます。不確実で可能性の薄い脅威より自分の手の届く範囲でできることを、みたいな。その結果最悪な事態になったわけですが、これをして無能と批判するのは流石に、と言わざるを得ません。

と、以上のように個人的には考えるんですが、そんなアオイを無能とかなんとか罵るのは……ってなりますよね。
というかそもそもブルアカの世界観からして、そこに存在する生徒は子供であり未熟である、とさんざん強調されているのに、その論点を丸ごとすっ飛ばしているのは、ため息しか出ないところです。
あと自分たちが把握できている情報からキャラを殴るのも悪い癖ですよね。この立場からはどう見えているのか、という思慮を一回はさんでからモノを言ってほしい。神視点でモノ語っとるんちゃうぞ。

本題:パヴァーヌ二章について

自分の姿勢・よく語られる大枠の批判点

で、こういう浅慮な読者によりひどい非難を受けることがままある登場人物たちですが、その中でも指折りに酷いといえるのは、やはりパヴァーヌ二章でしょう。

まずあらかじめパヴァーヌ二章に対する自分の立ち位置を明示しておくと、
・確かに描写不足な点は散見される
・でもそれを補って余りあるくらい熱い
です。これはTwitterであった意見を借りる形になるんですが、RPGで村人の話を一切聞かずに魔王撃破!世界は平和になった!世界考察はさっぱりだぜ!というのが割と表現的にしっくり来てます。でもモモイの性格的にもしょうがないかな、というのが個人的な意見。モモイが走るのをいちいち止めて、アリスは危険かもしれないから……!と言い出す先生、見たくないですし。

で、個人的にユーザーの姿勢でイライラしているのは、1点目の描写不足な点に対する突っ込みーーではありません。いや、ではありません、と言い切るのは少し乱暴かもですが。
基本的にはそういう批判をする人って理路整然としていなくて読み込みが甘いんです。もしくはマイナス方向に結論をつなげがち。
例えばリオ会長がエリドゥを作り上げたことに対して、「あんな金額横領されるとかユウカ無能!」みたいなことを言い出す。いや逆だろ、リオ会長の隠匿する技術とか、秘密裏にやってのける能力がすごいって考えればいいのに、なんでそんなマイナス方向に捉えるん?って感じ。個人的にAMASとかエリドゥ、アビ・エシェフはリオ会長の有能さの証左、そしてそれを打破したゲーム部やC&Cは個の力の限界、皆で力を合わせることの意義を語っているようでとても好きなんですが、どうにもそういう風に読まないようで、リオとヒマリの格付けが済んだな、キリッ、みたいな輩が居て……ってなりました。

さて、まずはパヴァーヌ二章の問題点から切り分けます。ストーリーは読んでる前提で話するんで、よろしくお願いします。多分にストーリーを肯定的に捉えています。そこ抑えといてください。
個人的に主な批判ポイントは二つあると思ってます。
・先生が無能
・リオが無能
はい、この二点ですね。そもそも無能とかそういう強い言葉使うの普通に嫌いだなーって思うんですけど、まず大前提としてリオに関しては、生徒であることを頭からすっぽぬかしている人が多い。ポカやらかすのは当然やろ、と言いたい。
で、ここら辺概論で語ってもしょうがないので詳細な議論に移ります。
時系列順に進めるので、二つがごっちゃになりますがご了承を。

・問題の火種を持ち込んだのは先生なんだから先生は何かしらの対処をすべきである

(vol21章でアリスを連れてきた下りについて)

まずこれ。よく別ストーリーでは他の立場の人間に対する考慮が見られるが、vol2ではゲーム開発部しか考えていない、というような言葉とともに語られがち。
まぁ、ヒマリ辺りに一回相談はさんだ方がよかったんだろうな、というのは同感ですね。ただ1章と2章の間に特殊作戦が挟まっていたと考えれば、ヒマリに対して何かしらの相談はしたんじゃないかな、とかうすぼんやりと考えてます。ただこれは劇中で語られていないので妄言の類。

一つ目、先生がアリスの危険性を知るタイミングが全くない。見返してびっくりしたんですけど、division(正しく書くの手間なのでこう表記します、ご容赦を)の存在・危険性を知れる時が本当にないんですよね。(総力戦ストーリーは時系列不明なのでカウントしない場合)おそらく唯一存在していたのは、Gbibleを取りに行ったときにdivisionシステムとかそこら辺の文言を聞いた時だけ(もしかしたら見落としあるかもしれん)。でもあんなくそしょうもない内容しか書いてないGbibleを見て、division危険そうやな……せや!とは絶対ならない。

二つ目。一つ目と近似してるんですけど、そもそも先生に調べる手立てがない。リオ会長は偏執的ともいえる調査や手立てにより、アリス破壊の結論に至りました。そしてこれは最終編で示されましたが、あのヒマリをして、本人のデータベースに物理的にアクセスできる状況にならなければ、彼女の考えているその考察・リスクの考慮が出来なかった。
『別の特異現象に備えを』との文言は、恐らく色彩への対応を指しているのだと思われます。これは非公式wikiコメント欄を見てあー、と納得した考え方ですが、色彩という脅威を相手にしている状況でdivisionが覚醒した場合を考慮すると、彼女の拙速にも理由があったと言えましょう。
さて、こんな幾重の可能性を考えた末の危険性に先生は至れるでしょうか?答えはNOだと思います。というか我々はストーリー読んでるだけなので忘れがちですが、先生はくそ忙しくて毎日過労死しかけてます。ぶっちゃけ調べてる暇ないというのが実際のところだと思いますし、そもそもアリスに関してはずーっと安定してたから危険性があったとも思わなかっただろうな、と。

三つ目。そもそもアリスの相談をセミナーなどにした場合どうなるかを考えていない。
アリスはどうやってゲーム開発部に入れたか。ヴェリタスの学生証偽装ですね。まぁリオはC&Cで試しをしていた以上、そこらへんあえて黙認してたんでしょうが、ノア・ユウカは話が別です。学生証偽装となれば流石に許せる範囲を超えているでしょう。学校追放は免れないでしょうし、そうなればゲーム開発部は廃部です。ゲーム開発部存続のために呼ばれた先生がそれをするかと言われれば答えははっきりとNOです。当然ですね。多方面に目を向けて呼ばれた組織そのものをないがしろにする先生、今までいないですし。

あと冒頭で述べたいろんなところに目を向けてるって発言も個人的には引っかかっていて、そもそも先生って助けを求められない限り動かないんですよね。救援しに行った組織と敵対関係にある組織で話をしたのは、便利屋68、ティーパーティー、アリウス、公安局。そのどれもが自発的に生徒側から接触をしています。でもアリウスを救ったのは3章の終わりではありません。サオリから土下座で懇願があった4章からです。3章終わりで何かある、と流石に先生も察していたと思います。でもその時点じゃ何もしなかった。
だから、先生は無条件に誰かを助ける聖人じゃないんですよね。助けを求められれば応える大人で、そしてリオはその助けを求めなかった。それに尽きます。
それとこれ、蛇足かもですけど先生は生徒のしたい行為を極力止めませんよね。個人的に一か所引っかかってるのは、ミサキの自殺未遂シーン。勿論見殺すつもりはなかっただろうけど、もっと強圧的に止めるモノかと思っていたのでびっくりしましたねあそこ。生徒の自発意思の捻じ曲げはしない方針なのがひしひしと伝わってきました。それもベアトリーチェやゲマトリアを毛嫌いしていることを考えれば、割と妥当なのかもしれませんが。
長々書きましたが、ここから2章の話に移ります。

・大人なんだから何か言い返せ

(パヴァーヌ二章リオの連れ去りシーンについて)

これに関する答えは一点で、先生はアリスの危険性を知らなかった、そしてリオはその危険性を共有していなかった、それに尽きます。
これ、個人的な感想も含むんですが、リオって周囲に対して基本的に期待していない割に、ヒマリと先生に対してはかなり期待しているのが窺えるんですよね。ミドリとか相手にはかなりドライな対応を示す一方で、あなたもそう言うのね、とか大人としての義務を果たすべきでしょう!とか、二人に対しては相当に期待している。
で、ここからは若干の妄想も入るんですけど、リオ、アリスの危険性を二人が自分と同レベルで理解していると思っていたんじゃないでしょうか。いや、同レベルと言わずとも、かなり近しい理解を得ていると考えていた、と思ってます。
そもそものリオの説明しなさすぎの悪癖が顕著に表れている感もあるんですが、そういう考えを挟むとめちゃめちゃ腑に落ちるんですよね。
そんな中アリスは危険だとか魔王になるとか懇々と言われても……となるのは当然で。でも先生って一回は相手の話を聞く姿勢を示しがちなので、なぜそう考えたのか、その理由を問いただそうとした。けどリオは取り合わずアリスを連れて行った、そういう流れで個人的にはほぼ引っ掛かりはなかった感ある。
そもそも先生からしても青天の霹靂には違いないだろうし。先生が大人の責任を感じていない、と語る人もいるけど、ここで即座に動けなかったのは大人としての責任を感じていたから、そこの内心の葛藤があったからという解釈も出来るわけでそう解釈しないのはあしざまに認識しているからと言わざるを得ない。バイアスでストーリー語るの楽しそうっすね。お前もそう?それは認める。

・リオ説明しなさすぎやろ

(同パートについて)

最後まで読んでこの感想抱いてるならアホかよとしか言えん。そこのディスコミュニケーションが一番の欠点って言われただろ!ここでリオがメカニクス的に動いてるとか言ってる人いたけど、勉強できてコミュニケーションは微妙な奴周りにおらんかったか、そういう奴と本質的には同じだぞ。


・モモイが倒れてたのご都合主義だよね、起き上がるの早すぎ

(二章後半の頭とか)
正直これはそう。というか、多分リオが来た時にモモイが居たら「なんで!?なんでアリスを連れて行くの!?意味わかんない、アリスはゲーム開発部の仲間だもん!」とか宣って駄々こねたと思うし、シナリオの都合で排除された感は否めない。で、復帰速度が爆速なのもその通り。まぁ、ただこの展開引っ張られてもモモイを傷つけたアリスを果たして助けに行くべきなのか、って葛藤を抱えたまま動くわけで、それは正直物語としてどうなのかと考えると微妙だと思う。そもそもモモイが居なければアリスを助けに行くという選択肢に動けてなかったし、そういう意味でモモイが原動力って示す陳腐だけど味わい深い演出かなーという感想。

・なんでアリスの危険性を考慮しないの?先生色々考えるべきでしょ

(二章後半全体的に言われてること)
その場その場の粗探ししてるから大前提の知識が抜けているようだけれども、先生とリオの間にはほとんどの知見が共有されてない。で、先生かれすればリオがどうしてその判断をしたのかということもわかっていない。先述したように、リオの考えるリスクに到達するのはヒマリでも不可能であったことを考えると、先生が数日ポチポチ調べたからと言って至れるわけもなく、ましてリオから初めて無名の司祭とかそこら辺のワード聞いたと考えると、そこから調べる時間はない。
ちなみにここ、前半と後半が別タイミングでリリースされたから忘れている人もいるけど、リオがゲーム開発部の部室に来てからアリスを助けるまで、他のvolの話と比べても余裕のなさが結構群を抜いてる。同じ余裕のなさなのはエデン四章くらい。いつアリスのヘイローが破壊されるかわからない状況で、先生に悠長にアリスの事情を調べている余裕なんてない。
アリスを助けに行こう!→いやアリスは危険かもだからちょっと調べないと……→アリスのヘイロー破壊、という展開もありうるわけで、そりゃ是認できるはずもない。リオに事情を聴けばどうしてこんな凶行に及んだかは把握できる、把握した上で対策を考えていけばいい、と判断したとも考えられる。そこは優先度の問題だよね。あとは生徒たちが気炎を上げているところに水を差す先生か、って話。

・先生はアリスを助ける側にしか肩入れせず、リオのことを一切考えていない

(二章アリス救出作戦の流れについて)
これ個人的にかなり上位に来る嫌いな批判。言ってることそれっぽいんだけど、読んでてこれ言ってるとしたら本当に……ってなる。
まず先生がリオに対して告げたことを思い出してほしい。言ってたことはざっくりまとめると二つ。
・リオの悪い所は周囲に相談しないところだ
・リオがトロッコのレバーを引く必要はない
一つ目を指して説教とか言ってくさす流れも同じくらい好きじゃないんだけど、それは後の項で話す。ここで着目してほしいのは二つ目のレバーを引く必要がない、っていう説得。
これは個人の解釈も含むんだけど、先生は生徒の在り方を捻じ曲げる行為をすごく厭っている側面がある。ゲヘナ侵攻を仄めかしたミカや、ミカをリンチしていたトリモブ、アリウスを支配していたベアおば、ハナエにサンタの不在を告げようとしたヤンキーモブ。生徒に対し、そのままでいてほしい、と望んでいるように見受けられる。だから本来説教されてしかるべきなテロリストの美食とかにも何も言わない、っていう風にも捉えられる。
んで、立ち戻ってリオの話。リオは今まさにミレニアムのために、キヴォトスのために己の手を汚してアリスを殺そうとしている。そんなことをすれば、彼女の孤独は決定的に深まる。エデン条約編で言われてた殺人者になるわけだから。殺している人間と殺していない人間には溝がある、って言うのは何となくだけどこのゲームの中でも重要視されてる設定な気がする。
そんな思いつめたリオを救うためにも、先生はアリスの破壊を食い止めようとしたんだと思ってる。トロッコのレバーを引く必要はない、って言葉の通り、周りが居れば大丈夫、って教えようとしたんじゃないだろうか、って。なのであの行為はアリスと同じくらい、リオのためでもあったって感じてる。

・先生ただついてきてるだけで何もしてないよね

(2章後編、エリドゥ潜入後)
これについてはそもそも思い返してほしいんだけど、先生ってドンパチしてる時に何かしてたことがあったか?って話。
一番顕著なのはエデン3章ミサイル着弾後~サオリに腹を撃たれるまで。あの間、先生は割と周りに誘導されるまま逃げてる。流石にこれはアロナバリア切れてたり例として適切じゃないかもだけど、基本的に先生って戦術指揮をするのが基本で、それ以外何かしてる描写正直記憶にない(忘れてる気もするんで教えてほしいくらい)
恐らくこう言われがちなのは、他の章で派手な活躍の場があるからなんだけど、そもそも先生が活躍する場面はいつか、ということに考えがめぐらされていない。
先生が自発的に活躍するのは大人や超常の存在と対峙した時。黒服との交渉、エデン条約の捻じ曲げ、バルバラの撃退、色彩に取り込まれた尖兵の処理。これ以外で先生は大人のカードを切らない。流石にこのシナリオで大人のカードを切れ、と言ってる人は少数だけど。
一応個人的な解釈を差しはさんでおくと、先生は生徒の在り方を捻じ曲げるのをひどく嫌っていて、だからこそベアトリーチェをあんなに憎んだ。けどパヴァーヌで大人のカードを出して強権的に黙らせることは、まさに生徒に対する抑圧的な捻じ曲げに他ならない。それを是とする先生じゃないからこそ、大人のカードを出してないと思ってる。
あと、他の章である地味な活躍としては、ヒフミと模擬試験を作ったり、ラビット小隊に差し入れをしたり、という行為。
けどここもパヴァーヌの状況と明らかに乖離してて全然ドンパチしてないよね、って。
ちなみに書いてる途中で、モモイがアリスを助けたい、って言ってからセミナーに顔を繋げたのは先生だっての思い出した。これ、先生が顔繋げてなかったらリオの現在地わからない可能性あって詰んでたかもしれんよね。まぁ流石にC&C辺りがどうにかするとは思うけど、先生がいたからスムーズに話が通った、ってのはあると思う。
で、話をエリドゥ潜入後に戻して。
個人的な感想述べると、そもそもここ、戦術指揮だけすると思ってたから、ネルに対してアビ・エシェフの対応で屋上に上ること指示したの、お、ってなった。結果的にその策はネルの靭帯切る状態にしちゃったわけだけど、その姿を見てユズが策を思いついたわけで、生徒に何か姿を見せてつなげる、っていう流れとしてはそこまで悪くないのかな、と思ってる。靭帯切らせちゃったのはちょっとあれだったけど。
それにもう一つ言っとくと、先生という圧倒的な個人のパワーで解決した結果になったとすると、それは果たしてリオの説得に際して適切なんだろうか?って疑問もある。リオの独断専行を止めたいのに、ワンマンプレイで先生が解決しちゃえば、自分の力が先生に及ばなかった、と勘違いしちゃう可能性もあるから。生徒たちの絆で解決する、みんなで話し合うことが大事なんだよ、という図を示すには、先生が出しゃばりすぎないあの形がよかったんじゃないかな、って。

・先生何もしてないくせに偉そうに説教すんな

(トキ撃破後のエリドゥ中心でのやり取りに)
 これも、かなり嫌いな批判の一つ。説教すんなってさ、ってなる。なった。
まずリオの行為を思い返してほしいんだけど、彼女はヒマリくらいしか並び立つ者がいないと思っていて、それ以外の他人を一切顧みないで行動してきた。リオにとって、周囲は頼れる存在じゃなくて顧みる必要もないと思っていた。
そんな彼女にとって初めてと言ってもいい挫折なわけですよ、このエリドゥにおける一連の事態は。そこで彼女の姿勢が正しくない、と諭さないと、自身のやり方がまずかったのか、もっと武装を強化する必要があったのか、って余計強固に自分の殻にこもることは目に見えてるでしょ。
で、リオを𠮟れる存在ってホント居なくて、大人である先生はそのうちの一人なわけ。そこでリオの行為を諭さなくて何とする、って話。なのに説教すんなとか言うの、リオのことなんも考えてねえんだな、って思う。
ラストだけ見るとリオは失踪してるから響いてないようにも見えたけど、実際最終編でAMASで救援に駆け付けたりしているし、生徒たちと協力する重要性は少なからず理解したんじゃないかなーって思ってる。


・リオ自分から敵引き入れて自爆するとか無能すぎん?

(divisionによるエリドゥ乗っ取りを受けて)
まず大前提思い出してほしいのは、ヘイローの破壊は並大抵ではできないということ。あきれるほど銃弾を浴びせたり、すさまじい環境に放置したり、そういうことをしないと彼女たちのヘイローは破壊できない。仕組みは分からないけど、多分膨大なエネルギーが必要なんだと思われる。で、そういう意味でエリドゥに連れてくるのには正直あんまり違和感ない。
もう一つ言うとするなら、そもそもリオはアリスにkeyが内在していることを知らなかった。だから外部的な刺激でアリスが目覚めるより先に破壊しようと試みた、とも考えられる。
勿論これについては若干の短慮だった感は否めない。でも、それってリオが独白で言ってるように焦っていた、それゆえに判断を誤った、ってことにつながるだけの話で、これ一つを取り上げて無能とかあげつらうのは本当に気持ち悪い仕草だなって。
あともう一つ、これは個人的になるほどと思った意見を紹介しとくと、そもそもアリスをあの場でミレニアムから離さなければ、ミレニアムごと乗っ取られてその場合エリドゥと違って都市全体の電力落とせばどうなるか分かったもんじゃないから、そういう意味でリオはMVPだった、っていうのがあった。ここからこれは深読みの領域だけど、もし何か問題が発生しても、リオはエリドゥとともにアリスもろとも自壊するつもりだったんじゃないかな、って思ってる。実際都市が乗っ取られた段で、私が犠牲になればいい、とも言ってたし、そういう方策があったんじゃないかなって。これは今後の展開待たないと何をしようとしてたかはわからかないけど。

・先生結局偶然うまくいっただけじゃん、対策何も考えてなかったの?

(ヒマリのダイブ装置、ユウカの電力シャットダウンなどを受けて)
これについては一部物言いしたいところとそれはそうって言うの半々という感じ。
まず言いたいこととしては、divisionに乗っ取られかけてた時、ユウカ・ノアが駆けつけてくれて助けてくれたシーンに、あれ来なかったら終わりだったじゃん!って言う奴、あのあともし乗っ取られてたら先生が何もしないって知っててすごいなーって。そう、物語上ユウカたちが駆けつけてくれたから何もしなかったけど、イコールそのあと何もするつもりがなかった、無策だったにはならないのよ。なのに無策だ無策だって言ってるの、なんだかなーって感じがする。ぶっちゃけ大人のカード使って無理しゃりねじ伏せてたんじゃないかな、って。でもそれやるとさっきも言ったように個人のマンパワーでねじ伏せてるだけだから最後までやらなかったのかも、とか。
あとこれは個人的な解釈の一つだけど、もし先生がユウカやノアにリオの話を通せば助けに来てくれると信じていた、彼女たちに託していた、って考えると、それはある種熱いものがあるよね。まぁ流石にそれだったらなんか言葉付け足してる可能性が高いから、ちょっと自由解釈が過ぎるかもだけど。

で、ヒマリのダイブ装置は正直ご都合主義だとは若干思う。
でも、これがリオの居場所に置いてあった、ってすごく大きな意味を含むって思ってて、つまりリオは最後にゲーム部がやった危険性のある、1を捨てて他を救うじゃなくて危険性を踏まえてでも全部を救う選択肢を僅かなりとも考慮に入れた、ってことを示唆するんじゃないかなと。だからリオも、他の人に比べれば効率主義的な側面が強いけど、それでもガチガチのロボット人間じゃなくて、僅かなりとも歩み寄りの隙があるんじゃないかなって。そしてヒマリもリオがそう考えていることを知っていたから、リオにダイブ装置はありますよね?って聞いた、と考えると個人的にはかなりのエモ。
(こう書きながらもしかするとダイブ装置でダイブして自分の精神ごと相手の脳を焼くのを最終手段にしてたのかなーとか考えたけど、どっちかというと上で書いた内容の方が個人的に好きなので上の解釈で行きます)
あとこの物語自体がゲームレリーフと考えると、滅茶苦茶腑に落ちるところでもあるんだよね。RPGで魔王のいる城に行くにはあの結界を解かねば→その水晶が何処何処に!みたいな展開、よくあるでしょ。あのご都合主義感を落とし込んでるのかなーって思って、個人的には結構好き。

・先生ダイブする必要あった?

アホか、普通に考えて先生ゴーレムだの先生アイテム(詳細忘れた、すまん)だのゲームに実装してるアリスのもとに先生が行かないなんて択、どうしたら出てくるんだ。アリスは戻ってきていい、って言う局面で説得できるものは使いたいのに、先生に行くなとか意味不明もいいとこだろ。自分の身可愛さに飛び込まない先生とか見たくないわ。

・リオ失踪して無責任、ガキかよ

子供だって言ってんだろうがよ。そもそもリオの性格を考えればそんな無思慮な言葉出るか?って話。あの一連の事態は私の責任だ→私にセミナーの会長をやる資格はない→辞めよう、きわめて合理的な思考では?ある意味先生の説得が響いてない証左でもあるけど、ある意味それくらいの方がリアリティあるよね。
あとこれはブルアカ解像度とても高い配信してくれるvtuber,名取さなさんの配信コメにあった内容でなるほど、と感じた話なんだけど、そもそもリオにとって、あの「ごめんなさい」は初めての謝罪だったんじゃないか、って。謝罪をここに、ってのは私の行為は悪くないけど誤解させたら申し訳ありません、程度のモノで、本気の謝罪はあれが初めてだった、って考えるととても可愛らしいよね。最終編でのムーブもそうだけど初めて友達と喧嘩して引っ込みつかなくなった子供みたいで可愛い。リオ会長のこういう所もめちゃめちゃ好き。

・結果的に何も解決してないじゃん、場当たり的な対応

場当たり的な対応しないとその後悲劇的な展開になること分かってんだからその場はそういう対応するだろうよ。リオが失踪したからちょっと動きづらくはなったけど、最終編でもあったようにミレニアムでも出来ることをしているんだから、そこは任せるしかないよね。ヒマリの方で情報がある程度明らかになった以上、今後の展開は見込めるだろうし、それ期待してる。これも名取さなさんの配信から引用するけど、アリスたちが笑ってゲームを開発できてる、ひとまずその景色を勝ち得たからそれでいいんだよ。
今後もしアリスの危険性について語るなら、多分それはゲーム開発部じゃなくて別枠の話になると思う。divisionも明確に色彩ではない特異現象として語られている以上、今後相対することもあるだろうし。そもそもアリスを私のーーと呼んでいた存在はまだ現れていないし。(keyは個体名を重視しないからAL-1Sをアリスと呼称するその存在は明確にkeyとは別だから)

こっから先は全部追記です。見かけた端から書いてるんで時系列とかぐっちゃぐちゃですが、気になさらないでくださると幸いです。

追記:そもそも先生が行き当たりばったりに振る舞うしかないシナリオが悪い

むしろ個人的にはその個としての無力感にこそ意味があると思ってる。2章に通底してる価値観は、「一人には限界がある、みんなと協力すれば困難も乗り越えられる」なのに、そこで先生がホイホイ解決策を示せるような立ち位置になるのは、それこそリオの姿勢に対する肯定になりかねない。そもそも先生だって人間なんだから手が回らない場所があって然るべきだし、その時に生徒と協力して乗り越えられる、それこそ先生である強みでは?と思う。万能主人公じゃないんでね、そこ捉え間違うのがそもそもなんよ。

追記:リオの言葉「大人であるあなたがやるべきことでしょう!!」は正論である

これ、自分とは割と真逆な見方で結構驚いたんですよね。まずこの言葉が出てくるまでの状況を述べると、
アリス暴走の二日後にリオ登場→自分の判断基準を全く述べずアリスは魔王であると詰める→アリスのヘイロー破壊を宣言→反対する先生にこの言葉で一喝
こんな感じです。自分はこれを、情報の非対称性が分かっていない、もしくは相手に著しい期待を寄せる子供めいた八つ当たり、ないし大人の判断領域をこなさなければならない子供の悲痛な叫びと感じました。前者については、ぶっちゃけ現代でも結構な人数がいますが、多分その人はリオ会長よりも子供なので心の中でふっ、と思っておくと丸いです。

さておき、まぁ確かに一部正しいことは言ってます。先生も情報を集めるべきだったし、アリスのリスクを把握しておくべきではあった。でも、上でも書いたようにアリスの危険性を把握できるような情報ソースがない、その状況でなされる批判としては、それが出来ればやってるが?と、自分ならそう思います。先生、あそこで黙り込むの大人としてしっかりしててマジで偉い。
そもそもこの批判における大人である先生がやるべきこと、の概念が割と意見分かれがちなのでそこも微妙なんですけどね。情報を集めアリスに対する対策を練ることなのか、アリスの危険性を認識した段階で破壊する判断をすることなのか。前者なら、情報共有しない自身にまず言ってくれ、って思うし(先生はそう言わず自身の未熟を恥じるのでそういう意味では批判足りうるかもしれませんが)、後者なら、後半で回答があったようにその判断こそが誤りだ、となると思います。

まぁ、途中に書いたように、あれってリオの子供としての未熟な一面の発露であると思うので、それを受け入れ、そんな思いをさせてしまったことに先生は心を痛めたのかもしれませんね。それを見て論破されてる、先生言い返せない!とか宣うアホ、滅んでくれ。
そもそも、ミレニアムのことだけ考えてればいい技術に長けたリオと、過労死寸前でキヴォトス全土を考えなければならない情報を扱う技術もない先生では、情報格差が生じるのも当然だし、そこで自身の握っている情報の把握を共有せずに求めるのは、リオの先生への過剰な期待の表れかな、とも思います。

追記:先生二日間何やってたの?その間に調べられたよね?

批判をする前にちゃんと物語を読もうなアホが。
はい、モモイのスチルが映り、病室が映し出され、そして二日間目を覚ましていない、というモノローグが添えられているので、先生は看病していることは自明ですね。まぁ、流石にそれは言い過ぎだとしても、あの先生が生徒を医務室に放置しっぱなしでどっか行くのも考えにくいので、そこそこシャーレに居座っていたことは十分考えられます。
で、この段階だとヒマリが既に誘拐済みであり、彼女と相談することはできません。ハレやミドリへ情報の聞き取りを行ったことは分かっているので、少なくとも何もしていない、は妥当性のある批判ではありません。
divisionの存在もヴェリタスである三人が知らないことから、恐らく相当に秘匿性の高い情報と考えられます。それなのに先生が二日でその情報にたどり着く、というのは普通に考えにくいですよね。こういう情報の得やすさとか度外視してバカみたいなこと言うからほんと腹立ちます。

というか、アリスが目の前で暴走して、それでモモイが寝ている状況で、彼女たち一人一人を大事な生徒として見ている先生が、アリスはどうしてあんなことをしたんだろう……?とすぐに動けたら正直若干引きます。呆けてもしょうがないと思うんですけど、大事に思っている存在同士が被害者と加害者の関係になっても平然としていられるような精神の持ち主のようで、少し批判する先生のメンタルが不安になってしまいます。
まぁ、真面目な話すると、もう少し何かできたのでは?とか、二日も時間空ける必要あった?とは思いますけど、そこまでこじつけてぶんなぐるほどの無茶ある流れじゃないですよね。けどそれを声高にぶん殴るから嫌いなんですよ、批判する先生。

追記:横領させる必要なかったよね?リオを悪人に仕立て上げるためだけの雑な設定だ!

横領、最初の頃は自分も雑設定だと思ってたんですけど、ミレニアムにおいてお金を引き出すためにはどういう手順が必要か、と言えばユウカへの相談がまず要されますよね。何故そのお金が必要なのか。ミレニアムを守るため、なぜミレニアムの防備を急いで固める必要があるのか。
それは最終編で示されてましたけど、色彩という脅威が迫る中、divisionをのうのうと放置するわけにはいかないので、なるべく即時に手を打つ必要があるから。
さて、そこに至るまでにユウカへの説明が上手くできると思いますか?自分は全く思いません。少なくともかなりの時間を要するでしょうし、そしてユウカに相談したからと言ってこの話は終わりません。セミナーの方針として、その来るかどうかもわからない脅威への防備を備えるために莫大な予算を投じ、都市を作る。それをミレニアムの生徒へ説明する必要があります。セミナーが勝手に単独で作れば、それこそリオと同じになるからそりゃそうです。でも、その説明に納得してくれるかと言ったらはなはだ微妙です。個人的にはここで、バカでかい都市を作ってこんなことがしたい!というアイディアを嘘を織り交ぜつつ作って、それを語ればロマンが好きなミレニアムの生徒たちはやってみよう!と飛び乗ってきそうな気はするんですけど、それが出来ればリオ会長はあんな真似をするわけもないので、まぁ土台無理な話です。
しかも周囲にはいろんな学校がある。あんな不穏なモノを作れば、周りから警戒される恐れもあります。ミレニアムとしての方針として打ち出せば、情報の流出は避けられず、周囲の学校へ要らぬ刺激を与えます。もしそうなれば外交的に厄介な要素が増えるでしょう。

総じて考えると、なるべく早めにアリスの破壊を遂行したいのに、要らぬ手間が増えすぎます。なので、横領という形で自身の手で完結させたのは、そういう意味もあるのではないのかな、と。

またもう一つ、これはリオが持ち合わせていたかどうか微妙な視座ですが、個人的にこうならいいな、というのを語ります。
まずあの都市にアリスを連れ込んだことから、エリドゥにはヘイロー破壊のシステムが組み込まれている、ということになります。で、つまりリオとしては、アリスにああいう処置をしようとするところまで計算に含めていたのでしょう。
翻ってミレニアムの生徒へ協力を仰いだとしましょう、もし協力してくれたとして、彼女たちは自らの手でアリスのヘイロー破壊に加担することになります。アリスをモノと思っているリオ会長と違い、彼女たちは心に大きな傷を負うでしょう。ミレニアム生のことを大事に思っているリオなら、その心情にそれはモノなのよ、と言うでしょうが、そんなものは慰めになるわけもありません。彼女たちは自分の手でアリスのヘイロー破壊を行ったという罪悪感を背負い、生きていかなくてはなりません。
という感情を抱かせることを考え、リオは自身の手ですべての行為を断行したのではないでしょうか。ミレニアムめちゃめちゃ大事に思うウーマンの彼女ですし、そうあってくれたらより助かりますね。

前のnoteでも書きましたけど(書いたっけ?)
リオ、
・ミレニアムへの深い愛情
・情報共有・説明をしないコミュ障
・一人でほとんどをこなせる有能さ
・それゆえに他者から叱責されたことのないことからくる未熟さ
を兼ね備えてて、めっちゃ好きなんですよね。これ、めちゃめちゃきれいなバランスで作られた人物像だな……って思うんですけど、世には彼女をシナリオに振り回されただけの人間、みたいな扱いをする人もいて、まぁ多分そういう人とは一生話が合わないと思います。

結び

はい、というわけでこんな感じで個人的には割かしよく上がる批判ポイントに対してはこうでは?という可能性を提示できるので、非常に引っかかってます。そんな愚痴をありったけ吐き出しました。
パヴァーヌ2章、粗い部分は確かにあるけど、それもリオの意思疎通不足を体現しているかのようで嫌いになれないんだよね。で、個人的に色々解釈したら割と悪くない感じに収まったんじゃないかな、と思ったのでこれを書きました。滅茶苦茶に愚痴っぽい内容も含んでたので、少し嫌な思いをした方もいるかもしれないけど、それでもブルアカって話を楽しむ足しになってくれれば個人的には嬉しい。
というわけで今回はこんな感じで。また気が向いたらなんか書く。


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