いつかパートナーが ③

Sに「付き合おうか?」と言われて、私は罪悪感を覚えていた。もうこのまま何も言わずに帰りたい。そんな心境だった。

「マイナス要素ばっかりだけど、それでもいいの?」
断ろう!そう思った私の口からは、別の言葉が飛び出して自分でもびっくりした。

「いいよ。そのままでいいから」Sは言った。

気がつくと私は、「よろしくお願いします」と言っていた。

涙が出そうだった。

不安ばかりだったが、ノンセクを告白した上での初めてのパートナーができた。

ノンセクを自認してから、10年が経過していた。

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