神沢利子×長新太=ちょっと笑えて、ほんとにかわいい
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右上 いたずらラッコのロッコ|初版1968年 あかね書房
下 いたずらラッコのロッコ|初版1979年 講談社文庫
左上 いたずらラッコとおなべのほし|初版1973年 あかね書房
『いたずらラッコのロッコ』は、北の海で暮らすラッコの仲間たちのお話です。神沢利子さんの文章に、長新太さんが絵を描かれています。
ファンタジーな要素もありながら、動物たちの生き生きとした姿がユーモアを交えて語られていきます。
ラッコの男の子ロッコ家族を中心に、友人のレッコ、トッコ、ポッコ、ヨッコ、キッコやイルカのカンタ、アザラシのザラー、カモメのピーコなど、それぞれのキャラクターが個性的。
神沢さんのお話は、あたたかいのだけれど、甘すぎず、自然の厳しさも感じられ、空からラッコたちの海を眺めているような距離感で進んでいきます。ロッコが寝ているおじいさんをワカメでぐるぐるまきにするといういたずらの場面もあって、笑えます。
『いたずらラッコのロッコ』の背表紙タイトルの下にタコの頭上にラッコが乗っている絵が描かれています。お話にタコは登場していないのだけれど……、長さんの遊び心ですね。
1979年に文庫化、1973年には第1章を絵本にした『いたずらラッコとおなべのほし』が出版されています。
文庫の表紙はほんとにかわいくて、文庫サイズであることが更にかわいさを増してくれています。
神沢さんの作品に描かれる長さんの絵は、他の作品では見られないようなかわいさ、愛らしさを感じます。神沢さんのご自身の雰囲気や物語の世界観、空気観がそうさせているのかなと想像しています。
神沢利子×長新太には、このような作品も。
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