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【開催レポート】第5回 公務員のキャリアをアップデートする会:公務員×二枚目の名刺で考える〜人生100年時代の公務員のパラレルキャリア

こんにちは(^^)

先日、12月1日(日)に、「公務員のキャリアをアップデートする会」を開催しました。

会場は、いつもの浅草橋にあるゲストハウス「リトルジャパン」。クリスマスツリーも飾られてすっかりクリスマスモードです。

今回は、『公務員×二枚目の名刺で考える〜人生100年時代の公務員のパラレルキャリア』をテーマに、さいたま市役所の島田正樹さんをゲストにお話をいただきました。

島田さんのブログはこちら
公務員 島田正樹〜仕事と私事と志事と〜https://ameblo.jp/shimada10708/

島田さんは、さいたま市役所に勤めながら、NPO法人二枚目の名刺、ブロガー、ワークショップデザイナー、さいたま市100人カイギキュレーターなどまさしくパラレルワーカーを地でいく多様なご活躍をされている方です。

そして、「人生100年時代」というキーワードが広まるきっかけにもなったリンダ・グラッドンの著書「LIFE SHIFT」の読書会も開催されており、本テーマについて今、最も実践されている公務員であるため、ぜひお話を伺いたくお越しいただきました。

島田さんの進め方としては、お話しされながら問いを参加者に投げかけて参加者みんなで話し合ってシェアしていくスタイル。

参加者で何度も話をする機会を持てて、テーマに考えや気付きが得られますね😊

まず、冒頭島田さんから会全体の大きな問題提起としていただいたのは、

「①人生100年時代」がやってくると

「②公務員」の何が変わって 

「③パラレルキャリア」がどんな意味が持つのか

ということ。

まず島田さんから「LIFE SHIFT」の概要のお話。

「LIFE SHIFT」の概要を、ざっくりいうと、「人生100年時代では、健康寿命が伸びて85歳まで働く(いわゆるマルチステージを過ごす)人が増えるため、従来のお金(有形資産)を貯めて定年後悠々自適で暮らす生活ではなく、無形資産(ネットワーク、スキルなど)を蓄積してそれを活かして85歳まで頑張ろう!!」というもの。

ところが、島田さんがこちらを読んだ時の感想としてはズバリ「絶望感」だったそうで。。。。

要は、「役所での仕事を通して無形資産を稼ぐなんて今の公務員のままではできる気がしない!!」ということ。

もちろん、不可能な話では無いということが前提ですが、異動を繰り返す公務員では専門的なスキルを磨きにいため、個人の「無形資産」を得にくいのではないかということが理由です。

私も公務員のため、この点、とっっっても共感します。

では、人生100年時代に世の公務員は、どうすれば良いのか??

島田さんは、様々な活動を経た結果、『人生100年時代にキャリアを組織任せではなく、自発的にデザインする(なりたい自分になる)ためにも2枚目の名刺(パラレルキャリア)が有効では?』と考えるようになったとのことです。

そもそも、島田さんがこう考えるに至ったのも、化学技師として入庁した市役所におけるキャリアへの不安を抱いたのがきっかけだったとか。

地方公務員としての化学技師のお仕事は、たとえば大気や排水について事業者が排出の処理基準を満たしているか検査したりするものです。

ですが、、、島田さんが配属されたのは環境エネルギーの部署や企画系の業務、さらには内閣府の地方創生部署への出向といったおよそ化学技師の検査とは関係ないお仕事ばかり。。。

化学技師とは全然別の仕事をしていく中で、今後自分がどんなキャリアを歩んでいくのかわからないモヤモヤを感じていたのだとか。

そんな不安やモヤモヤを抱える中で、始めたのが「公務員キャリアデザインスタジオ」という自主勉強会だったとのこと。

その時も、「業務時間外の2枚目の名刺(パラレルキャリア)で、無形資産を築きたい!!」というよりは、自分の不安をもとに感じた「公務員がもっとキャリアを通して幸せになれば社会や地域もより良くなるのでは?」という問題意識からだったとのこと。

そのような問題意識のもとで、公務員キャリアデザインスタジオの勉強会を開催した結果、今まで役所の中で、組織人として上司の決定に従っていたところ、2枚目の名刺的な活動をすることで、「自分の意思で決定したぞ!!」という達成感を味わえたのだとか。

その「自己決定する達成感と楽しさ」を得た島田さんは、キャリアデザインスタジオ以外にも様々な自主的な企画を実践されていきます。

例えば、ご自身で学んだワークショップを実践する会を開催してみたり、NPO法人二枚目の名刺に参画して公務員副業を進める奈良県生駒市長の小紫雅史さんへのインタビューを実施したり、さいたま新都心の地域活動を実践するなどなど。

本当に幅広い2枚目の名刺としての活動ですが、その活動を島田さんは、「ビュッフェのように必要な経験を選択して自ら決定して選べるものではないか」としてわかりやすく表現してくださいました。

つまり、「機会を自ら作り出し、機会によって自らを変えよ」(リクルート旧社訓)言葉の通りに、自分で選択できる「2枚目の名刺」というフィールドで、自ら機会を作り出して色々な経験をしていった結果、「自己決定度が高い人ほど幸福度が高い」(神戸大学調査)という状態となり、個人もハッピーになれるのではないか、とのこと。

私も、自分で決めた企画が人から楽しんでもらえたときなどはとても楽しい気持ちになるので、その状態をうまく表現・解説してくださって、とても合点がいきました😄‼️

ただ、当然、自分で企画してもうまくいかない時もあります。例えば、勉強会を開催してもお客さんが来なかったりなど。。。。(私にも経験多々あります。。。)

そんな時でも、島田さんから素敵なヒントが。

例えば、自分で設計した新しいワークショップの開催を行った時に、約3,000円程度の「赤字」になる設計をして開催をしたのだとか。

しかし、ここで考えるべきは「赤字」になった点ではなく、3,000円を支払ってワークショップ開催の得難い経験を買ったと捉えたということです。

このマインドは、「2枚目の名刺」として自発的な活動をすることは、失敗なんてなく、全てを得難い経験(無形資産)として捉える素晴らしい考え方だと思います😊

なお、本業の市役所職員の仕事、2枚目の名刺の活動、ご家庭の父親・夫の役割なども踏まえて、株式会社化するとこのような図式になるとのこと。

(株式会社に例えると本当にわかりやすく図式化できますね☆)

また、2枚目の名刺の活動が本業への還元として職場でのファシリテーション研修、まちづくり事例の紹介、胆力、スキル向上にも繋がったとのことで、相乗効果を生んでいるようです😊

さらに、家庭への還元といった観点からも、お子様との関係性において2枚目の名刺の価値が伝えることが生き方のメッセージとなっているのではないかとのこと。

お父さんの2枚目の名刺的なライフスタイルを見せることで、子どもに生き方の一つのモデルを伝えられるのはとても良いですね‼️

とはいえ、公務員が2枚目の名刺を持つことは、役所組織にとって本当にプラスの効果ばかりなのか。

島田さんから参加者に対してまた新たな問いかけがあります。

「果たして職員が2枚目の名刺を持つことは組織にとってプラスor迷惑なのでしょうか」

参加者からは、まずデメリットとして「いくら2枚目の名刺の活動とはいえ、公務員の肩書きをつけて行う活動で何か非難されるようなことがあったら、役所も非難を受けることがあるのでは?」という声が上がりました。

その一方で、島田さんからは、メリットとして提唱されたのは

「出島」と「多様性」

これは、公務員組織は、同質性が高くタコツボ化が進みがちの中で、組織の垣根を越えて外で情報を仕入れてくる出島的な役割を担う人材は貴重であり、さらに外部で経験を持つ人間が増えることで人材の多様化も進み、結果として組織も活性化するものではないか、というもの。

先ほど触れた、島田さんが市長にインタビューされた奈良県生駒市でも職員の地域貢献活動に当たる副業は奨励されています。

「出島」と「多様性」を重視して、役所としても2枚目の名刺を推奨するか否かで、組織のダイナミズムにも差が出そうですね。

そして、最後に、島田さんから2枚目の名刺の始め方のシンプルな方法のアドバイス。

一つは、自分のやりたいという意思(will)に気づく

もう一つは、すでにやっていることに気づく

意外と自分のwillは、自分自身が知らないものなので、自分の心に耳を澄ませてみるとともに、色々と動いて多様な価値観に触れるてみる。結果、自分の「will」に気づいたりするし、willはどんどん変わっていってもいい。

そして、2枚目の名刺を意識すれば、すでにやっている例えばPTAなどの活動も場作りの活動としても活かせるようになるのではないか、とのこと。

最後に、島田さんからのまとめとして、

☑︎より良い社会を築きたいというwill(やりたいこと)に従った結果として無形資産をたくさん得られることもある。

☑︎公務員がLIFE SHIFT の提唱するマルチステージと相性が悪いとしても、仕事外の2枚目の名刺的な活動で、自己決定して幸福度を高める行動をした結果、無形資産につながる経験も得ることができる。

☑︎人生100年時代は 自分のキャリアを自分でデザインすることが重要。そして、 なりたい自分は自ら決めて、組織任せにせず、自らの手で創る。そのために2枚目の名刺が有効。

そして、最後に、『「組織が変わらなければ●●できない」ではなく、「組織が変わらなくても、自らの手で出来ることがきっとある」ということに自ら気づくことが大事ではないでしょうか』という2枚目の名刺に向けて参加者への素敵なエールをいただきました😊

以上、島田さんから「公務員×2枚目の名刺」というテーマで大変示唆に富むお話を話をたくさんいただきました。

特に、公務員が2枚目の名刺を持つという経験は、自分のキャリアを役所任せにせず、自ら選択する機会をつくるため幸福度を高めるためにも有効であるというメッセージに大きく励まされました。

2枚目の名刺の経験で、各々が自由に自己決定して幸福度を高めた個人の幸せが、役所での良い成果につながり、それが結果として地域、社会の幸せに還元される。公務員が2枚目の名刺に取り組むことで、そんな素敵な循環が生まれるということに、お話を聞いて気づけました。

また、私は、個人的に普段から「これからの公務員も2枚目の名刺(パラレルキャリア)活動が大事だ!!」なんて言ったりもしますが、「なんで大事なの?」と問われた時に、今まではうまく伝えられずもどかしい思いをしたこともありました。

そのような中で、今回、改めて島田さんから公務員が2枚目の名刺を持つことの意義と重要性を「LIFE SHIFT」も踏まえた形で整理して教えていただいたおかげで、大変クリアに言語化出来たと思います。

そして、全体を通して、島田さんから多くの考え方をご提唱いただいたのですが、

「2枚目の名刺を世の中の公務員のみんながやるべき」というものでは決してなく、自分で2枚目の名刺をやってみて、キャリア面で色々と楽しいことがあったのでオススメするが、(キャリアの幸福度を高める方法は、たくさんあるので)あくまで選択肢の一つとして提示をしてくださった姿勢に何よりも共感を感じました😊

お忙しい中、お話いただいた島田さん、そしてご参加いただきました参加者の皆様、本当にありがとうございました!!

※終了後に、島田さん交えてみんなで交流会を実施😊今回もたくさんの方にご参加いただき活発な交流が出来ました✨

※交流会時に、島田さんとツーショット写真を撮らせていただきました。ほぼ同じ名前の同志としても、ご一緒できて本当に嬉しく思います☺️

なお、次回は、1月18日(土)16時〜になります。

教育を通じた公務員革命をテーマに、埼玉県立高校に務める上田祥子さんをお招きいたします。

次回もこうご期待!!






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