雑踏の中にまぎれる2

お互いの特徴を伝えていざ待ち合わせしたのは池袋の北口だった。
(1でも書いた通り)
北口というのはいわゆるラブホ街への入り口みたいな場所だ。
ここで待ち合わせと言われたら「ホテルに行こう」と半分誘われているようなもの。

そんな場所であってもあまり人目が気にならないのが東京だ。
きっと道路を挟んで誰かを待っているあの人も目的は同じなんだろうって思うけどそれで何か気になるとか支障が出るとかはない。
人と会っているようで会っていない。見ていても見て見ぬ振りをする。
それが暗黙の了解として根付いている。

話を戻すと、Tと会って最初に向かったのは中華料理屋だったか
駅近のレストランだった。顔合わせみたいなもの。
普通のカップルを装って世間話をしながらご飯を食べる。
何も違和感はない普通の独身の男性。若干オタクぽい感じがあるくらい。
そして服装にはあんまりこだわりがないんだなって印象。
唯一言うならそれが共感できなかったけど、ファッションに興味のない人っているんだって思った。今までの私の人生で出会わなかったタイプだなって。
食事を済ませてホテルへ向かう。その間は何も喋らなかった。
Tはこういう経験がきっと初めてでないんだろと感じたのは
ホテルの目星を立てていたことからわかった。
そんなこと私にはどうでもいいことだった。
そう言う私もホテルは初めてではなかったし。。

部屋に入り、本音(腹の中で考えていたけどレストランで聞けなかったとこと)トークは始まる。
その後、シャワー入ろうかのお決まりパターンから情事が始まる。
一緒にお風呂に入りたがる男、入りたがらない男がいるが、Tは前者だった。当たり前だけど色々なタイプがいる。
下着に興味を示す人、示さない人。当日来てくる下着の種類を指定する人。
もしくは下着を履かないできてと言う人。(←この時はないがしたいんだろうって思った)裸の写真を欲しがる人。ハメ撮りをしたがる。
SMは私が希望しないから一度経験ないがきっとそれが好きな人もいるんだろうな。

その夜2回はしたのだと思う。その当時が大体休憩3時間だと2回するのが
常だった。もう少し時間があるホテルの時は3回したり。
「もう一回」ってお願いすると1、2回は追加できた。
これは今の相手でも行っている。

そうして休憩の時間が終わり帰路に着いた。
そんなことから、束の間の快楽を求めるようになったのだった。