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色眼鏡を捨てる[Footwork & Network vol.24]

私が現在携わっている『IKEBUKURO LIVING LOOP』という池袋東口のグリーン大通りを中心に開催しているマーケットに初めて関わったのは2021年10月である。最初の頃はマーケットの当日だけボランティアキャストとして参加していた。その時に同じくボランティアキャストとして数名の大学生が参加していて、その中の一人が今回紹介する正美くんである。私より一学年下の大学生で、現在も共にIKEBUKURO LIVING LOOPのコアメンバーとしてマーケット運営だけでなく様々な活動をしている。1年以上彼と関わる中で、「年上だから」「年下だから」と人にフィルターをかけて判断してはいけないと思うようになった。

正美くんのIKEBUKURO LIVING LOOPのコアメンバーとしての振る舞いに私は何度も驚かされた。IKEBUKURO LIVING LOOPには何度も出店してくださっている、池袋周辺のお店がいくつかある。コアメンバーとして池袋のまちや出店してくださっているお店をより深く知る必要があると、正美くんが自ら企画し、他のメンバーを集い、池袋周辺を散策しながらいつも出店してくださるお店に足を運び、話を聞いて廻る機会があった。立ち寄る予定のお店に事前にアポを取ったり、タイムスケジュールを組んだりと、スムーズに進められるように事前準備も全て行ってくれた。自分一人で行くことも可能であるし、むしろその方が楽だと思う。しかし、自分が先頭に立ち、他のコアメンバーを巻き込んでいた。その行動は、マーケットをより良いものにしようという思いからなのかもしれない。自分のことではなく、他のことに重きを置いて、自然と行動していることが凄いと感じた。また正美くんはIKEBUKURO LIVING LOOPを通して知り合いになった人が開催するイベントによく足を運んでいる。参加してもらうだけでなく、自らも参加することで出来る関係性があり、一気に距離が縮まる。その関係値があることによって、マーケットにも還元されることがあると私は感じる。正美くんはそれを体現して、繋がりを大切にし、関係性を紡いでいく姿に私は感心した。

今年に入り、正美くんは新たな取り組みを始めた。千葉県流山市にある実家の使われていない土地を、『まわりみち広場』として開かれたコミュニティスペースに変えようと動いている。IKEBUKURO LIVING LOOPのコアメンバーとして彼がインプットしたことが、この新たな活動としてアウトプットされていると感じる。IKEBURO LIVING LOOPのコンセプトである「まちなかリビングのある日常」はマーケットとして運営側が一方的に提供するのではなく、お客さんと一緒に作り上げていくものである。まわりみち広場は現在創り上げている段階で、完成した場所を開放するのではなく、未完成の状態から関わりしろを作って、一緒に創ろうとしている。まさに吸収したものを実行に移している。さらには、IKEBUKURO LIVING LOOPの取り組みの一つであるCleanup & Coffee Clubに参加したことをきっかけに、それを自分の活動に繋げている。まわりみち広場で緩いコミュニティを作る手段として、自ら流山市でCleanup & Coffee Clubを主催して、4月からスタートさせようとしている。経験をただの経験で済ませるのではなく、自らの活動に還元しようとする姿に、私自身刺激を受けた。

自分ではなく他のことを見据えて行動したり、フットワーク軽く様々なところに足を運んだり、得たものを自分の活動で実践したりと、正美くんの行動には影響を受けることが多い。しかも、これらのことをいつも楽しんでやっているように見える。やらなければいけないからやっているのではなく、やりたいからやっているのだろう。このように年下ではあるが、人として彼を凄いと思う瞬間がたくさんある。これまで「年上だから」「年下だから」と考えてしまうことがあったが、彼と1年以上関わって思い込みの色眼鏡をかけずに人と接することの大切さを学んだ。この4月から今年度のIKEBUKURO LIVING LOOPの活動が始まるが、正美くんたちと共にマーケットを通して居心地の良いまちづくりをしていきたい。

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