見出し画像

地層をめぐる推理

思い起こすこと40年。
小学校の理科の時間。地層を描く授業があった。
校外の地層の見える場所でスケッチした。その時の層をなす絵を描くのが楽しかった。

絵を描くのは苦手だった。人の絵や景色の絵など描いても思うように描けない。しかし地層の絵は楽しかった。
微妙に変化する地層を細かく塗り分けた絵は美しくできた。

その思い出が心に残った。

その後、地学に対する興味はあった。大学で経済を勉強しつつも、教養でとった地学の授業は楽しかった。勉強は楽しいなと思った授業だった。

それから数年経って、カナダに留学するにあたって勉強したかったのは地学だ。“Earth science”

大学に編入して勉強した。

その中に地層の勉強の授業があった。校外学習と座学が半々で、地層を見に行っては、その成り立ちを考えレポートにまとめる。

現場では、磁石と角度を図る道具を使って、表面に出ている地層を分析する。地層に含まれる岩石の大きさや成分、角度を測る。
教授が、距離の離れた地層のつながりについてヒントをくれる。場所によって地層の角度が違う。それから、地域の地層の地図があり、それを見て、どの地層なのかを考える。
地上では途切れているが何が起こったか推理する。

ここが隆起して地層が切れて、時間の流れとともに大半がなくなっている。
教授は、その推理にそれなりの根拠があれば、間違っていても点数をくれた。

楽しい授業だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?