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ファブリックの種

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nonohananoteオリジナルファブリックのイメージソースとなっている原風景をデザイナーが綴ります。
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記事一覧

Vol.7 フクロウ

私は羊毛で作った動物をケモノと呼んでいる。毛物で獣だからだ。 完成したケモノを外に連れ出…

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Vol.8武蔵野

東京生まれの東京育ちなのだけど、そうとは思えないと人にいわれる。 さらには森に住んでいる…

Vol.1 種を採る

nonohananote(ののはなのーと)綾さんと私のふたり、愛知と東京、離れた場所に住んでいて普段…

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Vol.2 海釣りへ

釣り好きな父に連れられてよく海へと出かけた。私は釣の楽しみ方がまだ分からないほど幼くて、…

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Vol.3 船

小学4年の春、進水式に呼ばれた。家族ぐるみで仲良くしていたKさんが、小さな白いクルーザーを…

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Vol.4 カモメ

「次は夏向きのテキスタイルプリントを作りましょうね」 メドウフラワーズの展示を終え、そう…

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vol.5 黄色

「ウミトカモメ」のデータを入稿してホッと一息ついた。私の仕事はここでひと段落。 テキスタイルプリントにはカラーバリエーションがあるといい。肌や髪の色、瞳の色のタイプに合わせて少なくとも二種類は欲しい。けれど今回は予算の関係もあって、服地の色展開は次の機会を待つことにしてハンカチを二種類作ることに決めた。 「無理せずに、ゆっくり焦らずいきましょう」 それが二人の合言葉。 「もう一色作るならイエローベースがいいね」 近い将来に作る服地のことも考えてハンカチの色を選ぶ。茶色い瞳

Vol.6 フェアリーリング

雨雲と競うようにキャンプ場へ着いた。日はすっかり落ち切っていて、とうとう雨が降り出した。…

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