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貴子永遠

きことわ。
『きことわ』を読んだ。朝吹真理子さんの。
2010年だったか2011年だったか芥川賞受賞作。
本当にたった今読み終えたばかりだから、感想は少し整理してどこかに書こう。
それで、記憶の不確かさのようなものが溶けるように曖昧な文体で表現してあって、
先日に、久しぶりに会おうかと何年も前が最後のやりとりとなっている知人のLINEを探して開いて、この人とはどんなことをして遊んでいたかしらと会話履歴を見たなら、以前どうやら一緒に映画を観に行っていて、チケット取れました! なんて予約画面の画像を送ったりしていて。
しかしわたしの記憶の中ではその映画ははっきり別の友人と観に行ったことになっていた。
もの忘れとも違う明瞭な記憶の齟齬に驚いて、LINEも思わず閉じて、結局連絡はしていないまま。
オカルト話で、突然ある日を境にクラスメイトA君のことを自分以外の誰も憶えていなくて、現世にいない人になっていた。なんて、よくある気味の悪い話だけど、案外「記憶違い」の範疇で結構ありうる話なのかも。夢と混ざってしまったりね。

朝吹さんの一作前、デビュー作も気になるな。
粗筋を見ると、独特の文体が活きていそう。
女流作家さんの女性らしさのある作品がかなり苦手だから、珍しい気持ちだ。
女流作家さんの女性らしい小説で、はっきり好きだと言えるのは今のとこ、岡本かの子だけだ。2人目になるかな。

今日は日比谷で道をきかれた。
道をきかれたとき、うまく答えられると嬉しい。うまく答えられないと1日落ち込んでしまう。うけた期待に応えられないのは、とても悲しくて悔しい。
今日は、わりとうまく案内できて、お互い笑顔で別れることができたから、気分がよかった。
久しぶりに履いたショートブーツでマメができた。

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