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1月13日

雀の頭に餌を貼り付けて待ちましたが、あいつらは待っても待っても来ません。
そうこうしてると、長い時間がたって雀の頭が錆び始め、ようやくやつらは血の匂いがするとやってきたのです。

というナレーションの入る夢を見ていた。
雀の頭はいつしか鉄球になっていた。

とても寒かった。
いちおう、初雪が降ったらしい。
カーテンを開けて何度も窓の外を見たが、初雪は確認できず。
夜の散歩では整備されたばかりの歩道が濡れて黒く光っている。
それを見て、本当に、いちおう初雪が降ったのだなと思いかけたが、ここ一帯の舗装されたばかりの歩道は最近毎日のように黒く艶めいている。
きっと流し込んだばかりの道路というのはマグマのように熱くって、それを冷ますために水を撒いているのだと勝手に決めつけている。
焼け石に水。
背中に大きなボトルを背負ったコンクリート車は、中のコンクリートが固まらないように回転させ続けているということだけど、ということはあの中も灼熱なのかなと考える。
あの回転ボトルの中がサウナみたいに熱いなんて、何だか間違っている気がして、やっぱり道路が黒く濡れているのは初雪のせいかと思う。

最近読んだアガサ・クリスティーの本の翻訳と江戸川乱歩の翻訳……というかこちらは翻案、がとても易しく分かりやすかった。
いま、直訳に近いのか回りくどい翻訳がとても読みにくい海外文学を読んでいて、尚更そう感じる。
今まで翻訳家さんのおかげで海外文学もそれと気にせず読んできたけど、最近になって翻訳小説の陰にいる翻訳家さんの存在や、翻訳小説というものについて思いを馳せる。
翻訳することで、何が死ぬのか、とか……。
さらにその前、思えばとても久しぶりに日本の文学を読んだ、きことわという。
それにより、文芸というのは、文学の芸術だということを、思いだしたのだった。
日本に生まれ、日本の言葉をつかっておこなう、芸術だということを。
これは、書いたか。

死が近づきすぎてピントが合わず、気づきにくい、何事もそうであるけど、近づきすぎてピントが合わないのは。
全ての意味が解けて、意味がわからない。
たとえば好きなもの、好みとか、そうすると嫌いということも、
眠ったり食べたりするのを何を当たり前のように毎日おこなっているのか、すべての物に当たり前のように呼称、名前がついていることとか、
考えるでもなく受け入れていたことの意味がわからない。
こうして全ての意味が解けて、毎日人間たちが何をしているのかわからなくなることは以前からたまにあったけれど、今回はとても 長い。

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