４月１４日今日好きだと思ったもの

今日好きだと思ったもの。

鼈甲色のボトルに鮮やかな青い洗剤を詰め替えたら、砂浜のガラスみたいに濁ったこと。
新しく封を切ったドリンクの、パイナップルの香り。
ラジオの向こうのいつも通り生気の弱い適当な話し声。
時間が足りないと思うこと。
明け方走りに行ったら、鳥獣や虫や川や風のなき声が聞こえる。
明け方走りに行ったら、暗い時間では見つけられない面白い形の木を朝日に観察できたこと。
次にやりたいゲームのジャンルに思いを馳せた。
風呂場から脱衣所に出たら、台所から晩ご飯に買ったマクドナルドのにおいがしたこと。
愛用の丸い皿が割れてとても悲しかったけど、真ん中から真っ二つの様子がいずれも月のようで美しかったこと。
炭酸水ののどごし。
冷蔵庫を開けるたび、昨日蜂蜜に漬けたレモンが目に入ること。
コンビニで商品を見てるとき横切った人がした軽い会釈。
ラジオの特集を聞いて、昔のことを夢のように思い返したこと。
悲しい気分を読書で紛らわそうとしたこと。
悲しく苦しい気持ちを抱けること。
雨の予報がずれ込んで走りに行けたこと。
旅行の行き先を思うまま描いて、その地のさまざまな気温の空気を想像したこと。
現地で海外の言葉を音楽のように聞いている想像を、したこと。
やりたいことをうまくできないと思うこと。
ラジオから流れるエピソードに烈しい独り言が飛び出して、自分が強く憎む嫌いなものをひとつ自覚したこと。
ライフイズストレンジ2 というゲームのことが自分が思うよりずっと心に残っていて、思い出すたび感じられるえもいわれぬ苦しい気持ち。

今日はどちらかと言うとよくない気分の、何も無い日だったけど、それでも良いこと嬉しいことを思い返して挙げていけばそれなりにこれだけは、ある。
そして悪い気分だったことを良い気分だったこととして挙げると、そう言われてみると、そういう角度から見れば、良いことだったと思えてくる。