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『鋼の錬金術師』における等価交換について考える

荒川弘『鋼の錬金術師』に描かれている<等価交換>の原則は作中の以下の表現から説明されている。

「何かを得ようとするためにはそれと同等の対価が必要って事だ」(第一巻)

「人は何かの犠牲なしには何も得ることができない」(最終巻)

最愛の母を亡くした兄弟が、錬金術により母の命を取り戻そうとするが、無から何かを生み出す事はできないという等価交換の原則の通り、兄は片腕と片脚を失い、弟は魂だけが残り肉体全てを失う。人体錬成は禁忌とされており兄弟はその掟を破ってしまったのである。

この等価交換の原則から私の感じた事は以下の通りである。

何かを得る為に何かを失うのが等価交換ならば、何かを失った時何かを得ていなければ辻褄が合わない。


 これまで短いながらも人生を歩んできて、私はたくさんのものを得て、たくさんのものを失ってきた。

失ったものの代わりに、得るものがあるのならば、失う事を恐れずに済むのではないか。

等価交換の原則を、私は信じたい。


使用文献  荒川弘『鋼の錬金術師』(ガンガンコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B002CZPI80/ref=cm_sw_r_cp_api_i_1XkXEb45JNXZF


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