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純文学賞に応募する小説の書き方について

 中年男性というのは嫌われる存在なのかなと思っている。属性がそもそも嫌われるのかもしれない。セクハラだのパワハラだの、したことなんてないし、そんな話を聞いたこともないが、ネットの中では中年男性がセクハラだの、パワハラだのをしているという投稿を多く見る。このご時世でもやってる人がもしいるならアホだろと思う。これだけの量がすべてホントかはわからないけど、本当の物もあるんだろう。私は若いころから含めてセクハラもパワハラもしたことないし、若手の方から逆に色々受けてる身だから、信じられないところもあるけど、苦しんでる人がいるのなら、ぜひ、中年男性という属性で嫌わらないでほしいというのが思うところである。

 わたしの小説は中年男性の憂鬱をテーマに書いてる。わたしのこと?と思うかもしれないが、若いころからそのテーマだったので、テーマが今のわたしの追いついたのかもしれない。
 基本的には、騙された話がメインです。リストラ候補になるとどうなるのか、窓際社員とは何か、という話を書いています。すべてがマッチした時に一度いいところまで行ったんですが、どこか自分をカッコよくしちゃったり、この情報が外で出てしまってよいのかという配慮が受賞を逃したところなんだろうと思います。
 そもそも、フィクションなのだから関係なんだけど、小説を書いていると、フィクションなんだけど、あたかも本当にあったかのような感覚になるので、小説が完成した時も傑作だという気持ちと、これが出て大丈夫だろうかという気持ちのせめぎあいがある。
 最近は大丈夫かという気持ちが大きいので困っている。今回はそれをすべて取っ払って突き抜けていこうと思っている。

テーマ回収:純文学賞に応募する小説の書き方について
これは、大丈夫だろうか?という気持ちを捨て去り、作品として完成させることだ。

以下、例を載せる。
捨て去る前:
 彼女が逝去した。死ぬときは一緒になんて話してはフフフとあははと笑いあっていた。一年でも長く生きようねと笑いながら僕の右手を触る彼女は右頬にだけえくぼができる。それを見るとたまらなく切なくなる。胸が苦しくなるから、彼女を抱きしめて、僕より一秒でも長く生きてほしいと言って泣いた。
 彼女が事故にあったと連絡を受けたとき、トイレに行っていた。知らない電話番号からの電話。かけなおさなかったのは、少し前に間違い電話をしてしまったからだ。

捨て去った後:
 彼女が事故で入院をした。ドキドキしたけど、すぐに駆け付けたかったけど、事故で入院だったら、少し後でもいいかということが頭をよぎった。ちょうど仕事が佳境だったからかもしれない。