身体のメンテナンスが健康の要: 身体が持つ「天然の薬」とは

▼八木亜希子さんを襲った繊維筋痛症とは?

この病気は、あらゆる外的刺激を痛みとして感じるため、患者によっては想像を絶する激痛に襲われることもあります。同時に、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴うことがあります。

病気の原因はストレスという説もありますが、まだよくわかっていません。

しかし、痛みを脳に伝える神経や痛みのシステムに問題のあるとされています。すなわち、特段の痛みの刺激がないのに、痛みの神経が興奮し、アクセルが踏まれてしまう、辛い難病です。

▼身内を診てほしいと頼まれました

私のお客様から身内が繊維筋痛症と診断されなかなかよくならないので診て欲しいと頼まれました。

個人情報なので詳細は控えますが、仕事上のストレスが引き金になったと考えられます。それはある日突然の出来事で、背中や肩に激痛が走ったとのことです。

不眠にもなり、睡眠導入剤を服用しても途中で何度もおきてしまう、睡眠時間は3~4時間の状態。脳疲労も起こしていると考えられます。脳疲労を起こすと通常の痛み以上の痛みを感じることがあります

背骨のサブラクゼーション(ズレ)や筋肉が痛みの原因ではないので、カイロプラクティックの技術では激痛は取り除けないと思いました。

ただし身体の歪みを治すのは睡眠にはプラスになるので、痛みが生じない程度にカイロの技術を必要最小限に使うことにしました。

▼セラピストとして:天然の薬を増やせ!

ストレスが引き金になっているため、リラクゼーションの技術を使い、自律神経を整え、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにし、良質な睡眠が取れるようにすることがキーポイントと考えました。

そひてヘッドマッサージを行うことにより、施術中に副交感神経を優位にして短時間でも深い睡眠に持っていくこととしました。資格を有した認定ヘッドセラピストであれば多くの場合、施術開始から10分以内に深い眠りに入ります。

このお客様は肩周りを触ると強い痛みが走りましたが、すぐに「幽体離脱のような感覚」(お客様の弁のまま)になり痛みを感じなくなるとともに、深い眠りに入ったようです。高々30~40程度の眠りですが、通常の眠りとは明らかに違うとの感想を述べられていました。

ヘッドマッサージ等をすると、セロトニンという「幸せホルモン」が増えると言われていますが、その作用のひとつとして、痛覚抑制機能があると言われています。

すなわち、痛みを脳に伝える途中にセロトニンがその痛みをコントロールすることが知られています。

▼セロトニンとメラトニン:日中は太陽光を浴びて、夜はスマホを控える

セロトニンは太陽の光を浴びたり、リズム運動(ウォーキングなど)、腹式呼吸、咀嚼などをすると増えると言われています。これを毎日、持続的に実行することにより、恒常的な痛みを抑制できることが期待されます。

セトロニンが増えるとこれを材料とするすメラトニン(睡眠に不可欠)が増えるので、良質な睡眠にもスムーズに移行できます。

ただし、夜はアナログ的な生活をし、早めに部屋を暗くしないとメラトニンの生成は阻害されます。お客様には枕元までスマホを持ってブルーライトを浴びるのはやめた方がいいと指導しました。

以上のセトロニンとメラトニンの知識は、12月初旬にセロトニンDojoの有田先生の短期認定講義で得たものです。

▼今後

まだ、診て間もないですが、少しずつ、ゆっくりですが痛みの頻度や痛みの程度が軽減されてきています。症状に着目するのではなく、原因を取り除いていくことが大切と思っています。

人間にはセロトニンだけでなく、本来、身体に「天然の薬」を持っています。これが便利になった生活習慣で減少傾向にあると言われています。施術と生活習慣の指導で天然の薬を増やして治療の幅を広げたいと思っています。

身体を作っているのは食べ物であるため、栄養指導も行っていきたいと思っています。このお客様は朝を食べない習慣があったため、朝食の大切さもお伝えしました。

▼日頃の身体のメンテナンスが健康の要~将来寝たきりにならないように~

医者や薬に頼らず、身体が持つ自然治癒力を引き上げることが健康の秘訣。アメリカで解剖実習を行いながら解剖学を学んで、人間の身体の機能のすばらしさを実感した経験からです。

この機能を最大限に活かすためには生活習慣(食生活、生活リズム、運動、仕事の仕方、姿勢など)を見直すことと、身体のメンテナンスにある程度の投資を行うことだと私は思います。

メンテナンスしない車の寿命は短いですね。車は法令で車検が義務づけられており、部品交換も容易にできます。しかし、人間の場合、健康診断は義務づけられていなくて、しかも臓器や関節などを簡単に交換できるものではありません。だから自分の身体は意識を高めて自主的にメンテナンスしなければならないのです。

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