その後の話

[いよいよ明日から入院です。別に命に関わることでもないと言われているけれど何が起こるかわからない。正直、私の腫瘍は脳に繋がる太い血管を飲み込むように出来ているので、全部摘出するのは難しいみたいです。もし、ギリギリを攻めてその血管を傷つけてしまったら…そうです。たぶんみなさんが想像しているようなことが起きます。なので、たぶん、その周りの腫瘍は残して、安全に取れるところだけ綺麗にするみたいです。そして、ゆくゆく、放射線治療が始まり、腫瘍が大きくならないことが確認出来次第、成長ホルモンの方の治療が始まるそうです。[手術したら終わり]じゃねぇ笑。なんなら始まりです。くそーなんでそんな目に合わなきゃいけないんだ。ちくしょーーーーーまぁ、人生楽しんできたからね…ワガママもいっぱい言ってきたし…バチが当たったのかなぁ。まぁいいすよ。このくらい。これ終わったら楽しいこと待ってるんでしょ?知ってるー!!]

そんなことを綴って載せることなく手術に向かい、

[手術してから2ヶ月。仕事復帰して1ヶ月が経ちました。どうも、おたくです。]

と、追加しながらも未完成のまま放置していた私です。ひとまず近況報告の前にその未完成な追記を完成させますね。

無事に日常に戻ってきました。今思うといい経験だったなぁとか思ったり。まぁ経験しないに越したことはないんだけど。いろんなことに感謝して、いろんな当たり前が特別に感じたりして。いろんなことの感じ方が少し変わった気がしています。

退院から手術まで

前回の検査入院から次の入院までの1ヶ月は普通にお仕事してました。ごりごり。体調が悪いとかもなくて、ただ目が見えづらいだけだったので、とにかくコロナにかかりませんようにと願う日々。
その間に麻酔科の受診がありました。退院までに先生に会うスケジュールが取れず[私が別件でうろちょろしてる間に来てくれてたすんません]入院する日に予約が入ってたんだけど、やっぱ手術前日はちょっと…ってそりゃそうだよね笑
人生初の全身麻酔。恐怖しかない。途中で切れたりしないのか。割とアレルギー体質なので大丈夫なのか。とかとか。アレルギー体質なのはひっかかるけど、まぁ大丈夫!それに、途中で麻酔切れる様なことがあったら、麻酔科の医師がすぐに気付くので安心してください!と笑われました。そのくらいでちょうどいい!笑ってくれた方が安心する!あとは全てお任せするのみ。うす!

2回目の入院と手術

そして入院の日。またコロナの検査をして病室へ。今回は廊下側。前回よりも長い入院になるので絶対に窓側が良かったんだけど、それもこれも[運]今回は窓無し生活。でも、シャワー室は隣だし、忘れ物してもぴょいっと取りに行けるのでラクでした!

手術前日でもあったわけですが、まぁこれと言ってやることもなく。ご飯食べてぽやーっとして1日が終わりました。なんやかんや思うこともあり、死なないけど可能性はゼロじゃないから、なんとなく言いたいことはSNSにぶちまけてみたり。だって私まだ翔太くんに会えてないんだもん。滝沢歌舞伎の当落前。手術終えて目を覚ましたら当落日。絶対に元気になって会いにいくんだから!オタクの生命力はとにかく強い!(私調べ)

ほいで当日。朝8:30だったかな?そこまでに準備を済ませて看護師さんがお迎えに来てくれました。歩いて手術室に向かいます。元気なんでね。徒歩っす。エレベーターで一緒になった数名。10歳くらいの男の子もいたの。どんな治療をするのかわからんが、こんな小さな子がこれから頑張るのにあたしゃ弱音吐いてらんないよ!と勝手に仲間意識が芽生える。[みんながんばろうな!]と思いながら手術室までまた歩く。なんだろう…性格なんだろうけど、なんか盛り上げなきゃ!って思って「うわ〜TVと同じだ!まじで手洗うところあるんすね〜」なんてはしゃいでみたりしてた。(※別に盛り上がる必要ないです)到着すると主治医(執刀医)の先生やらたくさんの先生方がスタンバイ。名前を言って手術台にGO!もうここからはポンポンポーン!ガンガン進みました。寝転がったら酸素マスク付けて「麻酔入れていきますね〜」今朝取ったルートから麻酔投入。痛い。めっちゃくっちゃ痛い。いてぇ。あちぃ。腕が燃えるんじゃないかってくらい熱くて痛い感覚。とにかくいてぇんだわ…でも何故か冷静で。[言おうかな…いや麻酔なんだからこの痛みさえわかんなくなるっしょ]なんて考えてるうちに意識飛びました。麻酔ってすごい。

「…っ!◯◯さん!終わりましたよ〜今ね15:20。これからICU行きますね〜」

遠くの方で聴こえた声。8:30から始まった手術。4時間って言われてた手術。7時間かかったみたいです。めっちゃ大変だったんじゃん!!!先生ありがと。。。そもそも場所があんまよくなくて全部取るのはむずかしいかも…との話でしたが、まぁその通りで、ちょっとチャレンジしてみてくれたみたいなのだが危なそうだったからそのまま危険な部分の腫瘍は手をつけず、イケる限界まで取ってくれたみたいです。ありがとう。先生ありがとう。めちゃくちゃ重要な血管まわり。もしそこに傷がつきでもしたら、いろいろマズイ可能性もあったので、最善を尽くしてくれて感謝しかないのです。ありがたい。

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そして寝て起きて寝て起きて。1時間おきに起こされます。その度に名前と生年月日を聞かれます。それと共に「ここどこかわかる?」やら「今日何日かわかる?」やら。これでまた実感します。あぁ本当に脳腫瘍の手術したんだなって。記憶障害の可能性とかもあったんだなと。ちゃんと答えられたし割りかし冷静に自分の状況は把握できてた。よかった。ただ、この一晩がとにかく辛かったんだよなぁ。私は目が見づらかっただけで体はピンピンしてたし、めちゃくちゃ元気な状態から手術してるので、術後のダルさにビックリしました。なんてったって呂律が回らない。名前を言うのも一苦労。頭ではわかってるのに言葉にして発するのがしんどい。蚊の鳴くような声で絞り出す。ずっと気持ち悪い。鼻から口に流れる血を吐き出すように言われてたけど上手く出来なくて飲み込んだあげく吐くの繰り返し。壮絶。途中で何故かはちゃめちゃな尿意に襲われる。管通してあるからトイレ行かなくていいはずなのにめちゃくちゃ行きたい。漏れそうな感覚。でも管…を延々とループ。だって私はナースコール押す勇気も無ければ喋る元気もない。もうなるようになれと諦めたら今度はなんだか頭から何かが垂れてくる感覚。でも私目が悪すぎて眼鏡も貰えてない状態だったから、その頭から垂れてくるのが見えなくて何かもわからない。これが朝までずーーーっと。寝て起こされて吐いて寝て起こされて吐いて朝が来た。朝だ。朝が来た。これが妙に嬉しかったのを覚えてる。

朝が来たら看護師さんが体を拭いてくれて朝ご飯が来た。いや食えねぇだろ。と心の中でツッこんだところでどーにもならない。食べたら早く元気になるかなとか安直に思ったけどまぁ食べれない。私でも食欲なくなることはあった。少しだけ食べてみたけどそのまままた瞼が落ちる。と、チームの先生が様子を見に来てくれた。たぶん当直だったんだろうなぁ。去り際に「1個だけお願いしてもいいですか…」とうがい受け容器をドクターに頼んで取ってもらうなど。まじで失礼なお願いして申し訳なかったのだけど手元にない不安感がもう限界でした(結局吐くことなかった)

そんなこんなでここからの回復力が凄まじい。もうお昼には一般病棟へ戻りました。車椅子初めて乗ったな。一般病棟に戻って昼食。半分食べたら点滴抜いていいよ!って言われてたので半分食べた。どーしても点滴抜いて欲しかった。半分食べたから点滴抜いてくれ!と交渉してあれよあれよと自由の身!数時間前まで1人で身体起こすことも出来なかったのにもう1人でトイレにも行ける!人間ってすごい!!

そして色々考えたんだけど、強烈な尿意は術後よくある尿量増大する副作用(?)だったもよう。めちゃくちゃトイレ行きたい!って思ってた時に、尿の量が多いので止める注射を打ってもらいました。そしたら落ち着いたので、もろこれが出てみたい。そして頭から流れていた何かは、手術する時に頭が動かないように固定していたところが傷になっていて、その傷から血が流れていたんだと思う。しばらくして髪の毛触ったらスチールウール並みに絡まっていて。なんでやねんと思ったら血の粉みたいなんがポロポロと落ちてきたので、たぶん、流れた血が固まって髪の毛も一緒に塊になっていたのでしょう。痛くも痒くもなかったし、頭痛も入院中1度も起きなかったのでそれも本当にラッキーでした。

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一般病棟に戻ったその足でMRIを撮り、あとは基本的に毎日自分で鼻の下に当てたガーゼを取り替える日々。これがないと謎の液体(普通に血だろうけど)がだだ漏れ。両鼻にガーゼが詰まってるので口呼吸のみ。私はダイビング出来ないレベルの鼻呼吸の亡者なので、めちゃくちゃ不安だった一つがこれでした。どーしても鼻で呼吸しちゃう。溶けるガーゼを詰めてくれたおかげで、噂の激痛ガーゼ引き抜き祭は逃れたものの(たぶん、これに関してはガンバレルーヤのよっちゃんが体験してたかと)夜中「フガッ」ってなって焦って起きる毎日でした…(なんてことないけど鼻呼吸しないで!って言われてたのにしちゃってたから焦りまくり)私の場合は調子がよかったので5日くらいで固まりのガーゼだけ先に取ってくれました。ビバ鼻呼吸!やったぜ鼻呼吸!!その頃にはすっかりガーゼ捌きが上手になってました◎

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順調に負荷試験も終え、あとは退院まっしぐら!と思っていたところでまさかのストップ。ナトリウムが足りなくて退院できないトラップ。。。なんやねんそれ。。。水分の摂取を1日1リットルにして全て記録。トイレに行っても記録。低ナトリウム血症も後遺症の1つ。梅干し食べろと言われたけれども私梅干し食べれないもので…(売店でおせんべいこっそり買って食べてたよ)あとちょっとなのに…で結局上手く戻らず3日くらい退院延びました(ちーん)

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そんでついでにご飯食べてる時から調子悪かったんだけど、巡回で来てくれた先生にはなんとなく元気に振る舞ってしまい、そのあと割とすぐトイレでめちゃくちゃ具合悪くなって。でもこれは年に1回くらいある、めちゃくちゃお腹痛くて気持ち悪くてぶっ倒れるやつだ!と思ってしばらくすれば治るってわかってたんだけど、状況がいつもと違うじゃない。病院なのよ。なのでどうしようかめちゃくちゃ悩んで結局ナースコール押しました…本当にすみません…すぐに来てくれて(土曜日で看護師さん少なくて大変なはずなのに4人くらい来てくれた本当すみません泣)顔面蒼白の女がトイレでぶっ倒れそうなもんだから大騒ぎ。血糖値測って血圧測って熱計って。こっちはもうお腹も痛いし気持ち悪い、よくなるやつだし。よくこの症状になるってことだけは伝えて、それでもやっぱ術後なものでベッドに戻ったら巡回に来てくれた先生来てくれて。先生もさっきまでお前元気だったじゃねーか!状態だったと思うのだけど(申し訳ない)心電図とかも手配してくれて、退院目前にめちゃくちゃ迷惑かけてしまった。。結局血圧はめちゃくちゃ低かったけど、血糖値も正常だし心電図も綺麗で[迷走神経反射]じゃないかということに。そうなの、私ちょいちょい昔から迷走神経反射でぶっ倒れるんです。でもいつもは家にいるときだけだったから…なんかもう外出とかも不安になるよね…外でもなるんだこれ…上手く付き合わないと。。。

と、こんな感じで最後にご迷惑おかけしまくりのち退院し、しばらく実家でゴロゴロしておりました。まぁ術後の当落は見事に散り、手術は成功。視界も良好。なのにただただメンタル崩壊でもうどしたらいいのーーーーーーーという状況でございました。でもきっと今はゆっくり休んでね!と言うとこだと出来るだけポジティブに(じゃなきゃ本当無理)考えて落ち着いたり、引きずったり、翔太くんに会えないなんてーーーー泣 な日々を過ごしておりました。

そしてまたなんやかんやあって入院します。

またお付き合いいただければ。

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