見出し画像

久しぶりのオムライス風オムライス

子供の頃、料理番組を見て私は感化されてしまった。
自分と同じくらいの子が料理を披露しているシーンを見て、私も料理マニアになろうと思ってしまったのだ。
単純だな、自分よ。
あれは小学……何年生かはもう覚えていないや。

とにかく私は料理に目覚めた。
両親が仕事でいない土曜日の夜は私が作っていた。
だがそんなにはレパートリーがなくて、シンプルなものしか作れなかった。

ハンバーグ、カレー、あとは豆板醤を使った辛い料理。
チャーハン、オムライス……みたいなもの。
限られた食材のなかで作るのは難しいと子供ながらに思ったものだ。結局私は、さきほど例にあげたハンバーグ等のメニューを代わる代わる作るようになっていった。

その中でも恐らく割りと作っていたであろう、
オムライス風オムライス。

これは卵をスクランブルエッグのように炒めて、ただチキンライスの上に載せただけである。
(この時トマトも一緒に炒めるのがポイント。)


オムライス風オムライス

実を言うと私は卵料理が苦手である。
美しく卵を巻くのが凄く苦手だ。
卵をキレイに割ることでさえ苦手だ。

そんな私にとって特にオムライスはレベチな料理である。
卵を破らないように包むのは至難の技だ。
だからスクランブルエッグ状にした。
ね、簡単でしょ?

これはこれで美味なのだ。
それにトマトの酸味のおかげでさっぱりテイストになる。

作りやすいし、しかも美味しい!
なので、だんだんこればかり作るようになってしまった。

ある日、
「もっと他のものも作ってよ」
と両親に注意されてしまった。
そこから私は料理に対して急激に興味を失い、作るのを辞めてしまった。(笑)

だがこうして大人になって、また料理と向き合うことになる。献立を考えるのは本当に難しい。
この前、あまりにも材料がないので、久しぶりにあのオムライス風オムライスを作った。

母が
「これ美味しいね」
と言ってくれた。

しかし母は、
私が小学生の頃あんなに作ったオムライス風オムライスを初めて食べるような顔をしながら、味を噛み締めていたのであった。

…苦笑いをするしかなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?