いめ 1
・子供の声
N区のアパートに住んでいた時の話。
休みの日に昼寝をしていた。ウトウトとしていたけど、半分脳みそが起きている状態だった。
すると。
ドタドタと走る音が聞こえてきてさ。
きゃははは。
ははははっ!!
子供の笑い声がして、はっと起きると誰も居ない。
気のせいだったのかな。
だってあの時、私しかいなかったのに。
・着物の女性
私の母は上村松園という画家が好きなんです。
松園の影響で一度、黄緑色の着物をきた女性を描いた事がありました。
それはそれは妙にリアルで、当時の私は子供ながらに少し怖いと感じていました。
その絵は何故か寝室に飾られました。
ある晩私がふと目覚めると…。
絵画の女性が私を見ていました。
そして女性は突然キャンバスから出てきて私の手首を掴むと…そのまま私を絵の中に引きずり込みました。
くすんだ黄色い色。
自分は、くすんでいる世界に落ちていった所で目を覚ましました。
ああ、これは夢だったんだな。
いつの日か忘れましたが、その絵は捨てられました。
・クリアしないと
私が10歳だった頃かな。
あの夢を見たのは。
寂れた遊園地にいたの。夢ってなんか既に設定があるじゃん?
つまりさ、今自分はどういう状態かが分かるというか。
その時の夢の中での設定は、制限時間までにその遊園地から出ないといけなくて、それが出来なかったらまた6歳からやり直ししなくてはならない。
という内容だった。
私は焦っていたけれど、なんとか出口を見つけて遊園地の門をくぐり、振り返って門を見るとおじさんが一人立っていた。
おじさんは言った。
「なーんだ、出ちゃったのか」
そこで目が覚めたんだけど、制限時間内に出れなかったらどうなっていたんだろう?
・これって幽体離脱?
フワフワ。
あれれ?
私…浮いているの?
いつもの、見慣れたテレビ。コタツ。棚。畳。
でも。
いつもより視点が高いような。
薄暗い部屋が急に。
薄暗い黄色、黄緑色と変化して。
フワフワ。
フワ、フワフワ。
あれれ?
私さっきまで寝ていなかったっけ?
どうして浮いているのだろう?
疑問が深まると視界が暗くなった。
パチッ。
あれれ? さっきのは……。
夢?
それとも……?
・悪夢
以前私は少し変わったアパートの2階に住んでいました。そこのアパート、何が変わっているかというと、2階の両端に階段がついていたんです。片方の階段はなんと13階段で、かなり幅が狭くて少し気味が悪い雰囲気がありました。しかもその13階段の隣が私の部屋だったんです。
普段気持ち悪いと思っているせいか、おかしな夢を見ました。
私が母を見送っていて、さあ玄関のドアを閉めようとしたら……ドアの向こう側。
まさしく13階段側から長い腕が伸びてきて、その手が私の腕を掴んで離さないのです。私は遠ざかる母に助けを求めようとしましたが声が出ませんでした。
本当に気味が悪かった…夢の内容でした。。
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