あなたもどうせ、わたしの前からいなくなってしまう

他人をうまく愛せなくなったから、お休みして自分の声を聴く準備をしなければ、と思ってお休みを始めたら、もうどうしたらいいか分からなくなってしまった。

麻痺することで即席の強さを手に入れて突き進んでいけるのに、それができなかった。壊れる瞬間ひとつひとつを言葉にしてしまう癖がついてしまった。泣き方が分からないだけで傷ついてないわけではなかった。

私のまましあわせになるって決めた。お手軽なしあわせで満足できる私ではなかった。そういう生き方をいつのまにかなぞっていた。いつのまにか背負っていた荷物をどう背負えばいいのか分からなくてたくさんもがいた。少しだけ慣れてきた。慣れても変わらない絶望だった。

このまま歩いていきたいし、歩いていくしかないし、どうかどうか私がしあわせになれたらいい。

しあわせになりたい。まだ夢です。つらく苦しく、どうにも慰めがたい現実が目の前にある以上、すぐしあわせになれるなんて思いません。でも、しあわせを諦めたくない、私は生きたい。

生まれてきてくれてありがとうを、生きてていいよを、笑わなくてもいいよを、私が私に言える日までなんとか辿り着きたい。何もかもが私を突き放しているようなあの瞬間が怖い。今までひかりだったものも全てが私の手からすり抜けていくような夜が怖い。私はこれからを生きていくことがとてもとても恐ろしい。

でも、それでいいと思う。どうしようもない恐怖から、私の人生から逃げ出さずに向き合って、なんとか自分を奮い立たせて私を諦めないこと。私の人生の手綱を、私でない何かに任せてしまわないこと。わたしだけは私を見放さない覚悟を決めること。

あなたもどうせ、わたしの前からいなくなってしまう。それは後ろ向きなことでもなく、ただ事実として。人と人の関係だから、そういうものだから。見送ってきた、つないできた関係はどれも大切だったからこそ、運命じゃなかったことがとても苦しい。傷跡がまだ痛むから、もうひとつも傷つきたくないと思う。でもまた誰かを愛してしまう。そんなことの繰り返しだ。受け入れたい。でも引き受けきれない。そのことがひどくつらい。 

ひとりで引き受けていく。もう誰にも、私の苦しみを苦しみとして差し出したりしない。この覚悟をやりきることができなくて、そんなに強くなくて、でもその気持ちがなくなるわけではない。

今度こそ、1人きりで生きたい。孤独を誰かに救われなくていいと思いたい。

生きる決意をこうして書かないと、今にとどまることができないから書きました。絶望の扉をひらいてしまったから、苦しさの端と手を触れ合わせてしまったから、語ることができる言葉を、受け止めることができる言葉を音楽をお守りに、私は明日も生きる。あの夜ひかりの糸口を手繰り寄せた瞬間から、私の絶望に色がついてきらめいて、私の人生の意味としての言葉を握らせてくれた。

ありがとう。私は生きます。あなたの人生の意味にはなれなかったけれど、とてもとても大切でした。あなたの愛も体温も言葉もぜんぶ嘘じゃなかったって知ってるよ。私の愛も言葉もぜんぶ嘘だったとしても、私だけは私があなたのこと愛していたこと知っているから、それでいい。
愛してたよ。

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