一人者の老後。


生涯独身でいる人が増え続けている。
私もその中の一人、戸籍はきれいなまま。

私は、結婚したかったわけでも、したくなかったわけでもなく、無理して結婚するなら一生独身でいた方がいいい、という考えでこの年になった。
五十歳の声が聞こえてきた今は、もう結婚する気はない。

もともと、一人が寂しいとか感じたことがないし、不便だと思ったこともあまりない。
なので、一人で生きることに全く後悔はない。

後悔を感じてないのは今、元気だからであって、年を重ねて人の助けが必要となったときに、<結婚していたら・子供を産んでいたら>と思うときが来るかもしれない。
でも、結婚していても、子供がいたとしても、家族が老後に助けてくれるとは限らないのだ。
だから、人の助けが必要になったときは、公的な何かや、お金でお願いできる人に頼ろうと思っている。

姉のお義姉さんの仕事は人の生死に直面するもので、人間最後は家族に頼らないとならないと常々言っているらしい。
お義姉さんの言うことは間違っていない。
人間は、一人では生きられないのは真実だから。
でも、独身を選んだのは自分だ。
家族を一から作るという苦労をせず、自由な独身生活を謳歌しているこちらから、身内に、老後大変になったら助けてねとは言えないし、思えない。
どうしても助けが必要になったとき。例えば、手術の同意書に署名してもらわないとならないとか、死んだあとのお葬式の手配とか、そういった時は助けてもらわないとならないが。


家族といる幸せよりも苦労を想像し、一人でいることの自由を選んだ私は、やはり結婚に向いていなかったと思う。

ただ、家族のぬくもりを求める人は、やはり結婚するべきだと思う。
前述のお義姉さんは、独身。
家族のぬくもりを求める人なので、年を重ねた今、とても寂しく不安で、老後は実家に助けてもらいたいらしい。
兄弟の家庭は、自分の家庭ではない。
その、別の家族に自分のサポートを頼むのは、とても難しいことだ。

だから、他人よりも身内に頼りたいと思う人は、結婚して自分の家庭を作る努力をした方が良いだろう。
もちろん、上手に家庭を作れなかったり、死別したり、子供を作るということを選ばない夫婦もいるだろう。
でも、ずっと一人でいるよりも、選択肢が広がることは確実だ。
リスクが分散できる。

ただ、今さら結婚も考えられず、独身で一人が寂しく、将来を不安に思っているなら、身内だけが頼れる先ではないと気づいた方がいいと思う。
家族がいるのに縁遠い方も同様だ。
距離のある身内より、頼れる他人を頼った方が、お互いにずっと幸せになれるだろう。


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