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野に、咲く。第三話

小学校は福岡の小学校に入学した僕は、何もかもが新しい生活。

離島の幼稚園の卒園式には出席できず、みんなともお別れは言えなかった。

この時、両親は離婚し僕は寺ではなく母と姉と3人で福岡へ移住、

母と姉はアパートで暮らし、僕は学童保育の延長のような施設に入った。

入学式も終わり学校生活が始まる、小さい体の僕はランドセルの教科書が重くて仕方なく

きつかったのを覚えている。 施設から小学校は近かったが、裏山を通りわざと遠回りして

通学していた。 途中に堤があり朝からおどろおどろしい声が鳴り響いている。

『ドゥーン、ドゥーン』 『ドゥーン、ドゥーン』

牛ガエルの鳴く声だ! 僕はカエルが好きでよく捕まえて遊んだ。

ヒキガエルは頭の上に乗せたり、肩に乗せたり、時には話し相手になってもらったほどだ。

『ドゥーン、ドゥーン』 もう俺はここだぜ!と言わんばかりの声に、僕は膝までざっくり堤に

つかり、牛ガエルを捕まえた! 感動の大きさ!A4サイズの牛ガエルを捕まえた!

さて入れ物だが、とっさの出来事ゆえ、容器もなければ袋もない。

そこでピンと来た! A4サイズといえば!  ランドセル!

入っていた教科書はすべて堤へ捨て、空になったランドセルへ牛ガエルを入れ

チャイムが鳴り響く校舎へ駆け込んだ。

授業が始まりソワソワしながらもロッカーにランドセルと共にいる牛ガエルは静寂で

4時限目が終わる頃には存在を忘れてしまっていたのだ。

給食を食べ、昼休みは外で *弓矢を作って遊んだが、(笑)これはまた別の話。


そして、事件は起きた‥

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