月の打点が高い夜

月の打点が高いから
振りかざすその光が
なぜだか遥か遠くに見える

タクシーのヘッドライトは止まったままで
ゆらゆらと ゆらゆらと
僕は未だに紙煙草なんかの煙を吐いて


それでもこの風はなんだかやわらかくて
無機質に優しい深夜2時

チバユウスケが居なくなっても
結論僕のこんな日々は
これといって変わらない

月の打点が高いから
振りかざす月の光が
なぜだか遥か遠くに見える


どうせ誰も彼も居なくなるのに
ゆらゆらと ゆらゆらと
僕は未だに紙煙草なんかの煙を吐いて

眠気の狭間で3時を回った頃
朝が来るのがまだ少し怖いから


月の打点が高い夜
振りかざすその光が
今はまだ遥か遠くに見えたとしても


それならいっそ自由じゃないかと
僕はワルツを流しながらこの夜に
そのまま倒れ込んで眠りたい

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