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質か量か

様々なことに問われる議題ですが、自分なりの解釈をまた垂れ流します。

月並みな結論で恐縮ですが、

どちらも選べること

が大切だな〜と感じています。

ここからは個人的な考えで、メンバーの総意ではないです。
僕からするとOne Eye Closedは、活動開始からこれまで「質<量」という考えでやってきたと思います。
少なくとも僕はそう考えて活動ペース、制作ペースをメンバーやスタッフに提案・実行してきたつもりです。

MVに関しては、初公開のMonsterから均すと1シーズンに1つ以上公開のペースを続けてきたし、ライブの本数からすると多すぎるくらいの曲数(2022年7月現在18曲)を作ってきました。
(現にライブで一回もやってない曲あるしね😂)

語弊を恐れずに言うと「120%のものを年に2回しか出せないのであれば、80%のものを3回出せた方がいい」という思想です。(誤解してほしくないので最後まで読んでください)
現に「もう少しこだわれたらな〜」と感じたことも何度かありましたが、そのケアをすることでリリースや公開が遅くなり、今の半分しかMVや曲が出せていなかったら今こうして出会えていなかった人たちがたくさんいるだろうなとも思っています。

もちろん「80%でいいや」という考えではなく、「理想に近い状態で出す恩恵」と「理想にもっていくまでの時間・労力をかけた際の機会損失」を天秤にかけて、量(=時間)をとる、という話です。
質の優先度を量の次にしているだけで、質をおろそかにしてるわけではないです。

これらのように「質<量」作戦でいった理由としては

①OECの輪郭を自分達で早く知りたかったから
②できるだけ短い期間で成長をしたかったから
③商材を早く揃えることでその後手にできる資産や機会をより増やしたかったから

があり、それぞれ詳しく書いていきます。

①OECの輪郭を自分達で早く知りたかったから

One Eye Closedってどんな音楽性が向いてるの?
どんなの曲が周りの反応がよさそうなの?
どんな感じで曲を作るのが自分達的にやりやすいの?
MVとか準備するときの作業、誰がなに得意なの?

みたいなものをできるだけ早く知りたかったという意味です。

こと音楽性に関しては「こんなジャンルでやろうぜ」というので集まってるわけではなかったので、どんなスタイルの楽曲がOECに合うのか色々作ってみないとわからん→最初は質にこだわるよりたくさん作ることを重視した方がよさそう、という感じです。

標本化できる母数が多ければより知識の解像度あがるよね、という理屈で「最初にいろいろトライしよう」と考えました。

②できるだけ短い期間で成長をしたかったから

なにか新しく始める際、始めた際に「これでバズっちゃったらどうしよう…ワクワク」みたいなマインドはとてもありがちだと思うのですが、幸福なことに裏方にて色々なアーティストさんの立ち上げなどに関わった経験と、自らが凡人中の凡人であることを認識していたことから、
「なにもしてないのにバズった」みたいなことが非現実的な事象だと学習していました。

のでOne Eye Closedも、多少楽器や歌唱がそれなりに出来て、ちょっと言語化しやすい個性があっても、当然「朝起きたら有名になってました」みたいなことは夢見ちゃいけません。

本格的なバンド経験があるメンバーがほとんどおらず、これまでの実績もなく、自分達がどこに立っているのかもわからないバンドとして、
自分達よりキャリアがあって、音楽性という名の武器、安定した活動ペース、既存ファンをすでに確立しているバンドたちと戦っていかなければならないという状態です。

そのためには楽曲やMVの効率的な作り方の学習や、作編曲の振れ幅・引き出しの増長をするために、とにかくたくさん経験することが必要だと考えました。
鬼を確実に倒せる名刀とそれを扱う技術を持っていれば話は別ですが、僕たちはどの武器がどのくらいの戦闘力で、どれなら扱うことができるのか探すところから始めなきゃいけません。

それを「おれはこの弓矢を磨いて磨いて鬼を倒すんだ!」とか盲信して、結局「5年間磨き上げた弓矢は鬼に届かず地面に落ちました☆」みたいな悲劇になったら嫌なので、
「向こう1年間で弓矢も金棒も刀も鎖鎌も銃も全部試そう!」と考えた、という感じです。
一つ一つは浅くなったとしても、どれが自分に合う武器なのか早く知りたかったのと、成長する機会を自分達でブーストすることでより短期間でライバルたちに追いつけるようになろうとしました。

あと一点、
楽曲やMVの作成時に「もう少しこだわりたい」として作業を追加した際には下流工程分の工数が掛け算的に増えます
例えばほとんど完成した状態から「やっぱりこの曲にストリングスを追加したくない?」となったら、

・参考を探す時間
・実際に入れてハマるか確認する時間
・必要あればアレンジや歌メロをそれに合わせて変える時間
・変えたならばレコーディングし直す時間
・ストリングスのトラックをエンジニアに渡してミックスしてもらう時間
・それを確認してイメージを伝え合う時間

などが一気に増えます。

「新しいトラックを作る時間」自体は1時間で済むかもしれません。
でもそれをやることでその後の工程に遅延に遅延が重なり、同時に別の制作を進めていたりすることも往々にあるので、結局リリースは数週間〜数ヶ月遅れることにもなります。
これが歌メロの変更とかになると更にいろいろ増えます。

となると、

・そのストリングスって本当に必要なの?
・そもそも必要だと思うならなんで今の時点で初めて出てきたの?
・逆に今ストリングスいれたとして1ヶ月後聞いてみたら「さらに金管楽器もいれたいね」とか「さらにジャズな感じのフレーズいれたい」とかならない?
・そうなったらそれもまた数ヶ月遅れて入れるの?
・ストリングスだけでも遅れる1ヶ月を新作に使った方がいいんじゃない?

ということになってしまい、
上述の「成長する機会」としての時間をより効果的に使うためにも、理想を追いかけ続けることより、有限の時間内で完成させるという経験とそれがもたらしてくれる量を優先していました。

量とはすなわち短い時間で作ることと同義で、期限を守るということです。
「成長する」という意味合いでいうと、しっかり期限感を守って量を優先することで「この期限の中で自分達が納得いくものを作らなければ」という意識が生まれて(これがマジで重要!)、
同じ時間内で作り出せる質が上がっていく(または同じ質を作り出すのに必要な時間が少なくなっていく)ことになります。

「理想に追いつくまでいつまでも期限先延ばしにしていいよ」だと、相当自分に厳しい人でないとダラダラしちゃうだろうし、いつまでも制作ペースが成長しづらいです。
現にNever Meant Toがフル尺完成してレコーディングも終わっていたにも関わらず、発表まで2年近くの歳月を経てしまったのはそういった悪い怠惰性があったからだと思っています。

2~3年などの長いスパンで見た時に、知識も経験もないド三流時代の大したことない物差しで質を追い求めるより、ある程度成長するまでは量をこなすことで結果的に将来の質を作り出すことができてメリットが大きい、という考えとも言えます。
すごい良いこと言ってる気がする!(自画自賛)

③商材を早く揃えることでその後手にできる資産や機会をより増やしたかったから

これと似てる話です。
公開している楽曲やMVがあることで、バンドの戦闘力や目指してる方向性が客観的にわかります。
つまり、これらの作品が

・見込み客へのアプローチ
・既存客のリピート率向上
・ライブハウスや仲良くしたいバンドへの自己紹介材料
・タイアップしたい先への営業資料

などに繋がる商材になります。
逆に音源が一つも出てないバンドだとどう売り込んでいくの?という感じです。(第三者への攻撃目的で書いていません)

この商材を10日使えるより20日使えた方がお得だよね、というのと同じで「できるだけ早く数を揃えることによって、できるだけ長い間商材として使えるようにしたい」という感じです。

MVが1つより2つある方が、そのものの資産が2倍だし、
営業力も倍変わってくるし、それらによってありがたいコネクションや機会にもより繋がってきます。

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といった理由で、「その時の全力はもちろん出して質に繋げるけど、到達できる質を保証できない時間は浪費しない」という強い意志の元で活動してきました。(繰り返しますが"僕個人として"は)

そしてこれは冒頭に挙げた自分なりの結論でもある「どちらも選べる」状態にしたかったという狙いもあります。

バンド含め芸術をやっている人たちは総じて量<質タイプだと思います。
こだわれるなら無限にこだわりたいだろうし、期限決められるのが大嫌い、みたいな。
なので「質を重視する」という方向へは、僕たちもいつでも切り替えできるはずです。
でも「新曲、全力で取り組むので2年待っててください」といって待ってる人はほとんどいないし、いてくれたとしても他のライバルたちにいろいろと持っていかれてしまう可能性も大きい。
今後決められたタイム感でしっかりこなしていかなければならない機会は往々にやってくるだろうし、
上述した、長いスパンでみた時に量をこなすことで質を出せるようになっておきたいという意図が強くあり、
自分達がまだできない「量をこなす(=時間を守る)」というスキルを身につけて、いつでも質と量どちらにどの配分で優先度をふるかを決められるようなバンドになりたいという意図がありました。

そして以下の記事でもふわっと書きましたが、

One Eye Closedのやりたかったこと、やれるよねと思っていることが先日リリースしたDISTANCEで大体一周しました。
狙い通り量をこなすことで将来的な質を作り出す技術や知見も得られたし、たくさんの振れ幅を実績として出すことでいろんな人との素敵な出会いに繋がりました。

今後は量<質に少しずつシフトしていきたいなと思っています。
DISTANCE出した直後にこういうのもなんだけど、とても愛おしい作品だからこそ、
次のアルバムかEPではさらに何倍も成長した姿を見せてファンの人を驚かせられるようなものを出せたらなと思っています👏

ラテン系もアラビア系も雅楽のような伝統的な日本のやつも東欧の東西が入り混じった不思議な文化圏のやつも、いろいろやりたい音楽が溢れてる!

楽しみにしていていただければ嬉しいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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