【小説】 六時十度三百九m/s その3
超高層エレベーターは、その軌道となるタワーの支柱を中心に、等間隔に十二個設置されている。ちょうどケーキを十二等分した、その円周側にエレベーターが配置されている。そして北側を向いて、全く時計の文字版のようにエレベーターは番号が採番されて並んでいる形になる。つまりエレベーターの一番北は12番で、南が6番になっている。雄太は真南の6番エレベーターに案内され、第一回搭乗者だから、ほとんど待たされることなくその中へと案内された。
エレベーターの中は、エレベーターというよりホテルのエ