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10年と砂上の楼閣


※前回(https://note.com/none_74/n/n8dd5865f2500 )の続きです
※推敲せずに脳直で書いたので支離滅裂

この数年、「ハマったな」とハッキリと言える著名人が4人いる。

一人は、タレント。
彼は10年前が人気の絶頂だった。炎がいつまでも燃え続ける訳では無いように、もうその頃よりも人気は確実に衰えているし、仕事の数もあの頃よりは減っているけれど、それでも根強いファンはいるし、レギュラー番組も何本か持っている。なんなら今日、夏にやるドラマに出るよ〜という告知が流れてきた。嬉しいね。夏まで生きようかと思ったよ。
10年前の人気が異常だっただけで(社会現象を引き起こしたレベル)、むしろ今くらいが本人的にもファン的にも安心出来るのではないだろうか。と思う。

一人は、声優。
仕事の量は10年前からめちゃくちゃ安定している(と思う)。なんなら私は6年前くらいにその人にハマったのだが、ハマるきっかけになった作品で演じていた役がかなりその人にとってレアケースだったらしく、「そういう演技もできるのかお前」みたいな感じで、レアケース路線の仕事もその頃から増えた……気がする。体感だけど。
名前を見ない日はたまにあるけど、でも裏で毎日頑張ってるんだろうな……というのを強く感じられる人だ。

もう一人も、声優。
仕事の量は、むしろ今が絶頂なのではないだろうか。10年前は確かに名前を見かけてはいたけれど微々たるもので、今は至る所でその名前を見かける毎日だ。一時やるソシャゲ気になるコンテンツを調べる度にその名前を見かけて頭を抱えていた。今年で40いくつとかになるけれど、仕事は勿論育児にもゲーム配信にも意欲的で、姿を見る度この人人生楽しそうだな……と思ってしまう。実際楽しくなかったら申し訳ないのであんまり言いたくないけど。
名前をすごく見かけるし、毎日仕事でも趣味でも色んなことをやってて、生きるのが上手いなあと感じる人だ。

そして。
もう一人も、声優。
10年の積み重ねを、1度の過ちで全部壊してしまった人。
10年は砂上の楼閣なのだと。
最初に挙げたタレントがかつて言った「現状維持をすることが1番難しいことだ」という言葉の意味を、教えてくれた人。

2020年だか21年だかに配信された、某作品の10周年を記念したラジオにゲスト出演した時、「10年前は名前が出始めた頃で」と語っていた。
あの時共演したスタッフや、パーソナリティは今、というか砂上の楼閣となった(と判明した)時、何を思っている/たのだろう。
その数ヶ月後だか一年後にそんなネームバリューが、一気に型落ちすることになるなんて、誰が予想していたのだろう。
暢気な平和が、いつまでも続くと信じ切っていたのではないだろうか。

前回の記事を書いてから、どうせ後で苦しむことをわかっていつつも、過去について調べる手を止めることが出来なかった。
ブログを読んだ。
遡ることができる範囲でTwitterのツイートを読んだ。鍵垢からいいねとブクマをした。
インスタをフォローした。
アーティスト名義の曲をサブスクで聴きあさった。
あと、BLでの演技をちょっと聴いた。えっちだった。

声優として、仕事をする人としてのプロ意識や姿勢はめちゃくちゃかっこよかったけど、人として生きるのが下手な人なんだ、と思った。

ブログを読んだ印象だと、めちゃくちゃ仕事人間なんだと感じた。ラジオではあんなに軽口叩いてるイメージなのに。
ものすごく誰かの声をあてるということ、歌を表現するということ、喋ることに対して一切妥協しない、そんな人。
あるアーティストの曲をカバーするとなった際、あんなに忙しいのにカバー元アーティストの曲を全部聴いたとインタビューで答えていた。今となっては嘘かもしれないけど、当時の色んなブログや発言を見ていると「そうしててもおかしくない」と思わせるような気概があった。
自分は声優にも歌手にもなりたいなんて微塵も思わないけれど、もし自分がなりたい側の人間だったら、この姿勢を尊敬し、見習っていたと思う。

けれど、現実はどうだ。
何が「一期一会の縁を感謝するのです。」だ。
そんな一期一会の縁を切るような出来事、お前自らが引き起こしてどうする。
プライベートを盗撮されてどうする。
何がとは言わないけど、未遂してどうする。

この世界は、生きているだけでコンテンツなのだ。
人気者はパパラッチに追われて文春砲とか食らってこうなるし。
インターネットでは毎日誰かの発言が炎上するし。
動物園の動物は毎日誰かに見られるし。
細胞も観察対象として見守られるし。
人でも、そうでなくとも、生きているだけでいつネタにされてもおかしくないんだよ。
そういう覚悟がなかったから撮られたんだろうし、仕事からかなりプロ意識を感じられたからこそ、仕事以外での生き方が下手くそだったのではないかと思った。あとちょっとラジオとかの発言でええんかそれ炎上するかもしれんぞみたいなこと結構あったし…………

10年でどれだけの人と出会ったのだろう。
どれだけの縁を結んだのだろう。
どれだけ人脈を広げたのだろう。
どれだけの人が、失望したのだろう。
彼は、どれだけの人が失望したのを想像したのだろう。

彼があの時死んだ方が、世間的には幸せだったのだろうか。
もっと最悪なことになっていたのだろうか。
こうして今頃になって、自分が苦しむことはなかったのだろうか。
そんなことを、ここ最近ずっと考えている。

自分は今年、22になる。
10年前の自分のことは、あんまり覚えていない。
けれど、地元から離れたこともあり、10年前に付き合いのあった人とはもう殆ど縁が切れている。でも、今でも時折夢に10年前の恩師や友人が出てくることもある。今日も出た。

10年という月日について、最初に挙げたタレントにハマってから、何度も向き合い続けている。
10年後、自分は生きているのだろうか。
10年後、彼らは生きているのだろうか。

生きていて欲しいと思う。
砂上の楼閣となっても、もう一度積み上げることは出来るから。

…………という思想だし、普段ならそう言って話を締め括るところなのだけれども、流石に今回の件は厳しいんじゃないだろうかと思う自分もいるわけで。
かといって、某記事で「『もうここまで来たらYoutube墜ちしちゃいなよ(笑)』というような意見が随所で見られる」みたいなことが書かれていたのだけれど、自分はバーチャルYoutuber、社会人と兼任しながらバーチャルYoutuber企業勢として活躍してる人もいるにじさんじのオタクでもあるので、Youtube=人生から落ちぶれた、社会的問題を引き起こした存在が行き着く場所であってほしくないと思ってるのでめちゃくちゃ憤りを感じた部分もある。
難しいな、人生って。
生きる上でお金は欠かせないけれど、そんなお金を稼ぐのも大変だ。
エントリーシート出した企業、一次選考通ってるといいな。

そんなことを考える零時なのだった。


聴いていた曲: CIVILIAN「正解不正解 - Single」
https://music.apple.com/jp/album/%E6%AD%A3%E8%A7%A3%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E8%A7%A3-single/1538284596


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