過ぎたプロセスをふりかえる(ユーザ調査)

私がはじめてのユーザ調査をやったときをふりかえる
あらためてユーザ調査について調べてみる
あのときどうするべきだったのかを再度考えてみる

私がはじめてのユーザ調査をやったときのことをふりかえる

あのときやったこと
①スクリーニングアンケート
②インタビュー対象者決定
③インタビュー内容設計
④インタビュー実施

①スクリーニングアンケート
このときの想定ユーザはこんな人

社員のなかからこの条件に該当する人を見つけるためにスクリーニングアンケートを実施することにしました。
作成したアンケート項目はこちら。

1.入社年次を教えてください
2.等級を教えてください
3.いずれ上の等級に上がりたいと思いますか?
4.いずれ管理職またはマイスターになりたいと思いますか?
5.結婚したことがありますか?
6.結婚しても働き続けたいですか?
7.現在子育て中ですか?
8.お子さんの年齢はいくつですか?(例:3歳と1歳)
9.時短勤務や残業制限申請をしていますか
10.いつか子どもが欲しいと思いますか
11.子どもが生まれても働き続けたいと思いますか
12.ずっと働き続けたいと思いますか
13.弊社で働き続けたいですか?
14.その理由を教えてください
15.その他に、何かご要望、ご不満、ご意見等ございましたら、記載いただければと思います。

作成したスクリーニングアンケート項目

前段の選択肢によって次の質問が変化するようにMicrosoft Formsで作成しました。
15番のそのほかに~の部分は、先輩に付け加えていただいた項目ですが、インタビュー対象者を絞り込む上で一番参考になりました。この項目を書いてくれるというだけでも仕事への意欲(または女性活躍推進として働き方を変えてほしいという意思)が感じられるので「もっとこの人の話を聞いてみたい!」と思いました。

②インタビュー対象者決定
アンケート回答を見て想定ユーザに考え方が近い人を4名ピックアップしました。特に参考にした項目は入社年次・昇進意欲の有無・時短の有無・弊社で働き続けたいかどうか・フリー記入項目でした。子ども何歳か・結婚しているかどうか・いつか子どもが欲しいかどうかは、今思い返すと全然参考にしなかったような気がします。「なんのためにその項目をいれるのか」を次スクリーニングアンケートする機会があればちゃんと考えましょう…。
今回は部署も年次も違う4名にインタビューすることに決まりました。

③インタビュー内容設計
インタビュー内容設計は次の手順で行いました。
1.  聞きたいことひたすら付箋に書く
きいろ:私
オレンジ:先輩

ここではクローズド質問になっているものはオープン質問になるような書き方に変えて、なるべくオープン質問を出せるようにしました。

質問には、イエスかノーで答えられる質問と、回答形式が制限されておらず自由に答えられる質問とがあります。オープンクエスチョンは回答の範囲が制限されておらず、回答者が自由に答えられる質問のことを言います。

回答内容に制限がある質問のことを「クローズドクエスチョン」と言います。例えば「はい」または「いいえ」で答える質問や、3択や4択など回答内容があらかじめ決められている質問はクローズドクエスチョンです。

「オープンクエスチョン」とは? 相手の本音を引き出す質問の秘訣

2.  インタビュー内容のグループ化
1で出した聞きたいことを似ているもの同士あつめてグループ化、グループの命名をしました。そして、「これは聞いたみたい!」というものに投票して実際の質問内容を決定しました。

質問内容のグループ化

聞く内容を決めた後は、それをどのような順番で聞いていくか検討しました。
順番を決めるポイントは
・流れが自然になっているか
・答えにくい質問を最初のほうでしていないか
同じグループでもいくつか聞きたいことを選んでいたので、その中でも自然な流れになるように意識して順番を並び替えました。

質問内容順番検討

3.  インタビューガイド作成
インタビュー本番の流れを通しで具体的に書き起こしました。
・導入
 挨拶、インタビューの目的、インタビュイーに期待すること、留意点、録画許可を書きました
・質問する内容と目的
 質問の内容は2で決めたものです。目的は、深堀をしているときに道を逸れないために書きました。

④インタビュー実施
こういう場では結構緊張してしまうタイプなので、事前に心構えを決めておきました。
「普通に友達をおしゃべりするような空間にしよう!」
これを付箋に書いてPCに貼って本番に挑みましたが…

たくさん失敗しました。
・次の質問を考えてしまって話が聞こえない
・メモ取るの苦手
・「〇〇ってことですか?」と誘導してしまう
・深堀不足(質問に対して1つ答えてもらったあと「そうですか~」で終わってしまう)
・インタビューガイドにとらわれてしまう
・「ありがとうございます、次の質問に移ります」と区切ってしまう

一方で気づきも得られました。
・メモ取るより、インタビューガイドガン見するより、インタビュイーをガン見するのが一番集中できるし内容も入ってくる。(でもこれオンラインだからこそできたのかも…)
・たしかに、普段友達と話す時ってメモ取らないしカンペもないもんなぁ…
・ただちょっと、インタビューのときは「深掘る」ことを意識しないと

あのときどうするべきだったのかを考えてみる

検索して出てきたインタビューの体験談やポイントを読みながら、次はどうするべきかを考えてみました。
・次の質問を考えてしまって話が聞こえない
 次の質問を考えるときはだいたいインタビューガイドや事前にmiroでまとめていた質問内容を見てその中から今の話につながりそうなものを選ぼうと考えて行動してしまっていた気がします。せっかくインタビューを受けてくださった方が話しているのになんて失礼なんでしょう…と今は思います。次の質問を考えるというか、その時の話の内容を広げるというほうがユーザインタビューの場としては合っているのかと思います。

・メモ取るの苦手
 次の質問を考えてしまって話が聞こえないのと同様、メモを取っていると、その間の内容が全然聞こえませんでした。それに、取ったメモを見ながら話すということもできなかった(自分の字が読めない)ので全然メモが役に立ちませんでした…。これは4人目のインタビューのときに解決しました。
メモを取ったり、インタビューガイド見たりするよりも画面に映ったインタビュイーの顔を見ながら手を止めてちゃんと話を聞くことが私には合っていたようで、ちゃんと話を聞いて話を広げることが少し上手にできました。

・「〇〇ってことですか?」と誘導してしまう
〇〇の部分にインタビュイーの回答がつられてしまうのでこれは良くないようです。1人目のインタビューの時「時短前に比べて工夫していることはありますか?」という質問に対し「子どもがいないときは時間が解決してくれたけど今はそうはいかない」という回答をもらいました。そこで私は「時間をうまく使えるように工夫しているということですか?」と返してしまいました。このとき、私はしゃべらずに無言で相手の発言を待つか、[「そのときどうしましたか?」と回答の内容を絞らない聞き方にした方がよかったと思います。

・「ありがとうございます、次の質問に移ります」と区切ってしまう
最初自分では特に悪いことだと思っていなかったのですが、先輩からのフィードバックで「それではただのQAになってしまう」と言われました。次の質問に移ります、話を変えます、などは話題が大きく変わるタイミングだけで良いそうです。2人目からのインタビューでは「ありがとうございます」と言いたくなるのをぐっとこらえていました…。それによってちょっと変な間が空いていないかな?とか会話の流れ変になっていないかな?とかちょっと落ち着かない気持ちになりましたが多分慣れるのかな?

おわりに

4か月も遅くなってしましましたが、初めてのユーザインタビューを振り返ってみました。
先日価値のカタチ展2022を視聴していたとき、PAC分析という言葉と出会いました。もともとは心理学分野の調査方法らしいのですがユーザ調査をするときにも役に立つようです。インタビューとはまた違った良さがあっておもしろそうなので、調べてみて次の記事で書きたいと思います。

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