フィギュアスケート21‐22 覚書①  三原舞衣 SP「I Dreamed a Dream」 祝☆四大陸選手権優勝

フィギュアスケートファンになってかれこれ20年近く経つけれど、ここ数年はTV放送をチェックするくらいのゆる~い「お茶の間スケオタ」     最近はスケートのことで頭が一杯になったり、試合を見て胸が締め付けられるような気持になるのことはあまりなかったのだけれど・・・
今シーズンはオリンピックもあり、気になる選手のこと、プログラムのことを自分の覚書として記します。

何回も何回も見直したくなる演技・・・こんなプログラムは本当に久しぶりです。フィギュアスケートならでは表現、感動に満ち溢れています。

2分40秒の中に世界観がギュッと詰め込まれ、特にジャンプを終えた後は印象的な振付が多く「手を上げ何かを掴み取ろうとするようなシットスピン」「ステップ途中でジャッジ席に向かいぶわっとと両手を広げる」「ステップ終わってからの足を開きガクンと膝を折る」「さながらファンティーヌの魂が天昇していくかのような最後のスピン」・・・物語がじゃんじゃん溢れ出してきてがっつりと作品を一本鑑賞した気分になれます。

もちろん振付ウィルソンのお手柄でもありますが、ここまで印象深く演技できる選手はそうそういません、振付の輪郭を強く表現できるとでも言うのでしょうか、自分の中ではキムヨナに被ります。以前の「ガブリエルのオーボエ」も良プロだったので、来期以降もウィルソンプロ見てみたいなあ。

シーズン当初、このプログラムが発表になった時「三原舞依にレミゼって・・・合いすぎだろっ」とちょっと心配になったくらいです。体調のこともありますし、見ていて辛くなってしまうのじゃないかと・・・

それがそれが・・・シーズンインしてからは見事にいい方へと裏切られました。あざといまでに「I Dreamed a Dream」がハマり、「良いベタほどいいプロはないという」フィギュアスケートの王道を行く三原舞依代表作になったのではないでしょうか。一見、彼女の華奢で儚げな外見がフォンティーヌに被るのですが、ひとたび滑り出すと、滑らかすぎるスケーティングから繰り出されるクリーンなジャンプ、最後までスタミナ切れすることもなく、というか、渾身のステップではボルテージが最高潮になり、演技全体としてはレ・ミゼラブルの「力強さ」「不屈」を表現しているという二重構造になっているんですね。一つの演技でいろいろな感情を味わえる、本当に芸術作品の域だと思います。

全日本前には「これは、オリンピック・・・いける!?」と思ったのは自分だけではないと思いますが、全日本だけは上手くいきませんでしたね。個人的に全日本の結果は優先されるべきだと思っているので、五輪の選考結果に異論はありません。せめてワールドだけでも・・・とは思いましたが、それもこのSPを多くの人に見て欲しいからです。

フィギュアスケートを選手として続けていくにはどれだけ大変なことなんだろうと思いますが、荒川さんのトリノ、あっこちゃんのソチも今の三原さんの年齢よりも上です。少しでも長く続けてくれたならこんなに嬉しいことはありません。





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