フィギュアスケート21‐22 覚書④  グラディエーター 坂本花織/鍵山優真  祝☆世界選手権金メダル/銀メダル

フィギュアスケートファンになってかれこれ20年近く経つけれど、ここ数年はTV放送をチェックするくらいのゆる~い「お茶の間スケオタ」     最近はスケートのことで頭が一杯になったり、試合を見て胸が締め付けられるような気持になるのことはあまりなかったのだけれど・・・ 今シーズンはオリンピックもあり、気になる選手のこと、プログラムのことを自分の覚書として記します。

オリンピック、世界選手権とメダルラッシュで終わった21‐22シーズン。    今季一番テレビから流れてきたフィギュアスケート使用曲はきっとこの 「グラディエーター」ではないでしょうか。                                          もともと、それ程使用頻度の高い曲ではないと思いますが、今季は日本の男女トップ選手が揃って使用するという偶然。                             この曲で有名なのは20年以上前のアレクセイヤグディンの演技・・・   その男前っぷりでも伝説の選手、ヤグディンが演じるのはグラディエーターになりきった王道のプログラム。                          (とは言うものの・・・自分はこの時まだスケオタ以前、リアルタイムでは知らないのです。しかも映画も見ていませんが、当時の動画を見てから自分の中では映画グラディエーター=ヤグディン) 

それに対して、映画の主人公を演じるのが王道というか、スタンダードなプログラムとするなら、今季の二人のプログラムはちょっと変わったアプローチだったのではないでしょうか。                            

まず坂本さんのプログラムは、女兵士・アマゾネスとか、勝利の女神とか・・・そういうイメージ。ドラクロワの民衆を導く自由の女神みたい。     特に終盤のステップ~スピンは勝利の祝祭とか、女神の凱旋感がハンパなくて毎回ワクワクさせてもらいました。                     

対して鍵山君のプログラムは最初、正直、どう見てよいのか分からないプログラムでした。鍵山君の少年のような見た目、ローリーの洗練された振付、滑らかなスーティング、軽々と飛ぶ四回転、ブレのないスピン、毎回大きなミスをすることもなく、飄々と滑りきってしまう・・・いつ見ても全く破綻というものを感じさせない彼の演技は今一つ「グラディエーター」と結びつかなかったのです。                            ある時「これは老兵が少年兵だった頃に見たものを回想しているプログラム」なんだ!と勝手に思うようにしました。そうなってくると見え方が違ってきます。技術の高さも飄々とした演技も老兵の語りのようであり、だんだんとお父様の正和コーチの語りのようでもあり・・・このプログラムを見るたびに人生のしみじみとした喜びや哀しみをも感じるようになったのです。フィギュアスケート妄想最高!

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